154 戦争 8
この国との通商交流が始まった。この国のゴミ処理問題、セラミックの利用に進展があった。しかし研究者は宇宙船に注目した。
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具体的な通商交流に付いては残った2体のアンドロイドが担当した。飲み食い不要なアンドロイドでも部屋や衣類は必要だろうと客室を与えられ世話もされる。
アンドロイドが提案したもので最も有効的なものがゴミ処理、下水処理、公害対策だ。ゴミはなんでも回収出来る。核の利用は核兵器は禁止されても核による発電等平和利用は禁止されていない。当然核廃棄物が発生する。この処理も問題ない。公害対策も対応出来る。温暖化問題の対策は難しいが、公害対策は個別に出来る。
実用的には土や砂や石を使って様々な物が出来る事だろう。比重もコントロール出来るし柔軟性もコントロール出来る。ペットボトルやプラスチックが土から出来る。宝石も思いまま作れる。木材のような物、良質な石材、金属のような物が土、砂、岩から出来る。物の価値が変わる。
最も研究者が興味を持ったのは宇宙船だ。この問題に超高度アンドロイドは答えない。簡易型アンドロイドは理論的な事は話す。実際の宇宙船の見学も容認する。しかし、この星の人間が宇宙船を作る協力はしない。しつこく聞く研究者は翌日目が覚めないものがいる。宇宙開発は宇宙人の望まない事だと判る。宇宙船の技術は反重力物質の活用から始まる。反重力物質は様々な活用が出来るが現在は燃料として活用する場合が多いようだ。研究者達を乗せて実際に飛行するマスコミ関係者も一緒だ。搭乗場面から実際の飛行まで星の人々は目にする。月を回って戻ってくる。約3時間のクルーズだ。宇宙船が凄いものである事は誰にも判る。宇宙船の理論は誰にも知られる。反重力物質の入った燃料を使用している。難しいコントロールが必要なので高性能コンピュータで制御される。恒星間移動の時には時間を操り短時間で移動する。そういう内容を詳細に説明される。しかしこの星の人間に作る手立ては教えられない。ある時簡易型アンドロイドに宇宙開発の研究者が宇宙船の作り方に付いて尋ねた。簡易型アンドロイドは、
「この星の人間に取って、宇宙船は核兵器と同じです。この星の人間が作ったら攻撃目標になります。与えた情報でそこ至るならこの星との関係を見直す必要があるでしょう。」
人間が宇宙船を反重力物質を時間操作を作り扱うとすればどうやってそこに至ったか知る必要がある。この星の人間が至る筈がない事だからだ。宇宙船の製造は兎も角、反物質や時間操作は一定以上の能力がなければ作れないし扱えない。今の所能力のある人間はいないと認識している。もしこの星に能力のある人間がいるなら認識を新ためる必要がある。
要するに、この星の人間にしてみれば、言葉でやり取りする猿を見付けるほどの事だ。この星の人間が宇宙船を扱う事はありいえない。だから作り方を教えて、作っても動かせないから教えない。猿に言葉を教えても話せないのと同じだ。研究者は反発した。
「やってみないと判らないではないですか。」
簡易型アンドロイドは判るという。テレパスの能力がないと使えない。この星でテレパスの能力がある人間に出会った事がない。
簡易型アンドロイドは詳細に宇宙船に付いて説明したり、宇宙船に搭乗させて月まで観光させた。マスコミにも搭乗させる。宇宙船を扱うにはテレパスの能力が必要だそうだ。