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         150 戦争 4

 エノラ・ゲイ作戦の成功式典でマリエールは姿を現した。明後日正午にこの基地やその周辺の地域の施設を消滅させると表明した。

           150  戦争  4


 マリエールは陸軍部隊の様々な所を回り、様々な武器、戦闘機、輸送機、戦車、機関銃などの銃器等を見た。戦闘機へのコンピュータの導入はしていない。陸軍部隊にコンピュータがない。情報管理システム技術がそこまで至っていないだけだが後100年で滅びるにしはお粗末だと思う。核開発やコンピュータの技術は100年で大きく成長するのだろうが、あまりに考え無しに星を滅ぼしたように思える。考えて星を滅ぼす事はないが。

 エノラ・ゲイ作戦は確実に進んだ。東の戦争は終局した。西の敵国の制空権を奪い軍事施設や軍事工場への攻撃が始まった。手加減をして都市部の施設だけの空襲に止め、降伏しないようにした。エノラ・ゲイ作戦は完成した。後は実行に移すだけだ。マリエールもこの施設を破壊するタイミングを見計らう。間もなくエノラ・ゲイ作戦の完成を祝う式典が催されるようだ。マリエールはそのタイミングで施設を破壊する事に決めた。

 式典の日、マリエールは姿を見せた。誰も知らない美人を会場の人々は唖然として見た。マリエールは、

「皆様、御機嫌よう。私は貴方がたから言えば宇宙人で未来人。100年後にこの星は核戦争で滅びるわ。貴方がたが作り出した核兵器でね。だから私はこの施設を破壊しようと思うの。明後日正午よ。この基地ごと破壊するわ。なんでも運び出していいわ。エノラ・ゲイ作戦も完遂させたいでしょう。」

それだけ言うとマリエールは姿を消した。

 会場はパニックになった。しかしそこで一括するものがいた。部隊長だ。

「きみ達冷静になり給え。エノラ・ゲイ作戦は完遂されている。後は持ち出すだけだ。きみ達の身柄も明後日の正午までに安全に避難させよう。」

各自避難のための準備を始めた。もちろんデマだと考える人間もいた。直接マリエールを見ていない人間は特にだ。いきなり核兵器の輸送を命令された輸送機の機長の場合は特にだ。機長は上司に、

「これは敵国の罠ですよ。基地から出た途端、攻撃されますよ。」

上司は冷徹に言った。

「きみのように考える者は少なくない。しかしこれは幹部の決定だ。戦闘機の護衛もある。」

軍人は上司の命令を如何に遂行するかが求められる。これ以上の意見は求められていない。

 心配した敵の襲撃はなかった。核兵器や研究者の西の基地への輸送は完了した。日時までに3回の輸送をした。全員の研究者の輸送は完了した。軍人はほとんど残った。3回目の輸送は時間ギリギリだった。出発後間もなく大きな衝撃か伝わった。爆発ではない。出発した基地何も残っていない。機長は思った。

「こんな相手に敵うわけがない。」

基地とその周辺10万平方キロメートルは未知の空間になった。軍事基地以外何もない所だが上空まで占拠されている。上空からでも様子が見えないし上空に侵入しようとすると別の場所に移送される。

 当然この国の政府この問題に大きな関心を持ち、この地域への侵入を試みる。しかしその試みは尽く失敗する。

 消滅した地域が確認出来ない。地上はもちろん上空から侵入しようとしても他の場所に移送される。この国の政府は侵入を試みるが尽く失敗する。

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