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         133  紅の翼

 紅の翼のメンバーにアイテムボックス持ちである事を指摘されてメンバーから抜けたマリエール。10年後再会する。

          133  紅の翼


 紅の翼のメンバーがマリエールにアイテムボックス持ちだよねと言ったのでマリエールは消えた。リーダーはマリエールから別け前は受け取っていると言われたがチームの関係は良くならない。マリエールにアイテムボックスの話しをしたメンバーをもう一人のメンバーがしつこく詰る。マリエールが居た事で上手くいっていた討伐も護衛も上手くいかない。プライドばかりが高くなったままのチームは依頼失敗続きだ。持ち金も少なくなり。リーダーはチームの解散を進言した。これには他のメンバーががんとして受け入れない。

護衛依頼はリスクが大きいので常時討伐だけを受ける事にした。ある日メンバーの一人がオークに殺された。2人ではチームの維持は難しい。死んだのはマリエールにアイテムボックスの話しをしたメンバーだ。風の便りでマリエールの話しを聞き、隣のギルドで活動している事が判った。何日かそのギルドに通いマリエールに会った。戸惑うマリエールに紅の翼のメンバーは、

「また一緒に活動しよう。」

と言った。20代の半ばを過ぎた紅の翼に対して、マリエールの姿は昔のままだ。マリエールの回りには10代の少女達がいる。マリエールは少女達に紅の翼という昔の仲間だと説明して先に帰って食事をするように伝えお金を渡した。昔の私達だとリーダーは思う。マリエールは紅の翼を食事に誘う。メンバーは、

「また一緒に活動しよう。」

というが、マリエールは同意しないとリーダーは判った。10年経っても何も変わらないマリエール。それが何を意味するかリーダーは見当がついた。リーダーは、

「どういう事か説明してくれるかしら。」

と言った。マリエールは理解して貰えるか判らないけどと前置きして、

「私は不滅の存在で年を取らないから、長く同じ人とは居られない。アイテムボックスは言い訳だけど離れなければならないのは確かな事なの。10年の間いろいろな人と関わっては離れたけど再会したのは始めてだわ。十分にお金を渡して別れるから直ぐに冒険者を止めると思って油断したかな。私達10歳以上は歳が離れているようにみえるでしょう。とても一緒に冒険が出来るとは思えない。今一緒に冒険している子達は昨日一緒に冒険を始めたばかりだから理由を話してお金を渡して別れるけど、同じようにあなた達ともいられない。不滅の存在は理解されていい事ではない。ここでの冒険楽しかったけど潮時ね。」

メンバーは一緒に冒険しようといい募る。

「上手く別れてあげられなくてごめんなさい。私に執着するものを残してしまったのね。私もこの世界にもう居られないの。これを持って冒険者を止めて当たり前の生活をしなさい。あなた達のランクはDランクの能力のままよ。」

マリエールはアイテムバックを二つ差し出した。マリエールと共に歩んだ華々しい日々。その後の自堕落な日々。自分達は自分達を鍛えようとしてこなかった事への付けである。メンバーは、

「私達、夢を見ていたのかしら。」

あながち間違いではないのだろう。

 10年間紅の翼は冒険者を続けた。しかし努力を続けなかった紅の翼のメンバーには冒険者を続けるのは難しい。

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