125 王女
マルシア王女は不滅の存在になる事を希望した。マリエールが断わると、不滅の存在になるのと封印だけでいい。人間は発展させないと言う。
125 王女
王女はこの聡明なマリエールという少女が気にいっている。年齢は同じだそうだ。しかし達観した賢者のように落ち着いている。何事も全て完璧で、知らない世界の知識まである。マリエールは宇宙人で未来人と言われた時は衝撃的だったが、他の者には伝えてはならない事だとは判った。その時から念話で話しながら、言葉で話し、手を動かすという事をした。特に外国語の習得には有効だ。マリエールは魔法が得意で、いろいろ付与魔法してくれる。共有アイテムボックスも付与してくれた。
マリエールは良くシルビアやシルビアの星に付いて説明してくれる。シルビアとの出会い、シルビアのやらかし、そして封印とその解除、今回やった事、何時もは感情の乏しいマリエールがシルビアの事になると感情的になるのが面白い。王女は、
「私もシルビアになりたいわ。」
その一言でマリエールは思考を止め、
「申し訳ありませんがそれは出来ません。」
起こりそうな未来を変える事は出来ても起こってしまった過去を変えても良いものなのか、理解が及ばないそうだ。王女は食い下がった。
「歴史の改変に問題があるならマリエールがやっている事自体が問題ではないか。マリエールは人に夢を持たせその夢を壊すのが好みなのか。滅亡した世界と滅亡しない世界が存在するだけではないか。」
パラレルワールドだ。可能性としてはそうなるのだろうと思う。しかし、現実問題として100万年間滅亡した星だったのに突如として高度文明持った星が生まれるのが脅威だ。そんな脅威などない方がいい。マリエールは、
「100万年間でどんな発展を遂げるかも知れない存在を放置して於けるほど楽天家ではないのでこの話しは無しだよ。」
王女はマルシアと言う。マルシアは人類の滅亡が容認出来ない。
「不滅の存在と封印だけでいい。人類は発展させない。だから認めて欲しい。」
マリエールはマルシアを不滅の存在にし、恐竜擬きの召喚術と封印を与えた。
そして現代に戻った。マルシアが言う通りこの星は発展していない。マリエールはマルシアを感知して会いに行った。マルシアは13歳のままだ。特に能力的に向上もしていないしアンドロイドもいない。人間は封印をした所でのみ生きているようだ。マルシアは、
「人間を発展させない事に集中しました。お陰でなんとか生きのびました。封印のかかっている場所を発展させないように注意してきましたので、封印を解除する事もありませんでした。」
シルビア比べて優秀な不滅の存在だ。
マリエールはマルシアにアンドロイドの作成方法を教えた。また不滅の存在に絶対服従するアンドロイドと簡易型アンドロイドの導入を勧めた。マルシアの了承を得たのでジュリに連絡した。ジュリがこちらにいる間、マリエールが移住星にいる事になった。
100万年以上不滅の存在でいる存在がいる事は驚嘆だ。しかし、約束通り人間も発展させず。自らも成長させなかった誠意は誇らしい。マルシア本人は優秀らしい。新しい不滅の存在として期待出来る。
100万年経っても人間は発展せず、マルシア自身の進歩もない。評価出来る行ないだ。かなり厳しい事だったと思う。