123 封印の謎
20万年前のシルビアの星に来た。場所も時間もあっている筈だ。少女が現れた精神生命体だ。過ちを繰り返す人間の話しを聞いた。
123 封印の謎
マリエールはシルビアやジュリに、
「20万年前に封印を作った宇宙人に会いに行く。時間がかかると思うから本日を視察はこれで終了。みんなお疲れ様。」
と言ってマリエールは消えた。シルビアは、
「マリエール様は無茶苦茶だな。」
ジュリはシルビアがそれを言うなと思ったが黙っていた。ジュリは移住星に戻ってマリエールの帰りを待った。
マリエールは、20万年前に来ていた。場所はここであっている筈だ。時間は多分間もなくだろう。どんな存在なのか判らない。少なくとも人類を救ったからには邪悪な存在ではないだろう。ただその存在については判らない。何を思ってそんな事をしたかも。
程なく、地面の一点が光りその存在は現れた。少女だ。しかし、外見通りの存在でない事は判る。隠す事もない魔力はマリエールの比ではない事が判る。その気ならマリエールを殺せる。しかし存在にはその気はないらしい。存在は、
「わざわざここまで来るのね。何故封印なのか知りたいのね。別に構わないわ。封印した人にはその意味を知って貰う必要があるわね。封印と解除、時を超越した私はかってこの世界に存在した恐竜を自在に生み出せる。もちろんその物ではない。恐竜になぞった別物。しかしどんな高い文明があろうがその恐竜擬きには敵わない。人間の傲慢さを挫く存在だから。」
マリエールは、
「あなたはこの星の住民だったのですね。」
少女はにっこり微笑む。マリエールは、
「私達はあなたの夢の中で振り回されていたのですね。」
少女は笑顔のままだ。少女は、
「核戦争の後、私は精神生命体になった。大地は荒廃して生き残った人間も滅亡の淵に有った。私は部分的な天地創造を繰り返し、人々を救った。しかし、人々は滅亡の道を歩む。ある時私は恐竜を送り、文明を破壊した。ある程度反省したように見えたので恐竜の封印をした。また人間は傲慢になったので封印を解除した。また封印したのはきみだった。後はきみの知っている通りだ。」
少女ははにかむように、マリエールを見詰めた。
「この星をそなたに託そう。そなたは数々の失敗をしている。しかしシルビアに託すよりはましだろう。そなたは可能性がある。精神生命体の自我を失う前に私の力をそなたに託す。」
少女は姿を消した。マリエールは力が滾るのを感じた。
マリエールはシルビアの星に戻って少女の話しをした。シルビアは驚いた。
「宇宙人だと思ったら、この星の人だったのね。その思いは私が引き継ぐわ。」
少女はシルビアでは駄目だと思った事は伏せておく。マリエールはジュリの所に戻ってジュリにも少女の話しをした。ジュリは、
「私達の選択は正解だったのでしょうか。」
マリエールは曖昧に笑った。
「正解も不正解もないだろう。その時の最善を尽くせば結果はどうでも正解だ。」
マリエールは能力の事は言わない。いずれ判る事だし、言う事でもないような気がする。
マリエールは改まってジュリに話しをした。
「暫く滅びた星を過去に行って探ってみるよ。シルビアの星も滅びた星だと判ったし。ついでに天地創造も掛けてくるよ。留守中よろしく。」
精神生命体の力を受け継いだマリエールは必要な旅だ。
封印を作ったわけを聞いた。人間の未来を託され、精神生命体の力を与えられた。滅びた人間達と出会う旅に出るこのにする。