122 ジュリ達の来訪
ジュリとマリエールはシルビアの星を来訪した。シルビアも立ち会い、巡視した。シルビアは人々に声を掛ける。人々も応ずる。
122 ジュリ達の来訪
ジュリとマリエールはシルビアの星の様子を見に来た。シルビアも来ている。不滅の存在に絶対服従するアンドロイドの案内で村の案内をされた。村というよりも都市だ。アンドロイドの説明では5万人を超えているそうだ。既に予定人員は確保出来ていて村の整備も完了しているそうだ。計画的な街並みだ。村という名称に拘るのはここが人間の世界と勘違いしないようにする戒めだ。美しい街並み、美しい自然、広々した空間。5万人の人口には広すぎる空間だが村の外にはエラノドンがいるため辿りつく人々はもういないだろう。シルビアは気さくに人々に声を掛ける。ジュリやマリエールには出来ない芸当だ。ジュリは数十年前は大学教員していたから人間に声を掛ける日常は有ったが、それは見知った人間への声掛けであり見知らぬ人に声を掛けてきたわけではない。シルビアが30代と思われる女性達に声を掛けた。
「ここでの生活は如何ですか。」
シルビアは小まめに顔を出しているらしく有名なようだ。
「あらシルビア様、お陰様で素晴らしい環境で生活させて頂いています。シルビア様に感謝しています。お友達てすか。」
幾らシルビアでもマリエールやジュリに対して気安くされるのは不味いと思う。シルビアは、
「この方達が私達にアンドロイドを下さり、安全に暮らせる村を作って下さったのよ。」
女性達にもその意味が通じたらしい。女性達は頭を下げ、
「ありがとうございます。」
マリエールは苦い顔をした。今回マリエールは特別何もしていない。それをいうのも変だ。
視察を終えてシルビアの屋敷に来た。アンドロイド達がお茶を入れてくれる。シルビアもいろいろなアンドロイドを作れるようになった。エラノドンと戦えるアンドロイド、建築工事や流通や行政に携わるアンドロイド、家事が得意なアンドロイド-------------。様々な分野で活躍するアンドロイドが出来る。
シルビアは視察のお礼、アンドロイドを提供してくれ、立派な村作りをしてくれたお礼を言った。ジュリは、
「シルビア様が決断なさったからですよ。不滅の存在に絶対服従するアンドロイドはかなり危険な存在です。不滅の存在に反逆する者には一切の容赦がありません。まだ封印を解いて1000年です、不平を持つ者、知識を受け継いだ者も居るでしょう。エラノドンとの共存を選択した事を不満に思う者も居るでしょう。全てを含めて私に任せて頂いた結果です。将来は判りませんが取り敢えず成功とお認め頂けるでしょうか。」
シルビアもマリエールも称賛した。ジュリは礼を言う。誰の目にも成功と判る。
マリエールが話しを変える。
「私は時空を操る事が出来る。シルビアに1000年前封印を解いた事に悔いがあるなら千年前のシルビアに解かないように伝えたり、核兵器回収や環境破壊の対策がとれると思うがシルビアはどう思う。」
シルビアは複雑な思いがあるようだ。シルビアははっきり、
「お断りします。自分の失態です。全ての責任は私にあります。マリエール様に尻拭いしていただくのは間違っています。今回はジュリ様のお陰で対策も出来ました。失敗は繰り返しません。」
マリエールはその言葉を聞いて安心したと言った。
マリエールはシルビアに1000年前に封印を解いた事に悔いがあるなら止めてきてもいいと言った。シルビアはきっぱりと断わった。