118 ジュリの対応
ジュリはバーチャルリアリティや簡易型アンドロイドへの規制に疑問を持っている。マリエールは反応を示さない。それを規制に対する容認と取られた。
118 ジュリの対応
ジュリは、バーチャルリアリティや体験ゲーム、簡易型アンドロイドの規制に関して疑問に思っている。女性団体や社会問題研究会のヒステリックな反応により、バーチャルリアリティや体験ゲーム、簡易型アンドロイドに厳しい規制がかかった。確かにバーチャルリアリティや簡易型アンドロイドは人間同士の結婚の減少をもたらしたし、人間の滅亡の危機に陥れる可能性もなくはないと思う。バーチャルリアリティや簡易型アンドロイドで素晴らしい恋愛が出来れば現実の人間同士の恋愛や結婚には興味を持たなくなる可能性はある。ならその部分だけ規制すれば良かったように思う。教育上問題のない、教育効果を上げるバーチャルリアリティや体験ゲームだけ認め、冒険の体験ゲームは教育上有害だとして母星の一部地域でしか認められなくなった。子どもにだけ規制を掛ける事出来た筈だが大人も含めて禁止された。簡易型アンドロイドは性別が判るものが禁止されたので簡易型アンドロイドは、機械のロボットの仕様しか認められなくなった。バーチャルリアリティや簡易型アンドロイドや体験ゲームを楽しめるのは母星の内陸地域に限られた。強行にバーチャルリアリティや体験ゲーム、簡易型アンドロイドの規制を主張した女性活動家の息子が母星に移住した話しは大いに話題になった。
こんな合理性のない主張が認められたのは、それがあたかも不滅の存在の意を汲んでいるように見えたからだ。少なくとも行き過ぎた規制をジュリは望んでいない。マリエールはどう思っているのかジュリには判らない。他の事はマリエールの気持ちがジュリに伝わるが、バーチャルリアリティ等に関してはマリエールは何も触れないし、ジュリにも伝えない。ジュリもそう思ったし多くの人が思った。要するにマリエールは女性団体や社会問題研究会の主張を容認していると。端的に言うと、マリエールには判らない事だ。人間の恋愛や冒険心など、マリエールには判らない。コメント出来ない事だ。その判らない事が判らないからジュリもコメントが出来ないままコメントしなかった。規制はそのまま承認された。ジュリが何かいえば違ったかも知れないが、ジュリはマリエールを潔癖な女性だから規制に賛同していると思った。マリエールの本心を知ったのは規制が始まり随分経ってからだ。自分にはそんな感情がないから判断出来ないというマリエールの本心を。
ジュリは介護や看護用アンドロイドを女性型にするように、内閣に進言した。そしてマリエール本心を伝えた。行き過ぎた規制が改善され始めた。バーチャルリアリティや体験ゲームも医療の場等で活用が始まった。あくまでも合理性や教育の観点から見て改善するべきものに限る。冒険体験ゲームは規制が外れる事はなかった。合理性からも教育観点から見ても、冒険体験ゲームの規制を外すメリットはないと判断された。ジュリがメリットを感じない。ビルは移住星に帰る事はない。
マリエールから本心を聞き出したジュリは合理性と教育的観点から改善を行った。看護や介護用のアンドロイドは女性型にした。