115 今後の活動
紅の翼は、洞穴を拠点にして王都に限らず、いろいろな冒険者ギルドで様々な冒険に挑む事にした。
115 今後の活動
リーダーは女性達の事を村長に頼み、食料を幾らか渡した。当面の女性達の食料だ。討伐達成のサインを受け取った。冒険者ギルドに行き達成の報告をした。洞穴のアジトを整備して料理道具やベットを用意して生活の場にした。明かりは魔法を活用する。
夕食取りながら、今後の活動について話しあった。旅に出て見聞を広げる意見もあった。ダンジョンを攻略したいという意見もあった。盗賊団の討伐をしたいという意見もあった。最終的にはせっかく拠点と転移とフライがあるのだから、王都に限らずあちこちの冒険者ギルドを回り様々な体験を積む事になった。
ビルは仕事に復帰して今後の事を考えた。ビルは今の生活に満足しているし母星の生活が好きだ。このままの生活を続けたい。しかし今のサービスに拘る事はない。冒険でもバーチャルリアリティの程度やジャンル、能力やメンバーなので様々な選び方がある。ビルは今の冒険が好きだが違った冒険も興味がある。バーチャルリアリティに限ってもほぼ無限に希望する物が体験出来る。バーチャルリアリティの良い所は、例えば一晩に10年分の体験が出来る所や設定された範囲では自由度が高い事だ。所詮、明晰夢を見せる手段だと言える。バーチャルリアリティは簡易型アンドロイドの進歩とともに結婚願望を消失させる原因だと言われる。恋愛とか結婚願望は夢のようなものと言われ、簡易型アンドロイドやバーチャルリアリティは夢を見せてくれるから結婚する必要はないと考える者は多い。ビルは理由は違うが結婚するつもりはない。冒険やバーチャルリアリティだけでない。この場所から飛行車両で行ける範囲で体験出来る事が様々にある。宇宙のここだけがこんなに恵まれている。
子どもの教育とか社会通念とかモラルとかを持ち出せば問題だと考える人がいるのはあたり前だろう。だからこそ場所を限定して提供される。簡易型アンドロイドも特殊な物はここで限定利用される事になった。女性団体や社会問題を考える団体が、簡易型アンドロイドやバーチャルリアリティ等に規制を掛ける運動をしたため、簡易型アンドロイドやバーチャルリアリティ等は厳しく規制がかかった。もはや一般には出回らない物になった。教育上、社会通念上許される物だけが出回る。簡易型アンドロイドはまさにロボットの形をしてしなければならない。バーチャルリアリティ等は教育上有意義な物しか認めない。冒険体験は排除された。現実逃避を促すそうだ。それがビルが仕事を止めここに向かった理由だ。
ビルも考えた。仕事を続け普通の生活を送るべきではないかと。しかし今は普通の生活とは何か判らないし、自由のない生活を送る意味がビルには感じない。冒険体験に夢中な30代の男性に現実逃避だから止めろという社会が健全でないとビルは思う。教育上良くないなら子どもだけに止めさせれば良かったのではないか。宇宙を支配する不滅の存在は我関せずだった。不滅の存在は人間に厳しい態度を取る時があるが、それは軍事や環境問題に限る。後の事は人間が自由に決めればいいと考えている。不自由になるように決める事も構わない。
ビルはここに来る経緯などを考えた。簡易型アンドロイドやバーチャルリアリティ等の問題をきっかけに規制をかけた。冒険体験まで一般地域での規制対象になり規制のないここにやってきた。