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        113 護衛依頼

 紅の翼は護衛依頼を受けた。人が怪我をする事を嫌がるレンは、対人戦が苦手だ。とても辛い目に会って対人戦を克服した。

           113  護衛依頼


 大きな依頼を次々とこなし、紅の翼は暫く普通の冒険者生活する事した。朝出掛けると掲示板に幾つか張り紙が出ている。リーダーは、

「この護衛依頼は良くないか。大手の商人の護衛だ。貴婦人の護衛もあるので女性冒険者がいる事が条件だ。」

我々はこの依頼を受けた。

 約束の時間に出向くと、馬車が5台並んでいる。真ん中の馬車が豪華で貴婦人の馬車なのが判る。ビルとレンが貴婦人の馬車に乗った。貴婦人というのはビルやレンと同じ年頃の少女だ。レンは直ぐにその少女と仲良くなって冒険の話しだした。5人は孤児院の同年で旅の魔法使いに弟子入りして冒険者もやりながら生活してきた。レン達がBランクになるのを見届けて魔法使いは旅だった。ビルが入って生活が一変した。氷ダンジョン制覇、ドラゴン討伐、クラーケン討伐。でもリーダーは私達が対人戦未経験なのを気にしている。特にレンが力を出せないだろうと。ビルは、

「悪党なんて、人間の皮を被ったモンスターさ。遠慮なんて入らない。遠慮をしていたら守るべきものが守れない。我々には守る力がある。」

ビルはレンを励ました。従者の一人が話し出した。

「先ほどリーダーから聞きました。薬草採集中に仲間の一人が魔獣に殺された。それ以来魔獣を倒すのには熱心だけど対人戦は嫌がるそうです。今回は無理に誘った。ビルが入ってレンも変わった筈だと言ってましたよ。」

レンは力なく笑った。

 2日目の午後盗賊団が襲って来た。30人ほどだ。戦闘はほどなく終わった。レンは青い顔をしていた。連日襲撃がある。レンの顔色は悪くなる。嘔吐している時もある。

 ある日100人ほどの襲撃があった。何人かを討ち漏らし一人奥まで侵入した。レンと向き合った。レンは魔法が使えなかった。剣で対峙した。幾度かの剣戟でレンは怪我を負った。直ぐに回復魔法が使えた。魔法が使える事が判った。ウィンドカッターを放った。相手の剣を持つ腕を切り落とした。ウィンドカッターを討ち続いた。ビルが戻っ時そのあたりは血と肉片とレンの嘔吐が散乱した。ビルは回収して濡れタオルをレンに渡した。

 翌日からはレンも攻撃に交じった。嘔吐はあるが次第に治まった。レンのトラウマは解消したようだ。レンは、

「要約、私も殺人鬼の仲間になったようです。」

仕事を終えて、王都の居酒屋で語った。その表情に誇らしさは無くあるのは諦めだった。こんな体験をさせるために護衛依頼を受けたならリーダーは鬼畜だ。しかし誰も何言わない。これも設定なのだろう。

 冒険者ギルドと傭兵団は別物だ。しかし、殺人を伴う依頼は少なくない。傭兵団と繋がりのない村から依頼は特に多い。村の近く盗賊団のアジトを潰して欲しいなどだ。アジトの財宝は討伐したものの物だし。賞金首があれば金になる。弱小盗賊団狙う賞金稼ぎはいるが、冒険者ギルドに持ち込まれる盗賊団討伐の依頼は凶悪な物ばかりだ。国は王都の治安しか守らない。盗賊団の討伐に補助金は出すが依頼を引き受けるものはいない。

 盗賊団の討伐依頼は危険が多い割りにメリットがない。引き受ける者はいない。まして依頼される盗賊団は強い。

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