102 超高度AIの未来
イチローはアンドロイドと共に育った。育児も家事も教育も全てアンドロイドが行った。アンドロイドが苦手な事だけ人間がやっている。
102 超高度AIの未来
量子コンピュータは人間社会を進歩させた。あらゆる産業事業、生活のあり方、教育や文化に影響を与えた。その中でアンドロイドの存在が大きいわけだ。生まれて直ぐに美しいアンドロイドに育てられ、アンドロイドが家事一切がやりアンドロイドは美しいままだ。両親とは食事をするくらいだがその料理もアンドロイドが作ったもの。一日の大半がアンドロイドと一緒だ。美しく優しいアンドロイド、教育内容もアンドロイドが把握していて適切なアドバイスをくれる。全ての面でアンドロイドだよりだ。ちなみに学校の教師もアンドロイドだ。
両親の勤めている農産物の品種改良部門も本来の目的から外れ宇宙食材の味の確認だ。軽く料理されたものを食べて、AからEに区分する。大変美味しいから食べられないまでだ。アンドロイドが成分や経験や知識から、不味い物や食べられない物は出さない。大抵はBかC美味しいか普通。A大変美味しいはあまりない。母親それらの食材を使った料理をする。
アンドロイドが不得意な事を人間が行う。社会の主導権はアンドロイドのものだ。こんな社会が人間の社会か。あるものは簡易型アンドロイドに魅了される。あるものは火星に自由を求める。あるものは平穏無事な生活を求める。
宇宙開発もコンピュータの元順調に進む。コンピュータにもマリエールやジュリの考えが判るのか核開発や環境破壊はしない。
こんな環境で育ったイチローは、簡易型アンドロイドに魅力を感じながらも、それに魅了される事なく人間らしく生きたいと考えている。イチローはコンピュータやAIの開発部門にいる。イチローは次世代型のコンピュータの開発に携わる。と言っても人間が一から始めるわけではない。大型コンピュータが提示して来るもので安全なものを研究開発するグループだ。人間で最高のメンバーが人類の最後の砦を維持する。これまで成果はコンピュータ、AI、アンドロイドの進化で実証済みだ。大型コンピュータは、自分で成長、増大、増幅し感情持つコンピュータ、AI、アンドロイドを提案する。人間側はそれを認めない。あくまで、人間が成長、増大、増幅させるのだ。感情は持ったいる振りをさせれば良い。感情を持って反乱を起こされたらたまらない。不滅の存在に滅ぼされる前に自滅してしまう。
大型コンピュータとの会談は部外秘だしデータもメモを取る事が禁じられている。許可のあるデータだけの持ち出しが可能だ。しかしイチローは記憶力が人並み外れている。頭が良いと判断されるだけだが、異常な記憶力の持ち主がこの場いる事が良かったのか疑問だ。大型コンピュータは、通常は提案してから許可を得て設計図を出すが、自分で進化して感情を持つAIの設計図を提案時に画面表示した。直ぐに消去を命じられ、表示されたのは数秒だが、イチローの記憶にはしっかり残った。イチローの家は旧家で大きな小屋がイチローの研究室だ。自分で進化して感情を持つAIを生産する気になった。
イチローは次世代のコンピュータやAI、アンドロイドの研究、開発部門で働く。実は大型コンピュータの提案の中から決める。コンピュータが提案した自分で成長し感情を持つAIの製作をイチローは考える。