表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/172

       10 ドラゴン討伐

 ドラゴン討伐の依頼を受けた。S級冒険者を何人か殺し、依頼失敗に追い込んだドラゴンの討伐だ。

         10  ドラゴン討伐


 KMドラッグストアーと名乗り、この国有数の売り上げ高を誇っていても薬は怪我の治療薬や抗生物質、後消毒薬や幾つかポーション、体調調整剤や症状緩和剤や幾つかの治療薬だけだ。この世界ではそれが当たり前のようだが、この店が特別なのはフィールの使い手が多い事だけだ。それでは私のプライドが許さない。必ず内科の治療薬を作る。そのため治療薬はドラゴンから取れる筈だ。

 マリエールは冒険者ギルドに来ている。いつの間にかマリエールはBランク冒険者なっている。他のアンドロイドもBランクかCランクだ。チームもBランク冒険者チームだ。だから大抵の仕事は受けられる。1つ上のランクまでの仕事が受けられるからAランクまでの仕事が受けられる。Sランクの冒険者の仕事は受けられないが、Sランクの仕事は大抵指名の依頼だ。どうせ受けられない。

 ざっと見舞した限りドラゴンの討伐依頼は無い。ドラゴンは基本聖獣だ。オークと違いいれば討伐してもいい魔獣ではない。依頼がなければ討伐は出来ない。受付嬢に聞いてみた。

「ドラゴンの討伐依頼ない? 薬の素材に欲しいのだけど。」

受付嬢は当惑気味に応える。

「あるにはあるのだけど、Sランク冒険者に指名依頼したら。つい先日、依頼失敗してメンバーが何人も亡くなって、別のSランク冒険者に指名依頼するかどうかという話になってるの。普通ならBランク冒険者に依頼は出来ないけど、あなた達はどうかしら。ギルド長に聞いて来るわ。」

受付嬢は席を立った。暫くしてギルド長室に呼ばれた。ギルド長が話出した。

「元伯爵領、今は直轄地の山中に豊富な金山が見つかった。当然人の出入りが増える。元々秘境で人の立ち入らない所だったからドラゴンと衝突する事はなかったが。金山があると判っては引けない。ドラゴンと意思疎通が出来る者が交渉したが、ドラゴンに殺された。S級冒険者に指名依頼したが、6人のメンバーの内4人が死に1人が戻り、もう1人は行方不明だ。国の宝、国の英雄に頼めるのかどうかキャサリン女王に尋ねる問題かも知れないが、頼むならきみ達しかいないと思う。詳しい話をしよう。生還者にも会わせよう。明日の10時でどうだ。」

マリエールは私の都合で受けるのだから、キャサリン女王に尋ねる必要はない事と明日の10時でいいですと応えた。

 翌朝ギルドに行くとメンバーは揃っていた。広域な地図と詳細な地図と手書きのメモの様な地図がテーブルの上に置かれていた。生還者が話出した。

「我々青い翼は、最強のチームという自負があった。依頼を失敗した事もなかったし、メンバーが死んだり重症を負って脱落する事もなかった。今回もやり遂げる自信があった。全員十分な防具を着け対ドラゴンという事を意識して剣士がリーダー、槍使いが2人、弓矢使いが3人という構成だ。目撃情報や過去のドラゴン戦の情報から、ドラゴンは30m弱の大物、武器はブレスと爪、牙。ブレス対策に盾を持参、ドラゴンは窪をねぐらにしているようだから、上から狙う。急所は頭、心臓、目、翼の付け根、眉間。上部からなら狙える筈だった。」

生還者は広域地図で今の位置とドラゴンの居る位置を示して行き方を説明して詳細地図で現地の説明して、メモで戦闘の説明をした。

「要するに待ち伏せされたわけだ。ねぐらに居るわけでは無く空中に居たわけだ。それでも逃げるわけでも無く、比較的低空をホバリングしている。それこそ弓矢が届くほどに。全員戦闘態勢に入り、3人はドラゴンに弓矢を射た。2射、3射と放った。完全に狙い通りではなくても、顔や翼や胸に刺さった。苦しそうに呻き、地上に降りた。5mほどの高さはあるので、眉間を狙うのは難しいだろうが、胴や胸なら狙えるだろう。剣士と槍使いは勇んで駆け出した。剣や槍は刺さった。彼らは何度も突き刺した。弓矢も射た。近距離なので効果を感じた。そんな時ドラゴンはブレスを吐いた。近距離で戦って居た剣士と槍使いは倒れたままだ。弓使い3人は飛ばされたが少し距離があったので生きている。弓使いの一人は前出て矢を放った。ドラゴンの眉間を捕らえた様に見えた。しかしドラゴンはブレスをその弓使いに放った。無理だと思った。もう一人に、

「逃げよう。」

と言った。相手は治癒師だ。

「4人を助けます。」

彼女は仲間達の所に走り、彼はその場を走り去った。ドラゴンがもう一度ブレスを吐いたのを感じた。

 生還者は語る。知恵の回る悪辣なドラゴンらしい。情けは要らないようだ。始めから命は奪う気だけど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ