1 抗生物質
マリエールは出産に立ち会った。産道を緩める魔法で援助した。
1 抗生物質
マリエール10歳、幼い時から治癒魔法と複製魔法があり家業の薬屋を手伝っていた。おまけにアイテムボックスもあり、時が止められるので有効期限がない。複製魔法は、見ればアイテムボックス内に作れるので大きな薬局に行って、店にない薬を増やした。我が薬屋は、富豪層の地域でも下町に近い。下町の連中の利用も多い。マリエールが手伝うようになって中級、高級や薬剤を割安に売れる。ポーションだけでなく、丸薬、粉末、塗り薬もある。治療の道具もある。母親は産婆もこなす。マリエールは其の手伝いだ。妊婦はまだ十代のようだ。初産が辛いらしい。頭は見えているが中々生まれない。
消毒薬が臭う産場で母親はマリエールにいう。
「マリエール、あれやってくれ。産道を柔らかくするやつ。」
マリエールは魔法を掛けた。産道だけを柔らかくする魔法。使うタイミングは母親は任せだ。産婆の技術は詳しくはない。
赤ちゃんはすんなり出て来た。母親の手で取り上げられ臍の尾を切り取られた。マリエールは赤ちゃんと産婦に治療魔法を掛けた。赤ちゃんの世話を母親が、産婦の世話を私がした。後産を見届け、産婦の世話をする。産場が洗浄され、母子健康な様子が確認され家族が通された。マリエールが帰宅の準備をしていると、母親は家族に注意する事を伝えたり、礼金を貰っていた。母親は金額を確かめるとポーションを幾つだすように、マリエールに伝えた。
そんな事が合った翌日、私は冒険者をしていた。魔獣の素材で薬剤が作れないか試してみたい。防具も武具もないマリエールには強敵は難しいが、オークやゴブリンなら討伐可能だろう。オークやゴブリン、コボルト、レッドオーク、ホワイトディア、チィキン、ラビット、ワイバーンを仕留めた。魔石は金に成るし肉や素材は、食料や薬剤に成る。今回の討伐でCランクになった。ゴブリンの内臓で抗生物質が作れる事が判った。他の物で傷薬や消毒材が作れ、針や糸もあるので外傷には大分効果期待が出来そうだ。注射はこの世界に受け入れづらそうだから、スプレー、塗り薬、ポーションにしてみた。
数日後、冒険者ギルドの要請で怪我人の治療に当たった。私一人への要請だ。オークの群に襲われ、生きてる者だけギルドに連れて来られたらしい。大勢の怪我人だ。医者を呼ぶ金はない。冒険者は怪我、病気は自己責任だ。冒険者で治療魔法を持ったマリエールを呼ぶのが精一杯の誠意だ。
ギルドに向かうと大勢の怪我人がいた。一人で対応出来る人数でない。人々に呼びかけ、水で傷口の洗浄、消毒、塗り薬の塗布、抗生物質のスプレー、抗生物質と怪我の治療のポーションを飲ませてエリアフィールをした。多くの命が救われた。ギルドは精一杯の金額とBランクへのアップを認めた。ギルドに外傷治療のノウハウを伝え、消毒薬や治療薬、抗生物質と針と糸を売り込んだ。
外傷治療や治療薬の事は広く広まり、注目が殺到した。アイテムボックスと複製があるから幾らでも出せるけど、店に来てくれないと渡せない。
冒険者としての魔獣討伐で消毒薬や治療薬、抗生物質を得て冒険者達の治療に当たった。