表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/30

薮田班 4

《キャー!》

微かに首相官邸の方角から悲鳴が聞こえた。

池の向こうの人だかりはパッと蜘蛛の子を散らすようにはじけた。

その中央で誰かが倒れている。

しまった。

中山は一瞬でも安堵した自分を恥じた。

他にもいたのか。

「おい楢崎、お前の他にあと何人この件に絡んでいるんだ」

野尻が楢崎の胸倉を掴み揺さぶった。

「分からない、俺はただ、総理をここから撃てと。総理直々に依頼された」

「総理に、それは本当か」

薮田が頭上から聞いてきた。

「本当だ。俺もさっぱり、何が何だかわからないよ」

観念した楢崎は、我に返ったのかこれまでの経緯を洗いざらい話し始めた。

ある日、楢崎は上司に呼ばれ、警視総監室へ行くとそこに柿本総理本人がいた。

そして「頼む。日本の未来が君にかかっている」そう頭を下げられた。

総理本人と警察上層部もグル。そもそもテロ自体が狂言か。

ここ数日の薮田班への扱いも、それなら納得する。


中山は、一階の渋谷巡査部長へ連絡し、エレベーターで上がってくるよう指示した。

薮田と新六は見張りの四人の警官に手錠をかけた。

万が一この中に楢崎の口封じを依頼された者が居るかもしれない。

上がってきた渋谷巡査部長に簡単に状況説明し、五人の身柄を預けた。

「渋谷警部補、あなたは麹町署へ戻られた方が良い。この件に係ると君のキャリアに傷がつくことになる。よろしいですね渋谷巡査部長」

「あいすいません。お気遣いありがとうございます。隼人、お前は帰れ、後はこっちで処理する」

「叔父さん」

隼人は、意気揚々とエレベーターから出てきたのに、兄たちに除け者にされた弟のようなさみしげな表情を見せた。

「大丈夫だ、みんなお前のことを思ってのことだ」

渋谷巡査部長は小さな子供に言い聞かせるように優しく言った。

「班長、柿本総理は無事です」

梶野から連絡が入った。

「記者団の数名が逃げるさいに軽傷を負ったのと、内一名が意識不明で邸内で倒れていたと情報が入っておりますが、総理は無事です。今、宮地班が開業前の新病院へ護送中だそうです」

「梶野、メディアはどんな状況だ、ぶら下がりの目の前で総理は撃たれた。速報でやっているか」

「いえ、班長。どの局も全く報じていませんね。報道規制が掛かってるかもしれませんね」

そうだろう。

「班長、局長からです。『すぐに薮田班はさくらメディカルセンターへマルタイの護衛に向かえ』 です」

「分かった。データを送ってくれ」

「了解です」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ