２．スキル上げは重要
Tips：耐久は攻撃に対するダメージ軽減や対毒性に影響がある。食物の腐敗度への耐性も含む、全体的な肉体の頑丈さにボーナスがつく。
スーパーの駐車場に到着した。
駐車場に居たゾンビが集まってくるが、もうゾンビの相手も慣れた。いつでも発進出来るように鍵を差しっぱなしにして車の外に出ると、包丁片手にゾンビへと駆け寄る。
ざっと見で十数体のゾンビが駐車場にいるが、同時に相手にするゾンビは上手くやれば３体程度で済みそうだ。
一番近くにいたゾンビに飛び蹴りを当てる。他にも近づいてくるゾンビに飛び蹴りして、ゾンビの囲みから抜ける。駐車場の外からもゾンビは近づいてくるが、まだ距離はある。
近くにいるゾンビが起き上がったので、また飛び蹴り。この飛び蹴りが、実は重要な行動である。
飛び蹴りは、体術系で有能な『跳躍』と銃を持っていても近接戦闘が可能な『蹴り技』の習熟が同時に行える。
銃メインのスタイルで生きていくと決めたが、銃が使えなくなった時の備えが有るのと無いのとでは生存率が大きく変わる。心の余裕も生まれる。
理想は、ゾンビを一撃で蹴り殺せるぐらいには『蹴り技』のレベルを上げておきたいが、たぶん短期間では無理だろう。俺は【大柄】じゃないから、白兵戦は気にしなくていい。
俺の外見は【小柄】だ。【器用】【筋力】４でゾンビを即死出来るようになるのは、まだまだ先だ。
ある程度ゾンビが密集してきたら、一度だけ駐車場外に居たゾンビの位置を確認する。道路にいたゾンビがいまやっと駐車場に入ってきたところか。
他にゾンビがいないことを確認して、MP5のセーフティを外す。いつでも銃を使えるようにするため、他の武器は車内に置いてきた。そうじゃなきゃ、セーフティをかけただけの銃を持って飛び跳ねたり出来ない。
１発ずつ、冷静にヘッドショットする。ゾンビから遠ざかるのではなく、接近しながら撃つ。こうすることで背後からくるゾンビに襲われないようにする。視界の外から攻撃されるのが一番厄介だ。
駐車場内に元からいたゾンビを片付けると、落ち着いて新手のゾンビを撃つ。
駐車場内のゾンビを全て片付けた後、追加のゾンビは現れなかった。
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一度車に戻って他の武器類を身に着けてから、スーパーの中に入る。
電灯が点いたままの店内は、バーゲンでもないのに人影が多い。しかし生存者はいない。
近くにいたゾンビに飛び掛かって包丁で突き刺す。柄尻にもう片方の手を添えた全体重をかける突き刺しで、ゾンビは即死する。
外出２日目にしてもうゾンビとの戦闘は慣れてきたようだ。他のゾンビを巻き込めるようにゾンビを蹴り飛ばす。包丁を引き抜き、仲間が当たってよろめいたゾンビに飛び掛かり突き刺しで倒す。
別に突き刺さなくてもゾンビは倒せるが、包丁で切り付けても倒せるのか分からなかったので確実な方法を取っていた。
でも高【器用】な俺なら、切り付け１発で倒せるかもしれない。せっかくなので試しておこう。その方が早く倒せる。
MP5が暴発しないよう手で押さえながら、包丁片手にゾンビへ切りかかっていく。跳躍しながらの切り付けで急所を狙えるか不安だったが、綺麗に狙った場所を切りつけることが出来た。
首を切られたゾンビはよろめいたが、まだ倒れない。着地と同時に返す刃でまた首を切る。２回目でゾンビは力なく倒れた。
「２回で倒せるならこっちの方が安定するか」
次のゾンビはローキックで転倒させる。起き上がる前に倒れたゾンビの首を二回切ると、ゾンビはピクリともしなくなった。
「まずは何本か包丁の確保をするか」
研ぎ石で研いでいないから包丁の耐久度が不安になる。
ゾンパニは道具類の耐久度が設定されていて、ゲージが無くなるとその道具類は無くなってしまう。もちろん武器も道具類なので無くなる。
何回もゾンビを倒すのに包丁を使ってきたので、もういつ無くなってもおかしくない。それは怖いから、早く新しい包丁をゲットしよう。
後は単純に、ゾンビを刺した包丁で調理したくない。だから包丁の確保は必須だ。
将来的には『投擲』も上げたいけど、今はやる事が他にもある。最優先がメインで使用する攻撃スキル上げだ。強くないと生き残れないから仕方ない。
日が沈む前にはゾンビを片っ端から倒して、日が沈んだら生産系スキルやモデルガンでスキル上げをする。明日は行く所があるから、それまでに一定以上の強さが無いといけない。
さぁ、がんがん狩ろう。今日はゾンビのバーゲンセールだ。狩って狩って狩っちゃおう。
右手に包丁、左手にM1911。
切って切って切って、密集していたら蹴り飛ばして。なるべくじっとしないで前進する。
倒れたゾンビの行動パターンは決まっている。ゾンビは倒れたら、まず立ち上がる。それから攻撃してくる。
ゾンビは倒れ込んだら襲ってくるまでタイムラグがある。倒れたままの状態で襲ってくるかどうかは不明だが、まだ試す余裕はない。目についた端からゾンビを狩る。
拳銃(M1911)は使わず、包丁と蹴りだけで倒していく。スーパーは遮蔽物になる商品棚が並んでいるため、駐車場の様に四方八方から見られることはない。だから大きな音を立てなければ、見えない位置にいるゾンビは寄ってこない。
棚で区切られた通路のゾンビを丁寧に排除していく。途中で見つかったゾンビは待ち伏せして丁寧に狩る。倒れない程度の飛び蹴りでよろめかせて、首を２回切る。
さすがにこの状況でステータスを見る余裕はないが、駐車場で戦っていた時よりも着実に倒しやすくなっている。スキルも上がっているだろうし、心の余裕も生まれてきた。ゾンパニを何十回とクリアして、何百回と殺されてきた経験が生きている。
ゲームとの差異はあるが、ゲーム通りの仕様も多い。攻撃を食らえば一瞬動きが止まるし、ノックバックすればよろめいたり倒れたりする。極端な話、切り続けている限り攻撃してこないのだ。スーパー内のゾンビが残りわずかになったことを確認して、検証も開始する。
まずはゾンビの動き。転倒させたゾンビに馬乗りになる。ゾンビは立ち上がろうとするが、すぐそばにいる俺を攻撃するそぶりは見せない。試しに口元に手を伸ばすが、反応なし。ほっぺたを引っ張ると、冷たく強張った質感の頬を簡単に引っ張ることが出来た。
ここまでやって攻撃してこないなら、起き上がるまで起き上がる動作を繰り返すのだろう。とりあえずこのゾンビの首は切っておく。
次のゾンビはわざとつかみかからせる。そして噛まれる前に足を蹴る。一瞬動きが止まったのを見てからゾンビの首を軽く刺す。また一瞬だけ動きが止まった。チクチク刺すたびにゾンビが痙攣したように反応する。面白いけど他のゾンビが襲ってきたら面倒なので銃で脳天を撃ち抜く。
銃声で店内のゾンビたちが反応したようだが、残りわずか４体程度だ。検証がひと段落したので、近づいてきた順にサクッと切り殺した。
本当ならバックヤードの確認もしたかったが、まずは食糧その他を拠点に持ち帰る。
今日ある物品が明日もある保証はない。今のところ生存者は見かけていないから、明日も問題なく置いてあると思うが、しばらく今の拠点で過ごすことになるから必要物品は多めに持ち込んでおく。カートを何往復もして、車に詰められるだけ荷物を積んでいく。
「いったん帰るか」
帰りはゾンビを見かけ次第、即射殺する。もう帰るだけだから弾丸は使い切るつもりで良い。
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帰宅して、息を吐く。最後まで楽勝だったけど、やっぱり緊張はしていたみたいだった。
家に帰った、安全地帯に帰ってきたと実感したら、どっと疲れを感じた。荷物を床において、ベッドに倒れ込む。あぁぁ、しばらく引き籠っていたい。もう出かけたくない。何もしたくない。
そうも言っていられないので、仕方なくベッドから起き上がった。
まずはポイントで弾丸の材料を買って、『道具作成』で弾丸を生成する。弾丸の作り方は知らなかったが、『道具作成』で弾丸を作ろうと念じたら弾丸が出来上がっていた。
過程はどこに行った。
それを言うならポイントで買った物がいきなり出現するのもおかしな話だから、そういう物だと納得しておく。
買い物用の手提げカバンに弾を込めた予備マガジンをMP5の分だけ４つ放り込む。さぁ、物資の補給をジャンジャン進めよう。
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スーパーと家を往復する。見かけ次第ゾンビは片付ける。最初に出掛けた時と違って弾丸が豊富にあるので、ジャンジャン撃つ。車から降りないで済むからスムーズに処理できる。
合計３往復すると、昼の１２時になったので昼食休憩をとることにした。
炊いておいたご飯をフライパンに入れて、牛乳と色々な具材を追加。なんちゃってピラフだ。ブイヨンも入れて味を調えて、出来上がり。凄く美味しいわけじゃないが、調味料のお陰でそれなりに美味しい料理が出来上がる。
昼食を食べながらステータスを確認する。
---ステータス表示
外見：小柄
状態：普通
ポイント：２３０
筋力：４
耐久：４
体力：８
精神：６
敏捷：６
器用：１０
EXスキル：up!『弾数節約Lv8』
スキル：『料理Lv2』up!『道具作成Lv3』up!『短剣技Lv5』up!『跳躍Lv3』up!『白兵Lv3』up!『短機銃技Lv5』up!『射撃Lv5』new!『銃術Lv4』new!『拳銃技Lv2』new!『体術Lv4』new!『蹴り技Lv3』new!『空手Lv2』
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順調な滑り出しだ。『弾数節約』はまだ目に見えて凄い効果を発揮していないが、ゲーム脳では最高クラスのスキルだと思っている。まぁゾンパニって超能力みたいなレアスキルもあるらしいから、それに比べれば弱いかもしれない。
昼からは、もう少し範囲を広げて探索しよう。
「そういや、ゾンビの肉って食えるのかな」
「さすがのゾンパニでもゾンビは食材にならなかったけど。実際にやってみたらどうなんだろう」
「俺で試すの嫌だし。今後、殺しても良い人間が居たら実験するかな」
「それより、今日はあんまり手が出てなかった和牛を大量に買い占めよう。全部買い占めて冷凍すれば、焼き肉ご飯が食い放題だ！！」
