或る男の休日
俺はとある休みの日、何をしようか迷っていた。
運動はどうだろうか。ゲーム、テレビの視聴、昼寝だって良いだろう。
しかし、そんなありきたりな過ごし方はなんかしっくりこない。
そうだ、何処か遠くへ出掛けてみよう。
澄んだ青い空を見ながらドライブをしよう。
そして山の上から、どこか寂しさを感じるこの街を見下ろしてみよう。きっと良い休日になるから。
そうして俺は、もう何年も愛用している愛車に乗った。
しかし、何故だろうか。
微かに何か、違和感を感じる。まるで、自分がこうしているのが間違っているかの様な、違和感。
だが、そんな事は無かったかの様に、空は蒼に澄んでいる。
気のせいか、そう自分に言い聞かせるかの様に、これから行こうとしている〇〇山の事を思いふける。
エンジンをかけ、ハンドルを握る。
何か、何かが違う。
しかし、そんな事は知っている。これから山に行くのだから。
行ったこともない山へ、出掛けるのだから。
さア、出発だ。あの山エ。
俺はこの休日に、あの山へ行く。
後ろに座っている◼️◼️を乗せて。
その後〇〇山の山頂近くで、彼の乗っている車が木に衝突している状態で発見された。
彼は後頭部を出血する怪我をしていたが、特に命に別状はなかった。
かなり速度を出していたのだろうか。辺りにガラス片が飛び散っていた。
意味、分かりましたか?