詩 金と銀、戦乱の中の蝶
金の蝶が舞う
火の粉をふりまきながら
銀の蝶が追う
水の球をまといながら
世界をくるくる 駒の様にまわしながら
二匹の蝶もくるくる 舞い踊る
竜が笑う
妖精が嘆く
神が嘆き
人が悲しむ
金の証しを携えて
銀の証しを忍ばせて
背中にくくりつけた暗号を
凶器の様に 騙し穿つ
仲間割れも良くできた舞台
死滅するまで 存亡をかけて
致命傷
当たりも外れで
外れも当たりの内
百も零も変わらない
金の蝶は彼方へと飛び
銀の蝶は此方で留まる
(別れは再会を約束させ
再会の後に別れがまっていたとしても
再び出会う事が宿命づけられている)




