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あなたへ  作者: 水成豊
4/11

繋がる記憶 ※400字 #311novels

【本文情報】


本文字数:400字

ジャンル:微SF ※すこしふしぎ

テーマや要素:近未来、科学技術、震災後、平行世界?

その他:#311novels ※オリジナルタグ

「記録」

呟きまたたくと、ぱしゃりと電子音が耳元で響いた。

「やっぱり便利だな」

目に見える風景を脳内メモリに保存する機能。つい先日手術で取り付けたものだったが、旅に発って以来大いに役立ってくれている。

「展開」

それから収めた風景を、閉じた瞼の裏に映し出した。美しく広がる海、続く浜辺、背後にある街を高く守る石の壁、そして。

「あれ?」

思わず口にする。

「どうしたの?」

隣の人がそう問うてきた。

「これは」

どこから紛れたか、次々映し出される人々の姿、街の賑わい、瓦礫の山、闇に舞う雪華せっかと空へ上ってゆく無数の光。


「それは『記憶』よ」


再びの声にハッとして瞼を開く。

そうだ、一人の旅に、隣の誰かなど居ようはずもない。

しかし。

「そうか」

どこかすんなり納得もして。

そうして黄昏から宵へと移りゆく空気の中、一世いっせいに、懸命にとも水面みなものきらめきを捉えると、うっすらと揺れるまなこに焼き付けながら、心からの言の葉を送った。



「どうか、安らかに」

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