王城でのお茶会 12
やっと出てきました!
楽しんで読んでいただけたら嬉しいです!
城でのお茶会の話を聞いたあと、ロードに精霊の事は誰にも話さないようにと念を押された。
そして、衣装などの準備をするということで、フィリアも王都にある男爵家に行く事となった。精霊達もついて来たがったが、留守番をお願いし、グリードと共にやって来た。
それからの日々は目まぐるしくすぎた。
ドレスの採寸、マナーの復習、ダンスレッスン、貴族名鑑の確認。
そのほとんどをグリードと行っていたので、10歳にしては完璧である。
グリードからは精霊についても教わった。
精霊は人間とは口を聞かず、人の意思に左右されない存在であり、自然を豊かにする大切な存在。
フィリアの家に集まっているのは下級精霊ではあるが、怒らせると数が多いため、町が一つ消えると言わるている。
これを聞いた時ちょっと怖くなった。
精霊達に思わず尋ねると、『フィリアは好きだからそんなことしないよ。』とのこと。
好かれていて良かった。
そしていよいよ、今日は王子とのお茶会の日である。
新しく作ってもらったドレスは若草色で、くるりと回ってみると、我ながら妖精のようで可愛らしいと思う。
だが、残念なことに、瓶底眼鏡をかけると全てが台無しである。
「フィリア、本当にそれをかけるのかい?」
ロードに聞かれ、フィリアは迷うことなく頷いた。何があるかわからないし、もし攻略キャラにあったら大変である。
「えぇ。お父様。では参りましょう。」
グリードは執事として付いてはいけるが、お茶会の時にはフィリアと一緒にはいけないので、脇で控えている事になっている。今回は決して出てきてはいけないと言ってある。
城にはいると、フィリアは少し緊張してきていた。
偉い人に会うのは初めてである。ついそわそわとしてしまう。
「お父様、、、失敗してしまったらどうしましょう。」
娘の年相応の反応に、ロードは頭を撫でながら笑った。
「大丈夫さ。その瓶底眼鏡以外はフィリアは完璧だよ。」
「まぁ。お父様ったらひどいわ。」
なんだか、親子らしい会話に胸が熱くなるロードであった。
お茶会の会場である庭は、色とりどりの花が美しく咲き誇っていた。
テーブルには白のレースのテーブルかけが敷かれ、中央には真っ赤なバラの花が飾られている。
ここから先は大人と子どもとが別れている。
フィリアは気合を入れるとにっこりと微笑んだ。
「行ってまいりますわ。お父様。」
「行ってらっしゃい。」
2人はそれぞれの場所に別れ会場へと入っていった。
すでにご令嬢達は集まっており、テーブル事にカラフルな衣装が目に映る。皆気合が入っている。
自分はどこにいけばいいのかと思っていると、執事に案内され、末席へと座ることとなった。
その席には同じように男爵の令嬢が集まっていた。
ここならば然程目立つこともないだろうとほっとしていた時であった。
フィリアは見つけた。
会いたくて仕方のなかった、4人の美少女を。
「見てくださいませ。あそこにいらっしゃるのは侯爵令嬢であるエマ様、クロエラ様、マリア様、シェーラ様ですわ!お美しいですわね。」
同じテーブルである男爵令嬢は嬉々とした様子でうっとりとそちらを見ている。
「まぁ、まぁ!あの髪飾り見てくださいませ!4人共に婚約者様のカラーの物を身に着けてらっしゃいますわ。きっとプレゼントですわね。婚約者様が、王子様の目に止まるのを嫌だったのでしょうね?君は僕のモノっていう気持ちが見えますわ!きゃー。素敵!」
フィリアはこの男爵令嬢はこんなにおしゃべりで大丈夫なのかと心配になった。
だが、そのテンションのあがる気持ちは痛いほどによく分かる。フィリアだって叫んでいいのであれば悶絶しつつはしゃいでいる。
それからしばらくして、ファンファーレと共に第一王子、第二王子と現れた。
王子2人は大変美しく、ざ、王子様といった様子だ。
2つ年上の第一王子の婚約者選びとなってはいるが、事によっては同じ年の第二王子と婚約できるかもしれないとざわめいている。
ちなみに補足だが、ゲームでは違うシリーズで王子バージョンが発売されていた為、攻略キャラではない。
王子達は礼儀正しく各テーブルを回り挨拶をしていく。そして末席のテーブルにもきて爽やかに挨拶をしてくれた。
どう考えても、男爵家と王族では地位が違いすぎて婚約など難しいが、小さい内から色々な家との顔合わせは必要である。
後はここに何かの意図があるかないかだけが気になる所だ。
まぁ、とりあえずは挨拶は終わった。王子達も他のグループへお喋りに行った事だし、後はのらりくらりとかわせばいい。
フィリアは立ち上がると、軽食やお菓子のならんだテーブルへと行き、見たことのないお菓子はどんな味がするのだろうとわくわくしながら皿に取った。
「あら嫌だ。男爵家では満足に食べ物も食べられないのかしら。」
髪の毛を鉄ドリルのように巻いた令嬢が扇で顔を隠し、くすくす笑いながらそう言うと、周りの令嬢達も笑い声を上げた。
あらこれはもしかして、貴族あるあるの嫌味と言うやつであろうか。
「何か言ってはどうかしら?」
フィリアはとりあえずにっこりと微笑みを浮かべた。
「美味しそうなので、食べてみたかったのです。」
王子に相手にされなくて鬱憤が溜まっているのだろうか。丁度王子たちから見えない位置が恨めしい。
「あらあら、食い意地がはってらっしゃるのね。それに貴方、何その眼鏡。」
この眼鏡はたしかにないなと思う。
「申し訳ありませんが、席に戻りますわね」
「あら、お話の途中でしょう?」
「あらこの子、服は緑に頭は黄色って、たんぼぼみたいですわね。」
「まあ!確かに。あの雑草にそっくりですわ。」
令嬢達にクスクスと笑われ、久しぶりに人の悪意に触れて胸の中が気持ち悪くなる。
その時であった。
「おやめなさいな。みっともない。」
「ルーナ子爵令嬢も偉くなったものですね。」
「弱いものいじめは関心しませんわ!」
「席にお戻りになったほうがよろしいのではないかしら。」
私の愛しの悪役令嬢様方の登場である。
思わず感嘆の思いで、その姿を見入ってしまった。
威風堂々。
4人の登場は壮観たるものであった。
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