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逃げるなんて許されない 3
がらりとドアを開け入ってきた女、上野 曜子がどうやら3組の担任のようだ。
「えー、このクラスの担任となった上野です。
血液型はA型、誕生日は9月7日、好きな食べ物はプリン、嫌いな食べ物はネギとトマト。今日から約1年間、よろしくね。」
ニコッと笑うその顔はどこか影がありそうな感じだった。それから上野先生の質問コーナーしたり、なぜかじゃんけん大会したり。そのせいか上野先生に対する皆の評判は良くなった。
(生徒の扱い上手いな…。)
なんて思ってみたり。そして、教科書などを配り、明日の予定を言われて下校となった。雪渚達とバイバイして教室で待っていると、
「おーい、誓ー!」
と、聞こえた。
そう大きな声で私を呼ぶのは、田辺 未夢である。その横で並んで歩くのは、私の苦手な子。
────松崎 柚月である。




