逃げるなんて許されない 2
クラス発表、仲の良い友人とも同じクラスになれ軽い足取りで教室へ向かった。
『1年3組』と書かれた教室に入る。他校から入学した生徒ばかりだった為、内心すごく緊張したが、その中に友人の姿を見つけ安心した。
「おはよ!同じクラスだね!」
私に対しそう明るく話しかけるのは、小学校からの友人、星月 雪渚である。雪渚は髪が長く、いつもポニーテールでまとめている。私より身長も高く、かなり羨ましい。
「だね!あー超嬉しい。全員知らない人だったらどうしよって思ってたw」
私は雪渚に対しそう答えた。それから私と雪渚は「桜散らなくて良かったねー」とか「HR何時からだっけ?」とかそんな話をしていると教室に二人の女子が入ってきた。雨野 優依と初瀬川 日依である。日依はショートカットで片方の髪を耳にかけている。優依はミディアム位の長さで、雪渚と同じポニーテールだ。
「あ、おっはよぉ!!同じクラス!うぇーい!てか葉桜って桜餅みたいだよなー!」
朝からテンションの高い日依。
「おはよう、なんか今日肌寒くない?」
大人しくクールな優依。
同じ家族構成で人はこうも違うのか…。やはり生まれ育った環境なのか…なんて考えてみる。
日依は四人家族で、父、母、姉と暮らしている。日依はやけに明るい。姉との喧嘩で培われたメンタルは尋常ではない。
それに対し優依は日依と同じく四人家族で、妹がいる。自分が姉だからしっかりせねば、という気持ちがあるからかかなり大人だ。いつも冷静な判断をする。
……環境よりも姉か妹かって事なのか?
まあ、共通点なんて性別と家族構成だけだから、違うのも当たり前か。
そんな事を考えているとチャイムが鳴る。私達はそれぞれ自分の席に戻った。




