意味分かんない
バレンタイデー当日
「ふぁぁぁーーー」
あー眠い。ほんとまさか夜中の2時までチョコ作るのにかかるなんて…自分の不器用にびっくりだわ。
クスクス
「おっきいあくびだね。」
「頼!!!おはよー♪」
「おはよー。今日はいつもにまして眠そうだね?夜更かし?笑」
「チョコ作ってた!はい!頼の分!味の保証は無いんだけど…良かったら食べて?汗」
「嬉しい!ありがと!」
「まぁー頼のことだからたくさんもらうんだろーけどさー」
「そんなことないよ?なんか俺とっつきにくそうな人みたいだからさー」
「どこが?こんなに優しい人いないのに!女子は見る目ないねー」
「亜矢も女子でしょ?」
また頼がクスクス笑ってる。
「ほんと頼ってよく笑うよね?ウチそんなおもろいこと言ってないよ?」
頼がびっくりした顔で言う。
「俺、笑ってるの?笑ってるのは亜矢が魅力的だからでしょ」
ドキドキした。
頼はほんとうにカッコいい。その顔で笑顔で褒められたらドキドキしてしまった。
「ど、どこが!全然モテないし」
「あれ気付いてな…
「頼!!!!あ、後、亜矢!」
いきなり会話に修輝が入ってきた。
「ちょっと、邪魔しないでよ!!!頼、今の続きなに?」
「もーいいよ。対したことでもないしね♪」
なんだったんだろう…。
「頼。その持ってるのチョコ?」
修輝がチョコを指差して言った。
「あーだよ。今さっき亜矢からもらった」
「亜矢、俺には?」
「ないよ?」
「は?」
その時、チャイムの音がした。
「あ、やば!急がなきゃ!」
ウチら三人は急いで教室にむかった。
放課後までには部活の人達にも麗奈にも配り終わった。
「あぁー疲れたぁー」
教室には誰もいなかった。
ふと窓に目をやると、なんかいつもよりカップルで帰ってるのが多い気が…
皆、頑張ったんだなぁー。
恋愛には興味ない。だけど、恋愛の為に頑張る女の子達は応援したくなるし、カップルを見ると羨ましくなる。でも、しばらくは恋愛はいいやぁー。
もう辛い思いなんてしたくないもん…。
ガラッ
教室のドアがあいた。
「亜矢じゃん。」
「修輝。なにしてんの?」
「ん、ちょっとな」
あ、これは…
「告白でもされてた?ニヤニヤ」
修輝の顔が一気に赤くなる
「当たりかぁーニヤッ OKしたの?」
「断った。」
修輝はバスケ部のエースで顔もカッコいいからモテる。なのに付き合わないんだよねー。
チャラ男のくせに
「修輝って誰とも付き合わないよねー。好きな人でもいんの?」
「そういうお前はどうなの?好きなやつとかいんの?」
「えーとー…そんなことよりチョコ何個もらった?笑」
「あ?知らねーよ。数えてないし」
「さすがチャラ男」
「おまっ…もーいいや…。
ってお前からもらってないんですけど?」
「え、ないよ?朝も言ったやん?」
修輝の顔がだんだん怖くなっていく。
「なんで?」
「え、言ってたでしょ?修輝にはあげないって?」
「は?意味わかんねー」
え、なんでこんな怒ってんの?たかがチョコじゃん。
「なんで、たかがチョコでそんなおこんのよ」
「もーいい。」
修輝が教室からでていった。
は?意味分かんない。もやもやとしたものが心に残ったままウチも教室からでていった。