転がる石は止まらない
なんでも願いを叶えてくれるサキ様の手を手に入れた川崎 優花
彼女は願いを叶えるのか、、、
雨はやんでいる。さっきの雨がうそみたいだ。そんなことを思いながら家に私は帰っていた。
「ただいまー」家に着いた。私は靴を玄関にはき捨てるようにして急いで2階にある自分の部屋に入りサキ様の手が入った
バッグを床において急いで1階に降り、リビングでいつものようにお父さんが夜買ってきたロールケーキを食べるのであった。母と父は共働きで家には夜遅くにしか帰ってこない、家はひっそりとしていてとても静かだった。ロールケーキを食べながらこれからサキ様の手をどう使っていこうか考えていた。
骨董屋の女との約束を私は平気で破ろうとしていた。約束は例えどんな事情があろうとも守らなければならない物である。私は愚かだ、、、、、、、。
子供のようにうきうきしながら使い道を考えていた。まあ私も子供だけど、、、。
「うーん願いは何がいいかな。」ふと外を見るとどしゃぶりの雨が降っていた。そこで私は思いついた。
「そうだ今日1日中晴れがいいな」すぐサキ様の手を試したくなったので2階に行ってサキ様の手が入った箱を持ってきて箱に向かって「今日1日晴れにして」そういったときピキッという音がした。
箱の中を見るとサキ様の手の指が1本折れていた。急いで外を見たらさっきの雨はなかったかのように太陽の光がさしていた。
「本当に願いがかなったんだ」飛び跳ねて私は喜んだ。
すると携帯が鳴った。彼氏からのメールだった。メールの内容は〔雨もやんだしデート行かない。
第2公園で待ってるから。〕だった。私は急いでパジャマからおしゃれな服に着替えていた。
骨董屋の女:「あの少女サキ様の手を使ったわね。もう彼女は止まらないわ。いい、坂を転がる石は何かにぶつかるまで止まらないのよ。絶対にね」