犬の生活
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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【YouTubeドラマにつきまして】
無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:犬の生活
ある日、
犬が俺のアパート周りをうろつくようになった。
「ヤな犬だなぁ…」
なんて初めから思って居た。
理由は汚らしい犬で、
世間に揉まれ、元の肌色を無くしたからか、
荒れもひどく、もう見てるだけで
こっちがむず痒くなってくるから。
もともと犬は嫌いだった。
あの人にへーこらする態度が
たまらなく嫌で、
あれならまだ野犬の方が良い。
自由奔放に生き、
天性に授かった力を存分に発揮し、
ただ生きるために必死。
そちらの方が正直に見え、
嘘偽りも無く、
果てたら果てたで潔い。
人におもねり、その力を封印するのは
自分を見失った姿に他ならない。
俺はこう見えて作家をして居る。
だから正直じゃない・自分の力をそげ落とす事
そんな事は無駄だと知って居る。
それも誰かのために封印し、
嘘ばかりを並べる輩は大嫌い。
それは人間でも動植物でも同じこと。
でも、嫌いと言ったって
何かできるわけじゃない。
ただ俺の周りをうろつき続ける子犬で、
俺はそいつを見ながら
ただ日常を送り続ける。
こう見えて俺もちょっとは
優しさを持って居たのか。
自分の正義を通すため、
わがままを並べて
何でも思い通りにしようと、
そいつをどうにかするなんて出来やしない。
殺傷処分なんてやはり以ての外だ。
でも、嫌いは嫌い。
ずっと俺の周りをうろつき、
やがて俺になついて来る様になった
そいつを見てると、
唯々嫌気が差すのと同時に
見たくないものを
ずっと見せられ続ける鬱憤も溜まり、
ある日ふといきなり、
「どうにかしてやろうかこいつ!」
と本気で思わされたほど。
そしてついに堪り兼ね、
ある夜中、
棒を持ってそいつが居る所へ行き、
「その態度・行動をどうにかしろ!」
「もう俺の周りをうろつくな!」
そう叫び、その時の勢いで
暴力に訴えようとしてしまった。
夜はその闇でその人を盲目にして
周りも明日も全部自分のために在る…
なんて錯覚まで起こさせ、
記事には恥ずかしい文章を書き、
人に見せられない
自分が出て来るものだ。
その時の自分も、
きっとそんな状態にあったんだろうか。
でもふとまた我に返り、
わずかながらの
そいつと俺との関係を思い出し、
そこで培った信頼を
「与えられたもの」と享受して…
振り上げ掛けた棒をまた下ろし
部屋に戻った。
そいつは
その時の俺に
優しさを見たのか。
それからさらに毎日
俺のもとへ来る様になり、
頼んでもない事を
頻繁にするようになってきた。
せっかく仕上がった原稿を
無茶苦茶にしたり、
俺の服の上に寝そべって毛玉を落としたり、
部屋の柱のところに小便をひっかけたり、
そのくせ大食漢で、
定時には決まって餌をねだってきたりと、
俺の生活をことごとく邪魔し始めたのだ。
「ようパイン。誰がこんな事してくれと頼んだ?」
「イイ加減犬は犬らしく、本能のままに生きてみたらどうだ?そんな、人間におもねってばかり居ないで」
「俺の稼ぎ、幾らか知ってるのか?余計な事ばかり吠えたり、して来たりして…」
「俺のささやかな、ただ生活のためにと懸命になって守ってるこの生活をこれ以上邪魔するな!無理難題ばっかり押し付けやがって」
とは言いつつ、
俺はこいつに「パイン」と名づけ、
それなりに親しみを持ちながら
接する様になってしまった。
やはり人間、環境により情にほだされ、
したくもない事をしたりしながら、
嫌いな相手でも好きな振りをしてしまう。
その状況が長く続けば、
感情的にも鈍化するのか。
こちらまで本来の自分を失ってしまい、
元々あった自分の立場や状況、
主義感情のあり方を自ら変えて、
今自分がどこで何してるのか、
それさえ解らなくしてしまう。
どうやら俺も
世間の波に揉まれた様だ。
「パイン、こっち来い」
俺は定時になると
ちゃんとパインに餌をやる様になり、
それを率先して自分から
する様になってしまって、
パインは益々俺に気を許し
なつき始めた。
「こんな筈じゃなかったのに…」
言ってもしょうがない。もう後の祭りだ。
そうして居ると、
こいつが人間の様にも見えてくる。
人にもこう言う奴が居るもんだ。
そんな時、俺は幻でも見たのか。
実に不思議な現象、いや奇怪な現象?
…恐怖の様なものに遭ってしまった。
パインの小屋まで
ちゃんと部屋の中に用意して
いつでも居心地良く
居られる様にしてやったその中から、
ある日の昼下がり。
「うおっ!?」
本当に驚いた。
パインが擬人化でもされたのか、
本当に小屋の中から人が出て来た。
パインはもうパインじゃなくなり
ただの人として俺になつき、
もっといろんな事をするようになって、
俺の生活をやはりただ邪魔してきたのだ。
そいつに見覚えがある。
もう忘れようとしていたそいつ。
「原稿上がりましたね?じゃあ頂きまんで♪」
「そうそう、今度は小さい男女向けのお涙ちょうだい路線に変更しますんで、その辺の読者想定もしっかりしてもらって、また感動的なモノを書いてくださいね♪じゃ」
そう言って、そいつは出て行った。
「………」
しばらく何も言えず、
ただそこに佇んで居た俺。
そして小屋を見ながら
ひと言つぶやいて居た。
「…パイン、あんなヤツじゃないと思って居たのに、もう、ここには戻って来ないのか…」
さらに親しみを覚え、
それでもあいつと上手くやって行ける
空間を見つけようとしたのに、
あいつは人に成ってしまって、
そのわずかな本能も消してしまった。
昔は好きだったのに。
(※)これまでにアップしてきた作品の内から私的コレクションを再アップ!
お時間があるとき、気が向いたときにご覧ください^^
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=u4G_TOqPi2U
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
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