表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/11

第八章:「金持ちの館と、借金ゲームの罠」

午後4時、新宿の外れ。

タクマとシンは、高級住宅街の外れに立っていた。

目の前にあるのは……まるで城。


「え……なにこれ?ディズニーランドの没エリア?」

「いや、これが今回のターゲットの“自宅”らしい」

「借金してるやつが、城持ってんの!?なんでやねん!!」


門を通ると、二人の前に現れたのは──


黒いスーツの男たち。動きが、やたらと……忍者。


「ようこそ……“神城財閥”へ」

「財閥!?」

「当家の御当主・神城ジョージ様は、只今“紅茶とバイオリン”中にございます」


「その組み合わせいる!?」


案内されたのは、金箔の階段、ガラスのシャンデリア、

そして床に刺さった謎の「刀」。


「……ここ、日本で合ってるよな?」

「文化が渋滞してるな」


やがて現れたのは、真っ白なスーツにシルクハット、蝶ネクタイの男。

──神城ジョージ(35歳)


「うぉっ……本物の変人きた……」

「お初にお目にかかりますぅ 借金取立人のお二人さま」


「返済の件で来たんですけど……」

「うん!わかってるよ!でね、ひとつゲームをしないと、お金は払えないの」


「……は?」

「この館の中に“私の財布”が隠されてます 見つけたら、全額払います」

「頭おかしなっとるんか!!!」


ゲームスタート。


・部屋1:回転寿司のセットがあるけど、ネタが全部英語のクイズ

・部屋2:ジャングル風呂。ワニ(ぬいぐるみ)出現

・部屋3:床が全部トランポリン


「この家、絶対アホや!!」

「……でも、ちょっと楽しい」

「負けんな、シン!!」


ようやくたどり着いた最終部屋。

中央に置かれた巨大なパンダのぬいぐるみ。

その口の中から、財布発見。


「やった……!!これで──」


「その財布は“偽物”です」


「てめぇぇぇぇぇ!!」


最終的に、ジョージが自分で落とした財布を床下から発見。

支払い完了。


「いや、自分で忘れただけやんけ!!」

「ゲームとか関係なかったじゃん!!」


ジョージが笑いながら言った。


「……でも、少し楽しかったでしょ?」

「……否定できへんのが悔しいわ!」


帰り道。


「シン……金持ちって、自由すぎひん?」

「金が多すぎると、常識を忘れるらしい」

「俺も忘れてぇぇぇ!!電気代とかガス代とか全部!!」


通知が鳴る。


【鬼社長】:

「ジョージ様、昔私が合コンで蹴った男よ。苦労したわね♡」


「また社長の黒歴史かよぉぉぉ!!」

「社長の元カレ名簿で地雷踏み続けてるな、俺ら」


──こうしてまた一つ、無意味に疲れる仕事が終わった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ