1 5歳で【宇宙】?に渡るセイちゃん。
<<お誕生日おめでとう!聖ちゃん>> <パパパ~ン> <ポン!シュワシュワ~>
今日は俺の5歳の誕生日だ。
5歳なのに【俺】と言っているのは【回想シーン】だという事くらい異世界モノを読み慣れた読者は理解してくれているだろう。
ここは、日本の北にある【F海道】の北にある【幅尻市】から若干、南に下がった【天空町】である。
季節は真冬なのだが、活発な子供だった俺は「お外を見て来る!」と言って、長靴を履く。
母「聖ちゃんは風邪を引きやすいのだから、明るくなってからにしましょうね!」
父「そうだぞ。聖は可愛いから、大空に連れていかれちゃうかもな!大空町だけに」
兄「僕が見ているから大丈夫だよ!」
<ギュッ ギュッ> 2人の子供靴が、雪を踏みしめる音だけが妙に高く聞こえた。
兄に連れられて、冬のF海道の【真っ白な大地】を歩くだけでも俺にとっては【冒険】だったのだ。
「あ!兄ちゃん。お月さまが【2つ】あるよ!」と言いながら空を指す俺を兄が・・
「何を馬鹿なことを言って・・あ!【UFO】 だ・・」
それなりに明るい夜の空には【大きな月】が出ており、少し下に【十字に光る何か】が見えていたのだ。
「きれい・・」俺は光に吸い込まれる様に・・2つ目の月の様な【何か】に向かって歩きだした。
<フッ>と、空に続く階段が現れたかと思うと・・俺の意識は飛んでしまう。
++++それからどうした++++
「おいおい!今度の【セージ(聖人)】は子供かよ!大丈夫か?【アース】は・・」
と言う声に目を覚ました俺は、薄暗く広い場所に倒れていたのだった。
俺が声をした方向に振り向くと・・「あ!猫さん・・」父親よりも大きい【片目の黒猫】が、立派な椅子に座りながら、俺を見て笑っていたのだった。
「ニャハハハ!おい坊主。ようこそ【サロン】へ!」と言う猫の大人びた声に、俺が怖くて黙っていると・・
「揶揄うものではありませんよ!彼も立派な【セージ(聖人)】なのですから」と言う声が聞こえたので、薄暗さに目が慣れていない俺が凝視すると・・猫よりも更に頭が大きい【白い鳥】が近づいて来て・・俺を抱き上げたのだった。
猫は俺に向かって「死んだ前任者は、たしか・・映画俳優だったか?」と言い・・更に
「ところで【ドア】の場所は覚えているのかな?」と聞くが・・俺は首を横に振った。
【白い鳥】は、俺を見ながら・・「こまりましたねえ・・サロンにはドアが何十もあるし、他の星のドアは開けられないし・・」と言う。
【片目の猫】は「半年くらい?すれば【ジ・アース】のドアは空くだろうから、お前さんが面倒みてやったらどうだね!」と言うので、俺は【大きな白い鳥】の星?に世話になるのだった。
「君の名前は?何歳なのかな?」と聞くので俺は「聖ちゃん。5歳」と答えると、そのまま【白い鳥】は俺を抱き抱えたまま・・<ギイ>と音を立てて【ドア】を開け・・
「母さん戻ったよ。お客さんを連れて来た」と言うのだった。
急に明るい部屋に入ったため、目を細めた俺に【白いお母さん鳥】は・・
「ARAR & KAWA %%$# HYU***NO BOU ’’DAKO TO」
と、何かを話し掛けるが外国語なのか理解できなかった。
俺が<ポカ~ン>としていると・・【白いお父さん鳥】は・・「カッカッー!そうだね。セージ(聖人)以外の言葉は理解できないのだった・・彼女は『あら、可愛いヒューマンの坊やねえ。何処からきたの』と聞いたのだよ」と通訳してくれた。
そうして俺は・・おそらくは【宇宙鳥】であるお父さん、お母さんに半年間世話になったのだ。