12 罠に掛かった勇者たち。
冒険者は・・「ああ。獣人は嫌いかい?」と俺に聞くのだった。
「私が居た【ジ・アース】にはヒューマンしか存在していないのです。
」と言うが・・
「俺が子供の頃聞いた話では『【ジ・アース】には迷い込むな。ヒューマン意外の亜人はみんな殺される』と言われたがねえ。だから躾の際には『悪い子はジ・アースに連れていかれるよ』と親に言われるんだ」と言うのだった。
そして獣人冒険者は「あんたは5歳の時に迷い込んだジ・アースの子供だろう?バードマン貴族の家に世話になっていたって言う。今回は娘を助けに来たんだよな」と好奇心旺盛な顔で聞くのだった。
俺は驚いて「なんで?私の事が知れ渡っているんですか!もう15年も前の話ですよ」と言うと・・
「あんたの兄さんら勇者パーティーが召喚されて、魔王を倒し【帰還】したのは、ついこの間の事だぜ!」と答えるのだった。
俺は・・「そうか、兄さんが召喚されてから7年間もこっちの世界に来ているんですよね。この国の人の関心の的だったわけだ・・ところで【娘】って?」と俺が聞くと・・
「え?あんた達を召喚した【セージ(聖人)】のバードマンだよ。白と黒のまだら模様の!城の塔に幽閉されている【お姫様】を救いに来たって、ギルドでは噂になっているぜ」と不穏な話をするのだった。
<ザシュ> <ドロドロ> <ポロリ> 流れ作業の様にスライムを狩り、魔石を回収する。
「次は地下2階層に降りよう。ゴブリンとかコボルト程度だが、慎重は君たちと同じだから気を付けて!」と女性冒険者に注意され・・
<ザシュ> <バタリ> <シュワシュワ~> <ボロリ> 小学生でも勇者である。コボルト程度ならば問題なく勝てるのだった。
そして地下3階層、4階層と進み・・<ガチャン!>と何か機械音がした。
<あれ?冒険者さんその【レバー】は何?> 小学生の声で後ろを振り向くと、獣人の冒険者が何かを操作した様子だった。
「悪く思わないでくれよ!こうしないと俺達が死刑になっちまうんでな」
<ブーン>と言う音と共に、魔法陣に包まれた11名は・・<イテテ> <ここ何処>
薄暗く、広い空間に飛ばされた様子だ。
<何かいるよ!> <ゴゴゴゴゴゴゴ>と言う金属?を引きずる様な音と共に・・
10メートルもあろうかと思われる【青い一つ目鬼】が【こん棒】を引きずりながら俺達に近づいて来たのだった。
<ゴガアアア> <ドッスーン> 両手でこん棒を持ち、地面に叩き付ける鬼?は楽しそうだ。
「あれは【トロール】です。授業で習った魔物です」とリーダー格の小学生は決意した顔をして・・
「唸れ!サンダーボルト!」と言いながら魔法をぶつけるが・・・<ゴガ?ゴグギギ>と頭をかくそぶりをして、俺達を揶揄い喜んでいる。
<ファイヤーランス> <ウオーターランス> まだまだレベルが低いので、効果的な魔法が使えない小学生勇者・・俺は後衛・・思わず弱音を吐いてしまう・・
「兄ちゃん助けてよー」と声に出すと・・
<ピコン!召喚レベルが上がりました【眷属召喚】を行いますか>
と言うダイアログボックスが目の前に現れたのだった。




