表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/18

懐かしさと狐の尾

「そういえばお前、饅頭好きじゃったよな?」


そう言いながら俺の口に饅頭のような


何かを入れ込んできた。


「むぐっ..」


「美味しい...」


不甲斐ながらもそれはとても美味しかった。


「ていうかなんで俺の好きな食べ物...」


「ん?秘密じゃ秘密」


口に人差し指を当て、


ニヤリと笑いながらそう言った。


「饅頭好きだなんてジジくさいな」


馬鹿にするようにそう言う。







『そんなん好きなんてジジくさ』







誰かの声が頭の中で再生される。


懐かしいような。


聞いたことのあるような声。


だけど知らない人だった。


「どうした?喉にでも詰まったか?」


そう言いながら顔を覗き込んでくる。


「うるっさいな!!」


思わずそう言ってしまい、


『ぁ、』と呟きながら口に手を当てる。


「その態度...」


『やばい、怒られる』


そう確信し、思わず目を瞑る。


が、


「気に入った」


そう言う。


やっぱりこの世界の人は少し変だ。


「さて」


「 " これ " は彼奴に送っておくとしよう」


ふふんと笑いながら先程の魚を消した。


ふと、急に辺りが暗くなったように感じた。


「なぁ女帝──」


「女帝と呼ぶでない」


「妾の名を忘れたのか?」


「じゃあ...」


「柧夜..様、」


そう俺が言うと眉間にしわを寄せて


明らかに嫌そうな顔をした。


「様なんていらないじゃろう...」


落ち込んだようにそう言う。


「分かったよ...」


「柧夜で」


「そうじゃ!そちにしとけ!」


命令口調でそう言う。


先程の落ち込みの気分は


どこに行ってしまったのだろうか。


本当、こいつ狐みたい。


「狐?」


「へ?」


「今、妾を狐と言ったのか?」


やっぱり心読めるんじゃ...


「言...った..」


「よく見抜いたな」


「やはり千秋もこちら側の人間か...?」


そうブツブツ喋りながら俺をじっと見る。


ふと何かが目に映り、それに視線を向ける。


その正体は柧夜から生えている


狐の尻尾のようなものだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ