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story0 ジュリ

という事で異世界のジュリ側のストーリーです。

こういった形で物語は進みます。

ところ変わってここは異世界。


様々な国が軍事を鍛え、弱きを守り悪しきを挫いていたこの時代。

このはるか前、およそ1200年ほどの事である。

魔界より魔王が襲来し、人間の世界を滅ぼした。

人間たちは必死に抗ったが、当時彼らは魔法すら使う事が出来ず成すすべなく死んでいった。


そんな中、その状況を憂いた女神は一人の青年に力を託し、その青年は魔王軍とたった一人で戦った。

誰もが絶望する中、その状況をたった一人で切り拓いていった。

その彼を見た人々は口々に言った、あれは『勇者』だと。

こうして勇者と呼ばれた男は魔王の首を討ち取り、世界に平和をもたらした。


勇者は当時の王に認められ領地を貰い、更にずっと想ってきた少女に想いを伝え父となった。

そしてその彼の領地はやがて国となり、魔を滅ぼす聖となった。


それが聖王国・レスターニアの成り立ちである。


レスターニアは広大な面積を誇る国である。

北には山、南には海があり、様々な特産品を生産している。

また、鉱山や森林なども豊富で豊かな国であった。


女神と勇者に見守られた土地として有名なこの国では、由緒正しい地がいくつもある。

そんなこの国の、あまりにも目立たない土地に住む少年・ジュリ。


彼は人口30人にも満たない過疎化した村・ヴィージに生まれそのままそこで暮らしていた。

親は居なかったが、彼は村の人々に愛され、また彼も彼らを愛した。

一生を誓いたいと思った人も居た。

彼はこの生活が一生続くことに満足していた。


だが、そうは行かなかった。

聖王国の中で唯一一般の人間は行くことの出来ない魔王の死体のある通称”死の森”で魔王の墓が荒らされていたのだ。

そして魔王の墓の中には何も無くなっており、急遽捜索隊が誕生した。

しかし時は既に遅く、あっという間に魔王は復活した。

人類に対し再び敵対意志を見せつけ、更に見せしめとばかりに一つの街を破壊した。


再び過去のように絶望に浸る人間たち。

終末を見届けようと彼らは諦めてしまっていた。


だが、女神はやはりその状況を憂いた。

そして彼女は力を、村の少年に託した。


その少年こそが、ジュリであった。

彼は最初こそ戸惑ったものの、それが国の為になるならと戦いに赴く決意をした。

彼は魔王の部下や町を破壊しようと迫る悪魔をどんどん撃退し、立ち上がった。


それを見た人々は彼を、"『勇者』の再来"と語った。

そしてその彼は、勇者として戦う事を選んだ。


その状況に喜んだ王は、彼を支援しようと仲間を付けた。

物理に特化した戦士、上級魔法でも放てる魔法使い、回復や蘇生の出来る僧侶。

この3人をジュリに付け、事態の鎮静化を期待した。


彼らは共に協力し、魔王へと立ち向かう。

災厄を滅ぼす戦士として、その宿命に立ち上がったのだった。










なんてカッコつけたはいいものの、実はジュリはとても悩んでいた。

それは...............。









もう、勇者を辞めたいのだった。

彼はただがむしゃらに、村の人々を守ろうとする一心で魔物を倒していたに過ぎない。

別に大儀などどうでもいいのだった。

しかし、王から直接の命令、破る訳にはいかなかった。

更に、仲間も面倒だった。

妙にみなやる気なのだ。

とても彼は困惑した。

彼にとってはのんびりとした生活が一番で、何も考えずぼーっと生きていられる世界で生きたかった。


村での生活を思い出す日々。

魔物はどんどん強くなり、傷も増えていく。

仲間はあくまで仲間であり、誰も愛などくれない。

彼は心がとても傷ついた。


彼は村へ帰りたかった。

だから早い所魔王を倒そうと思っていた。

だが、仲間たちはそれを止め、あろうことかまずは雑魚狩りだなんて言ってきたのだ。

そんな事をしたら一体いくらかかるのだと彼は叫びたくなった。

時間が足りない。

村へ帰りたい。


彼はとにかく今の生活が嫌だった。

眠る時間も限られ、少しのお金だけでやりくりしなければいけない生活。


他の領地に行くたびに目上の人のような扱いを受ける事。

更に、場合によってはお金や魔物を狩る事を請求される事。


彼は疲弊し、疲れていた。


仲間は貴族出身もいた。

価値観の違いにも悩んだ。


もう、ジュリはダメだった。

早い所魔王を倒したいが、まだ実力の差があるらしい。

こんな事をしたくて戦いだした訳じゃないのに、と彼は悔やんだ。

こんなことなら、過ぎた力だったと彼は後悔した。


その夜、彼は夜番をしていた。

仲間たちは寝ている。

彼もまた、炎を見ながらひとり呟く。


「俺は、なんの為に戦っているのだろう。」


誰も答えてはくれなかった。

不意に睡魔が襲い来る。


彼は、その欲に耐えられず寝てしまった。


次の日、まさかあんな事になるとは知らずに。

書きたかったんですよね、コレ。

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