魔族と人間の大戦からの友情……っぽいもの
魔族と人間の大戦。そんな中、人間でありながら魔族に力を貸している男がいた。人でありながら人間側にいれば勝つことがほぼ決まるほどの強者である。魔族が強いながら勝てないのは数が少ないから。
一人一人は強いのだが、いかんせん全体が少ないせいで勝てない。これは人と魔族の物語。
「人間風情が!!」負けるなんて事はあってはならない。もう二度と。だがこのままでは負ける。あの時のように。そう魔王が考えていた時、人間の方がなにやら騒がしくなった。「なんだ?何があった❗」周りに聞いてもわかるはずもなく。戸惑っていると目の前の人間どもがいきなり吹き飛んだ。そして前に立つ男が一人。
その男は人間だった。こいつが人間を殺したのか。仲間であるはずの人間を。なぜ?聞く前に男が口を開いた。「力を貸す。手伝ってくれ魔族の王よ」力を貸す?なぜ人間が仲間を?「俺は人間だが魔神と契約している。やくにはたつ………と思う」魔神と契約?この男が?本当なら勝てるが嘘なら………。「ルーク、フィア。契約にしたがい姿を現せ」次元が歪む。空間が歪んで大きな音が出ると共に出てきたのは確かに魔神だ。それも原初の2人。「力を貸してくれるのはありがたいが、なぜ?」
「俺は人間が嫌いだ。だから手を貸す。それだけだ」
嘘をついているようには見えない。信じても良いだろう。「よろしく頼む。こちらはもうほとんどいないからな。ほとんどが死んだ」最後は俺一人だと思っていたのでとてもありがたい。『ディメンションレイ』ルークが動いた。重力系最強の技で消しにかかる。「ルーク。そのまま。フィアは回復をたのむ。俺がやる」男が動いた。そういえば名前を聞いていなかったな。男は背丈よりも大きい大鎌を振り回す。かと思えば大剣に変わって一撃で地形が変わる。「強すぎだろ」俺のいる意味ってなんだ?「おい……」ん?「なんだ?」「名前、聞いても良いか」あー人間は俺の名前を知らないんだったか。「皇 怯矢だ」「ごめん。なんて?」「すめらぎ、きょうやだ!悪いか⁉️」初対面のやつはだいたい聞き返してくる。普通の読みやすい名前が良かった……。「怯矢、か。よろしく。俺はまぁ月って呼んで」「月?ライトとかルナって読むのか?」「違う!普通に読むんだよ!つーか本名じゃないし好きに呼べよ」あ、すねてる?「嘘。よろしくな月。また本名教えてくれよ?」「気が向いたらな。どーせ他人だし」他人、ねぇ。人間じゃねぇけどな。ま、誰だってそうだ。家族でさえも。「良かったら城来る?」「は?なんで俺が……」「勝ったし。嫌なら良いけど?」むりやり連れていくから。「わかったよ‼️行けば良いんだろ⁉️」
災難はまだ始まったばかりだ。