真・コックリ。
「へぇ~、阿吽って言うんだ~」
大きく開かれた口は"あ"。 つぐむほうは"うん"。
それはとある門番もそうしているんだよと。
建設するに、たいして日数はかからないらしい。
「そうなんだよ。 でさぁ……」
思わず天狗になるのも仕方がない。
今こそ、蘊蓄が役に立つ。
「ねぇねぇ、もっと教えてよ」とーー
柔らかな感触が腕に、そして擽る。
モテ期…………やっと来たかな?
「もう、しょうがないなぁ」
神社仏閣、癒しイオンとかいうのは実にネタだ。
勢いに乗っかるのは決して悪いことではないだろう。
「じゃあさ……アレは何なの?」
ふふん、どうだい。
ぐいぐい来るじゃあないか。
どれどれ、どうやって取り込んでやろうかーーーくふふ。
鬱蒼と生い茂る藪のなかから見据えていたのは、苔にまみれた狐だった。
こーーーーーーん。
ウサギちゃんを弄び、ワタシは次なる獲物を待ってる。
如何に美味しくするか、どうかは、二の次で。
狐が、嗤う。