未来からのハガキ
始め、短めです。
時は、2020年1/1。新年、箱根だ、とか、昨日のガキ使は面白かったね、とか言っていつも通りのほほんと過ごしていた中学生、押川斗真の元に、一通の年賀状が届いた。差出人は、クラスメイトの縦野二郎だったが、裏面を見て、斗真は驚愕した。そこには、到底信じられないような言葉が書かれていた。
"あけましておめでとうございます。
こちらの世界では今、第32次ハガキ大戦
が起きています。
進も地獄、退くも地獄の世界が足元に広
がっています。
なので私は進みも退きもせずコタツに埋
いようと思っております。極楽とはこの
ことをいうのでしょう。
自己紹介遅れました、私、令和253年か
ら来た縦野二郎です。
何故未来からわざわざハガキが届いたか
というと、ようは2019年の二郎が年賀
状をサボったからです。
私が変わってお詫びいたします。
では、改めて。今年もよろしく。"
取り敢えず、突っ込みどころは色々あるが、二郎にしては言葉の隅々から知性が溢れているので、俺はすぐLINEを開き、二郎に確認のメッセージを送る。
『お前、今年の年賀状ふざけたろ?』
そうしたら、帰って来たのは予想もして居ない言葉だった。
『あ、ごめん、ことし出すの忘れてたわ。』
いや、おかしい。確かに、二郎が年賀状をサボったっていう文面とは一致するけど、あまりにも他が非現実的すぎる。だいたい、令和って253年まで続くのか、そうすると、今の天皇は、だいたい、30…いや、やめよう。気持ちが悪くなる。てか、問題はそこじゃ無いんだよ。まず、未来から年賀状っていうのもおかしいし、ハガキ戦争とか意味わかんないし、その上二郎は布団に潜ってる?ま、二郎らしいっていえば二郎らしいけど、にしたって、おかしいだろ。という訳で俺は、二郎のイタズラだと断定することにして、明日の学校の用意を済ませた。