ガキの世話2
籠の中にはガキが入っていた。男だったら殺そうと思ったら、女だったから連れて帰った。
連れて帰るとババァがギャンギャン言ってきたので、蹴って黙らせた。
ババァは俺に逆らうのを諦めたのか、素直に従うようになった。
ガキはデカくなったら、俺の子を産ませようと思っていたが、デカくならずガリガリのままだったので萎えた。
仕方ないから役に立たせようと、ボーッとしている時は石を投げた。躾だ。俺もこうして親父に育てられたから、教育とは、こういうもんだと思っている。
俺も立派に育ったものだ。
役に立てば、パンを与え、役に立たなければ、罰を与えた。
最初は泣いてばかりだったが、そのうちに泣かなくなった。良い傾向だ。俺が一声言えばすぐに動くようになった。
そろそろ狩りを教えようと思っていた矢先、ババァが死んだ。ババァは自分の食い物をガキに与えていたようで、飢え死にした。
馬鹿なババァだ。
その頃から、またガキがボーッとするようになった。
石をぶつけようが殴ろうが反応しない時があった。
俺は苛立ち、焼けた火かき棒を押し付けた時もあった。
火かき棒は効果が凄く、ガキはまた動くようになった。
ババァが死んだ年は、寒さが全く弱まらなかった。
寒いままで凍え死にそうだった。
暖炉の薪も、節約しながら使っていたが、それももう無くなった。
俺はガキに薪を取りに行くよう言いつけた。
またボーッとしていたので、焼け残っていた炭を投げつけた。
ガキは慌てて出ていった。




