美味しいは正義
私は満腹になると幸せになるということを知った
知ってしまった
今まで経験した事の無い感覚
幸せを知ってしまった
これは不味い
知ってしまって失うのと、知らないまま気づかないなら
知らない方が良かった
私の強みが無くなってしまう
私はどんな事でも耐えられるし、どんな事にも負けない
強い心が私の持ち味だったと思う
なのに、これは・・・ダメだ
私をダメにする
「何をブツブツ呟いている?」
人の姿に戻ったサンドラが私に話しかけてくる。
「美味しかったの」
「うん?」
「美味しかったからダメなの・・・ダメになるの」
あぁ、私の語彙力がまた死んでしまっている・・・
「何を言う!美味しいは正義だ!!」
サンドラが間髪入れず、私の肩を持って強い口調で言う
サンドラの美しい金髪が輝いて、とても綺麗
さっきはカレーに夢中で気が付かなかったけど、サンドラはとても美しい女の子だ
ブルーの瞳、白い肌、プラチナブロンドのウエーブがかかった腰まである髪、服はクラッシックドレスだ
でも・・・ドラゴンなんだよね・・・
「どうした?」
「サンドラ・・・綺麗」
サンドラが赤面する
そして満面の笑みを見せてくれる
「ありがとう・・・コロナ」




