ドラゴンの巣
目覚めてばかり
もぅこのパターンも飽きてきた
私の体は何か白いものでぐるぐる巻きにされていた
ミイラみたいな感じ
でも、包帯よりも細い・・・
うーんなんだろうコレ
拉致されたにしてはどこも痛くないし、ちゃんと動けるように巻いてくれてる
【目覚めたか小さきもの】
頭の中に声が響く
【こちらだよ お前の目の前だ】
顔を上げる そこには大きな口が・・・よくよくみると私が壁だと思っていたのはどうやらドラゴンの腹だったらしい
【小さきもの お前は何者だ?】
【私と同じ波長を持ち 私と同じかそれ以上の魔力をもっている お前は何だ?】
私はドラゴンを見上げた ドラゴンは私を見下ろしている
視線が、ドラゴンの美しい瞳に全身白いものでぐるぐる巻きになった私が映っていた
刹那、私の口が勝手に開き言葉を喋り出す
止めようとしても止まらない
口が勝手に話し始めてしまったのだ。
「私は浄化するモノ・・・この世界を滅ぼす為に神が私をこの世界に落とした。増えすぎた人間を間引くモノ」
【ふむ・・・その浄化に私は入っているのか?】
「入っていない・・・私は人間だけを滅ぼせと言われている。人間は増えすぎた。もはや害虫よりタチが悪い。」
【ふむふむ・・・では、浄化するモノよ お前は誰にどの神にお使いを頼まれた?】
「・・・・・・・・・知らない。神は名を名乗らなかった。私の体内に魔石という石を埋め込んだ。この力を使い人間を滅ぼせと。魔石には魔物が集まってくる。魔物に人間を襲わせろ。お前より魔力の少ない魔物は、お前の支配下に入るだろうと言い残して消えた。私は魔王になる素質があるらしい。」
【うーむ・・・】
何かドラゴンが考え込んでいる
私の口が勝手に動くのは、おそらくドラゴンの仕業
喋りたくないのに口が喋り出す
きっと、このドラゴン強い・・・・・・
きゅーぐるぐるぐるーーーー




