包帯グルグル~
カレーの味やサンドラとの契約など、衝撃的な気持ちがようやく落ち着いてきた
そうなると、冷静になった私は何故ここに居るのか
疑問がわいてきた
聞いていいのかな?
顔を見ただけで察してくれたようで、サンドラは私を助けた理由を教えてくれた
・・・・・・寒い吹雪がふいていたあの日
この冬は例年にも増して寒く凍えてしまいそうだった
サンドラはドラゴン神の御使いとして、邪神が招いたモノを探していた
ドラゴンの鱗は頑丈で、寒さや暑さにはとても強いだが、それを感じないわけでは無い
寒いなぁ・・・もう嫌になる
サンドラは大きく身震いをし、両翼を広げて飛び立った
ドラゴン神・・・はるか昔のこの世界を作った神であり、最初のドラゴン
全てのドラゴンはこの神から産まれてきた
その為か、ドラゴン達は神託という神からの言葉を聞くことができ、神託を受けたドラゴンはその時から神の御使いとして、神に祝福された体の1部を得ることが出来る
閑話休題
サンドラは神から瞳を祝福されていた
その瞳は全てを見通した
風の流れや雪の結晶まで
サンドラが観たいと願ったあらゆるものを見せてくれた
そして、サンドラは見つけた
凍えて手足が紫色に変色した娘を
そして、その娘から邪神の気配を感じた
これは・・・困ったなぁ
サンドラは自分の巣穴に連れて帰った
だが、邪神の招いたモノは死にかけている
どうして良いか悩んだあげくマミーの包帯を使う事にした
マミーの包帯は高い治癒力を持ち、巻きつけたものの体を癒す
巻きすぎていると包帯に侵食されてマミーになってしまうが、傷が治るまでは大丈夫だろう
サンドラは人間の姿になる
やはり、人間の指先は器用で羨ましい・・・
私の指先は細かい作業に向いてないからなぁ
マミーの包帯を巻いていると神託があった
(ドラゴンよ私の声を聞き、私の瞳を有するドラゴンよ)
(お前はその邪神の招いたモノを殺せるか?)
(殺せるならば殺してしまえ)
(ソノモノは災いの化身)
(生きているだけで災いとなる)
・・・・・・包帯を巻く手が止まる
災い・・・・・・・・・・・・殺す?
こんな今にも死にそうな娘が??
(殺せぬならば名を縛れ)
(ソノモノの命を真名で縛れ)
(ヒトの姿だ、我らよりは遥かに命が短いだろう)
(殺すか縛るかはお前に任せる)
神託はそれ以降聞こえなくなった




