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これから

「じゃあ。満足したところ悪いんだけどこれからのことについて話したいんだ」


「これからってソフィーちゃんの活動とかについてだよね。まず協力するの?」


「とりあえず協力するつもりではある。もちろんしてはいけないことはしないし、嫌なら未来は参加しなくてもいい。それで未来はどうする?」


「ここまで来たなら私も協力するよ。いろいろ知っちゃったし」


そういうと僕と未来はソフィーのほうを向きなおした。


「未来さんとご主人様、ありがとうございます。このご恩はいつかお返しします」


そういうとソフィーは深呼吸を一度してから話し始めた。


「まず、私たち天使はどの人間が満足しているかわかります。そしてその人が願うこともわかります。しかし、その願いをかなえたとしても一時的な幸せにしかならないことが多いのです」


そういうとソフィーはぬいぐるみを二体どこからか取り出して説明し始めた


「ここにクマのぬいぐるみと天使のぬいぐるみがあります。そしてクマはお金が欲しいと思っています。天使はクマの願いをかなえるためにお金を渡します。クマは満足します。そしてそのお金を使うか貯めるでしょう。ではここで問題です」


ソフィーは机にぬいぐるみを置くと〇の書かれた紙と×の書かれた紙を取り出した。


「このクマさんは満足しているでしょうか?〇か×のどちらかを指さしてください」


僕と未来は〇を指さした。


「そうです。その通りです。じゃあ次の問題です」


「100万円で一生満足できるでしょうか?指をさしてください」


そういわれたら×に指をさすしかない。100万円で一生満足できるとは微塵も思えないからだ。というか1000万円でも一生満足できるとは思えない。


「そうですよね。×ですよね。こういうわけで慎重にならなければならないのです」


そういうと紙と人形をしまった。


「そういうことで天使がかなえる願いというのはその人の心から思っていることなのです」


「なるほど。じゃあ天使が接触する人は結構限られているってこと?」


「そうですね。天使に接触されることで周りの変化などに気づくようになってしまうので」


「じゃあ天使に接触していない人は人が消えたとしても、周りが変化したとしてもきづかないと」


「そうです。気づきません。なので、人を減らしても大丈夫だと天界は考えているんですね。」


「なるほど。じゃあ、僕たちは今まで人が消えたことに気づかずに生活していた可能性があるのか」


「そうですね。なので、今後の方針としては天使が満足させるのを止めるようにします」


「そうはいってもどう止めるの?」


「止めること自体は難しくありません。なぜなら天使自体にはそれほど力があるわけではないのです。あくまでも本人の思いが大切なのです。本人が強く願わないと願いもかないません」


「なるほどなぁ」


今までの話を聞くと、どうやら止めること自体は難しくなさそうだ。要は願いが叶う以外に悪いことが起きればいいのだろう。まあ、なんとかなるだろう。


「いけそうだね。何とかなりそうでしょ。未来はどう思う?」


「うーん。私は意外と難しい気がするな。なんというか、願いって重いものだと思うんだよね。」


「重い?」


「そうそう。重いんだよね。重りみたいにズしっとしてるイメージ」


「そっか。そうだなー未来がそういうなら慎重に行くべきかな」


未来は結構周りを見るタイプなのでこういう意見はかなり核心をついていることが多い。そのため未来の意見を注視したほうがよいと僕は思っている。


「というわけで、ソフィーはどう思う?」


「そうですね。私が天使に狙われている人を探しますので、とりあえずはそれからですかね」


「そうだね。とりあえず見つけてからか」


 その言葉を最後に僕たちはどういう方法で止めるかを各々考えるということで解散した。と言っても、ソフィーとは一緒に住んでいるので未来が家に帰るだけなのだが。


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