青い星。地球
「おっ!」
僕の視線の先には青々と光る星があった。
水に覆われた星だろう。
「エマ!見つけたよ」
「えっ!本当に?」
そういうと僕の望遠鏡をのぞいてきた。
「本当だ!」
目をかがやせながら僕のほうを向く。
少し得意げになった。
さて、あとはどうやって宇宙空間を進むのかということだが……。
妙案が思い浮かんだ。
「よし!行こう!」
僕たちは星を見失わないように慎重に慎重に宇宙へと進んだ。
ちなみに、今は宇宙服を着ているので安心だ。
いざ!宇宙へ!
宇宙は、黒い。
明るいのは星だけで、それ以外は光を発していない。
正確にいうとすべての星が光を発しているわけではないのだが。
……それにしても、星は動くのが早い。
今まで見ていたものはあくまでも、一面でしかなかったということだ。
そんな世界で僕たちの移動方法はこれだ。
エマにモノを出してもらいそれを押して進んでいる。
要は壁を作って進んでいるということだ。
気を付けなければいけないのは重力に引っ張られないことだ。
重力に引っ張られては、帰ることもできなくなってしまう。
まあ、そんな心配をしながら宇宙を進んでいた。
重力に引っ張られることなく青い星の近くに来たが、順調すぎて不安になる程度だった。
「なあ、宇宙ってこんなに平和なんだな」
「そんなこと言われても知らないわよ」
つっけんどんに突っぱねられる。
まあそうか。生物いないんだから平和なのが当たり前なのかもな。
そんなことを一人で勝手に結論付ける。
しかし、一つの疑問がわき出てきた。
「天使の世界では戦争ってないの?」
「ないわよ。起きようがないわ」
起きようがないといってもソフィーのような天使がいる以上可能性はゼロではないはずだ。
しかし、エマは起きようにないと今言った。
その真意は何なのだろうか。
聞くべきか、聞かないべきか。
そんなことをかんがえているうちに青い宇宙の重力にとらわれた。
どうやらこの星はほとんど水のようだ。
まだ地球かどうかはわからない。
せめて、地上に降りたい。
そう願い僕たちは降下した。
無事、地上を見つけ、降りることができた。