星の不思議
朝起きると真っ白な世界が広がっていた。
そうだ僕はまだ、この世界にいたんだ。
そんなことを痛感させられた。
ただ、焦りはない。
むしろ一日たったことで様々なことが思い浮かんだ。
空が見えないということは大気があるってことだ。
どういうことかというと、地球の空が青いのは空で光が散乱しているからであり、散乱するのは大気があることが条件として必要だからだ。
そして、かなり上にあがっても白いということはかなり大気が濃いということだ。
あとは、ここは地球型惑星だということである。
地球型惑星は基本的に太陽みたいなやつから遠かったはずだ。
ただ、地球は例外だった気がする。
こういうことを踏まえると地球に戻れる可能性が高くなると思う。
僕は光のように真っ白な空間に黒色のペンを走らせる。
その結果、一つの結論に達した。
「青く見える星を探そう!」
なぜ青い星を探すかだって?
地球は青いからだよ!
思い立ったが吉日ということで僕たちは青い星を探し始めた。
明るい間は牛乳のように白いので、探すのは夜だ。
明かりがないので空はきれいに見える。
180度満点の夜空で、いつの日か落ちてきそうな怖さがあった。
「星って不思議だよな」
「そうね。なんでこんなにもきれいなのかしらね」
星は主張が激しい。
人間が想像もできない空間の中で、我が一番だといわんばかりに輝いている。
どの星もだ。
いや、例外が一つだけあった。
ブラックホールだ。
しかしブラックホールにも、かまってちゃんみたいなところもある。
それは何もかも逃がさないというところだ。
その姿はメンヘラと言ってもよいだろう。
捕まえたら一生離さないで手元に置き続ける。
そんな感じでどの星も主張しているのだ。
表現の形は違うといってもだ。
そんななかから地球を探すのだ。
簡単ではないとそれとも難しいと思うのか。
少なくとも僕はそれほど難しくはないと思う。
だって自分が住んでいた星だから。
「見つかった?」
「見つからなかったわ」
「全然見つかんないね」
「そんなもんでしょ」
一週間程度たったが蜘蛛の糸ほどの手掛かりすらつかめていない。
この一週間でわかったことは、この星は公転周期が短いようだ。一日で星が結構移動する。
あと、自転周期が地球と比べると長い。
そのため、精神的疲労はかなりたまるのだ。
そして、一日が長いわりに星の移動が速いので疲れるし、休めないしで大変なのだ。
たまには別のことでもして気分転換したいものだ。
例えば床に絵を描くとか。
真っ白な床に黒色を塗るのはさぞ、快感だろうな。
新品の消しゴムを使う感覚だ。
まあ、でも、先に地球を見つけないとな。
僕は作業に戻った。