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世界は終わる

世界は今、平穏だ。


一人の人間と多くの天使が消えたこの世界で、私はいま生きている。


私以外の人間は、何が起きたのかは全くわからないまま生きているのだろう。


今を生きるのに精いっぱいで、周りのことなんてミジンコほども見えないと思う。


でも、私は違う。


あの日起きた出来事……。あいつとソフィーが消えたあの日から、周りしか見ることはなくなった。


あいつが生きていた証拠は全くなくなった。


あるのは記憶のみ。


そんなおかしな世界だから。


そんな世界でも、どこかでまた会えることを期待している。


いずれ、記憶もなくなって完全に忘れてしまうのだとしても。


私は、忘れない。






なんて、きれいに収まるわけもなく、目の前には奇妙な世界が広がっていた。





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