心配
「おはようございます」
朝になるとソフィーは元通りになっていた。
逆にその姿は心配になるが僕には何もできない。
「おはよう。大丈夫?」
「もう大丈夫です。くよくよしていてもしかたないですから」
その通りではあるが、このままではいつか心が壊れてしまうようなそんな雰囲気が漂っていた。
「そういうわけで未来にソフィーのことを頼みたいんだけど」
「うーんさすがに無理だよ」
「そっか、無理か」
「なんというかソフィーちゃんって、自分より他人を大事にしているでしょ?そこからして私たちと違うからさ」
「うーん。そういうことか」
「もちろん私も助けたいけど、助けられる気がしないからさ」
「時間が解決してくれるのを待つしかないか」
「うん。私はそう思うよ」
「というか私の意見以外も聞いてみたら」
少しニヤッとしながら未来はしゃべる。
「あのさ……俺に友達がほとんどいないってこと知っているよね?」
僕は苦笑いしながらそう言った。
「アハハ!そうだったね。どんまいどんまい!」
ひとしきり笑ったあと未来は続けていった
「顔だけはいいのにね」
僕はそんなお世辞を聞き流して教室へと戻っていった。
家に帰るといつものようにソフィーがご飯のご飯があった。
ソフィーも今はいつも通りである。
しかし僕には引っかかるものがあった。
それは、なぜあの男が消えたのかということである。
僕たちは地下室を埋めたはずだ。
彼が満足するのに必要な場所はなくなったはずだ。
それなのに彼は消えた。
もしかすると、僕たちがしたことは間違っていたのかもしれない。
しかし、間違っていたとしても何が間違いなのかがわからない。