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辻ヒーラーさんは今日も歩く  作者: Luce
第1章 辻ヒーラーさんと始まり。
7/45

6話 初戦闘?

[ステータス]にHP/MPを追加しました。

それに伴い過去の[ステータス]も修正していきます。

「それでは、ウサギの魔物-レッサー・ラビット-が出現します。」


目の前の地面には大きな魔法陣が形成され、バチバチと雷光を発しながら徐々にウサギの形が出来上がっていく。

何だろうか。ただのウサギなのに登場シーンかっこよ過ぎねぇか?魔法陣から出現って。

そして、魔法陣が消えるとそこに残っているのは1羽のウサギ。

うわぁ。何だか戦いたくねぇビジュアルのタイプのウサギさんじゃねぇか。

姿はロップイヤーで垂れ下がっている耳がこれまたキュートなウサギさん。


「リリエル!?ちょっとなんだよ!可愛すぎないか!?何だかすげぇ攻撃しづらいんですけど!?ほら!あんなにつぶらな瞳でこっち見てるし!」

「確かにあれは可愛いですよねぇ。だって魔物っていっても一般人が素手で殴りあっても勝てるレベルですからね。普通にこの世界ではペットとして飼われてもいますしね。大事に飼われているレッサー・ウサギは噛みませんし。私も飼いたいくらいです。」

「じゃあ何であの子を選んだ!?他にいなかったのか!?初心者向けの倒しても良心が痛まなそうなヤツ!ほら!見て!すげぇあの子さっきからずっと怯えてるんですけど!?プルプル震えてるんだけど!!」


レッサー・ラビットは出現してからこれまでずっと怯えている。

その姿がまた庇護欲を唆る。


「ほんとにあの子可愛い!!もう完全に戦う気無くしたわ!あぁ〜、服従のポーズとってる!これ絶対攻撃なんか出来ねぇよ!俺も飼いたくなってきたんだけど!」


両手を揃え、足を踏ん張り体重を後ろにかけるというウサギ特有の服従のポーズをとっている。

そしてまだレッサー・ラビットの体は怯えてプルプルしている。


「リリエル!チェンジ!チェ〜ンジ!!これ絶対無理!寧ろこの子飼うから頂戴!」

「困りましたね。チュートリアルはこの子以外では認められていないのですよ。」

「それじゃあ初戦闘は結構です!この子を傷つける位ならそこら辺の森にでも入って初戦闘で死に戻ってやるわ!」


倒せるわけないじゃないか......。

これチュートリアルで倒させようとした奴マジで鬼畜だなおい。


「分かりました。それではリートの初戦闘はお預けと致しますね。」

「絶対そうしてくれ!」

「それではあの子は還しますか。」


といって手元を操作するリリエル。


「ちょっと待った!一撫で、一撫でさせて!お願いリリエル!」

「一撫でですか。まぁ、それくらいならいいでしょう。許可します。」

「ありがとう!ちょっと撫でてくる!」


なでなでの許可が下りたため、意気揚々とウサギさんの方へ向かってズンズン進みそして手を伸ばし、


カプッ。


噛まれた。


「いてぇ。けど我慢できる。気を取り直してもう1度」


カプッ。


また噛まれた。


「ほらほら怖くない怖くないよ〜。だから撫でさせてねぇ〜。」


ガプッ。


三度噛まれた。


「これはあれか。ウサギを飼うときは最初の1日は触ってはいけないって奴か?け、けど一応は魔物だしストレスを感じてって事もあるまい。」


そうして4回目のなでなでに挑戦しようとウサギさんの方へと手を伸ばす。


パシッ。


「リート。諦めなさい。あの子は現実のウサギと同じで非常に臆病な魔物です。いきなり撫でようとしたら噛まれますよ。」

「くっ、 目の前にもふもふがあるのに撫でられないなんて。酷い話もあるもんだな。というかリリエル?それならさっきなんで止めてくれなかった?」

「『許可します。』とは言いましたが、噛まれませんとは言ってませんよ?それよりもリート。[ステータス]を開いてください。」


なんだか腑に落ちないがとりあえず、[ステータス]っと。



プレイヤー:リート 性別:男

種族:ヒト族:Lv1 職業;ーーー

称号:ーーー


《ステータス》

HP:10/20

MP:15/15


ステータスポイント:0

STR:11

VIT:10

INT:13

MND:12

AGI:12

DEX:12


《アビリティ》

アビリティポイント:0

[隠密:Lv1][投擲術:Lv1][精密操作:Lv1][俊足:Lv1][水魔法:Lv1][高速詠唱:Lv1][精神力強化:Lv1][鑑定:Lv1][治癒魔法:Lv1][付与魔法:Lv1]


控え:ーーー


「HP割りがっつりと減ってる!」


ウサギさんの噛み付きで10も減ってる。

VITに振ってないからかな?


「凄いですよねリート。3噛みでクリティカル発生してましたよ。」

「まじで?」

「マジです。}

「ウサギさんって意外と強い?」

「いえ。リートが今回大きなダメージを受けた理由として警戒心のなさがありますね。まぁ、端的にいえば戦闘態勢に入ってなかったせいでウサギの素の攻撃に加えて不意打ちダメージが加算されたようなものです。ちなみにフィールドでは不意打ちを1度食らっても武器などを構えると戦闘態勢に入るので不意打ちダメージをうけることは格段に低くなります。」

「つまり無警戒で撫で続けたからこんなにダメージを食らったと?」

「そういうことですね。」


ウサギさんを愛ですぎたか。


「いい機会です。それでは初戦闘の代わりと言っては何ですが、[治癒魔法]を使ってみましょうか。詠唱は、

「かの者を癒せ『ヒール』」

です。杖の先端を発動対象に向けることによって選択します。また、パーティーを組んでいる時にはプレイヤー名を思い浮かべるとそのプレイヤーに魔法が発動します。それではやってみてください。」

「了解。

「かの者を癒せ『ヒール』」


そうして杖の先端を自分に向けて発動させる。

すると、



プレイヤー:リート 性別:男

種族:ヒト族:Lv1 職業;ーーー

称号:ーーー


《ステータス》

HP:20/20

MP:10/15


ステータスポイント:0

STR:11

VIT:10

INT:13

MND:12

AGI:12

DEX:12


《アビリティ》

アビリティポイント:0

[隠密:Lv1][投擲術:Lv1][精密操作:Lv1][俊足:Lv1][水魔法:Lv1][高速詠唱:Lv1][精神力強化:Lv1][鑑定:Lv1][治癒魔法:Lv1][付与魔法:Lv1]


控え:ーーー


おっ、回復した。

それじゃあ、[アイテム]に杖をしまっておくか。


「成功したようですね。さて、それでは一応これでチュートリアルは終了です。これから始まりの街キルトに移動します。っとその前に、先ほどの戦闘でウサギを倒せれば、1000セルとドロップアイテムが獲得できるはずでしたが、倒すことが出来なかったのでそれを獲得することはできません。が、流石に無一文というのもハードすぎる始まりなので、特別に500セル差し上げます。セルというのはお金の単位ですね。」


差し出された500セルを受け取る。


{ありがとう、リリエル。流石にあのウサギさんを倒すのは…な。」

「そういう人も一定数いるだろうと思って、倒せなかった人には500セル送ると決まっていましたので。」


そういって、近づいてくるリリエル。


「それでは移動です。」


そしてリリエルが腕に抱きつく。

はぁ。幸せを感じる。……ってこれってもしやまた!?


「キルトの街へ」


その言葉を最後に周りの景色が歪んでゆく。

あっ、俺また酔うな。


あれ?戦闘なかった。

ドウシテコウナッタ?


こぼれ話 チュートリアル調査結果


「代表〜。チュートリアルのプレイヤーたちのアビリティ選択などの集計結果が出ましたよ〜。」


と軽い口調で報告する男。


「でた?それじゃあ、結果を報告してね。」


と返す代表ことカルカタ。


「そうですね〜。まず[魔法アビリティ]ですけど、一番人気は読み通り[火魔法]でした。不人気は[水魔法]でした。[土魔法]が不人気だろうという読みは外れてしましましたね〜。[武術アビリティ]は読み通り[剣術]が一番人気で、順に[槍術][斧術][弓術]がその下に続いていく感じですね。意外だったのは[扇術]をとったプレイヤーが1%と少しいたことですね。また、[補助アビリティ]は魔法をとった多数のプレイヤーは[高速詠唱]、武術をとった多数のプレイヤーは[型]をそれぞれ所得していましたね〜。あと大体は[鑑定]を所得したようですね〜。また、[生産アビリティ]は[鍛冶師][薬師][錬金術師]などが多く見受けられましたね〜。あと、[パッシブアビリティ]はプレイヤーによって様々だったのであとで資料で提出しますね〜。」

「わかったよ。にしても[水魔法]が不人気とは予想してなかったね。いや〜、面白い。」


そういって朗らかに笑うカルカタ。


「あと、追加報告なのですけど〜。」

「なに?」

「初戦闘のレッサー・ラビットがあるじゃないですか〜?」

「うん。」

「あれの戦闘回避割合が大体4割を超える程度でした〜。」

「そ、そんなに?」

「はい〜。やっぱり予定通り猪で行けばよかったのではないですか?回避したプレイヤーの多くは「可愛くて倒せない。」と言っていたとサポートAIからの報告が上がってきました〜。倒したプレイヤーからも良心が痛んだと言っていたとも報告がありました〜。」

「そ、想定外でした。ウサギを見れば嬉々として向かっていったんですけどねぇ。私の故郷では。」


そういってため息をつくカルカタ。


「ほんとにこの代表はどこで育ってきたんでしょうねぇ〜。」


またカルカタの履歴の謎が深まった。



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もう一つの連載作 テーマは邪道の王道。
「真実は迷宮の中」
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