36話 情報交換
色が鬱陶しく感じてきたのでデフォルトに戻しました。
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あまりにも関西弁が過ぎますのでマイルドに仕立て上げます。
怒涛の展開に意外にもついてきた上に更に聞き逃せない事を言ったペグを、
「二人な!」
と鍵を開けながら入室人数を叫んで文字通り叩き込む。
部屋の中の廊下に倒れこんだペグを手でコロコロと押してリビングまで連れて行くと
「なんや!意味分からん状況やのに人を叩いて、挙句の果てには抵抗も許さずに人の体をコロコロコロコロと転がしよって!いい性格しとんな!リートやい!お前はどんな教育を親から受けてきたんや!」
「・・・親か。」
「お、おう?も、もしかして俺いらんことゆうてもーたか?それはすまんかった。」
「別に生きてるし、仲が悪いわけでもないが?」
「お前ほんまにいい加減にせえよ!?」
やっぱりペグをいじるのは楽しいな。
ツッコミ気質っていうのがいい、どんどんボケたくなる。
「ナイスツッコミ!」
「やかましいわ!」
パシン!
「お前ハリセンってどこに売ってたんだよ!しかもそこそこ痛ぇ!?」
「俺特性のハンドメイドや!やっぱ関西人としてハリセンは外せん!」
「嘘こけ!いまどきハリセンなんてジョークグッズとしてしか売られてねーだろ!」
このやろう、割と適当なこと抜かしやがる!
っとまあ、この辺りで切り上げとかないと話が一向に進まないか。
「なあペグ、お前パーティーとか組んでるか?」
「お前の落差に俺、ついていけへんわ。まあ組んどらんよ。朝もゆうたと思うけど、この口調のせいでフレンドもろくにおらんからな。」
「んじゃ、俺たちのパーティーに入らへんか?」
「またお前口調うつってんで。メンバーは?」
「回復役の俺と斥候及び遊撃担当のこちらのウサ耳美女のラナだ。」
「そか。俺は前衛でこいつで敵をなぎ倒していくだけやで?タンクなんて器用なまね俺には出来んからな。期待されても困るで?」
そう言って腰の剣を叩いくペグだが、まあ問題ないだろうな。
一度戦闘スタイルは見ておくとして、少し騒がしいが、その騒がしさもラナにとってはいいのかもしれないからな。
というわけで、よし。
『プレイヤー:ペグにパーティー申請を送ります。
よろしいですか? はい いいえ 』
「うお!なんや、ってパーティー申請か。もう一回確認しとくけどええねんな?」
「ああ。ラナもいいよな?」
「うん。」
「そか、ほなありがたく入れてもらうわ。よろしゅうな。」
『プレイヤー:ペグがパーティーに入りました。 』
よし、これでひとまずメンバー一人目確保っと。
って、そういえば、
「なあペグ、ちょっといいか?」
「ん、なんや?…まさか、もう解散か!?」
「んなわけねえだろ。ちょっとこっち来い。ああ、ラナはそこで待っててくれ。」
やかましいペグの頭に一撃いれて静かにさせて玄関まで肩を組んで連れて行く。
「なんや、ルート。」
「なあNPCのパーティー加入に付いて何か知ってるか?」
「んあ?ラナちゃんってNPCなんか?」
「ああ。」
「気が付かんかったわ。俺あの識別切っとんのよ。」
「俺もだ。」
「一緒かいな。っとまあそれはさておき、確かNPCには話の流れで了承されとったら入ってるはずやで。確認してみ。」
「分かった。」
メニューから[チャット]で現在組んでいるパーティーはっと、
「あ、入っているわ。」
「それはおめでとさん。話はそれだけか?」
「いや、少し注意しとこうとおもってな。簡単に言うとラナは仲間を失ったばかりだ。その辺気にしてくれ。」
「そら少し重いな。けど了解や。こっちも気をつけるわ。」
「頼んだぜ。」
「任せとき。」
んじゃリビングに戻りますか。
そうして男二人、リビングに戻ったらもちろんの事ながらラナがいて、
「…気にしないでいいよ。」
「…聞いていたか。」
「この耳は飾りじゃないから。」
そう言うラナのウサ耳がピコピコと動く。
「確かに悲しいけど、それだけじゃないから。」
「そうか。」
「そのなんや?話くらいは俺たちでも聞けるからな。まあ頼りないかも知れんけど。」
やっぱペグもいい奴だよな。
口調ががちがちの関西弁っていうだけなら、ここまでの扱いになるはずがないんだけどな。
とりあえずなんにせよ、
「とりあえずペグ、情報交換といこうか。」
「おう、お前も色々集めてきたんやろうな。」
「ああ。俺から始めていいか?」
「任せるわ。」
「ラナも一緒に聞いてくれ。まず町の中は安全じゃない。普通にHPも減ることになっている。さっきラナに思い切り蹴られたことでHPが削られたことから確認済みだ。」
「…お前、何したら蹴られることになるねんな。」
「成り行きだよ。んで続けるぞ。」
そうして俺が町で集めてきた情報の、この都市の危機感の欠如やプレイヤーがすでに死に戻り始めているということ、そして上層部の二分化ということからも分かるこの都市の抱える面倒な潜在的な問題を話してゆく。
そうしてこの寒さの中で行動するのに必須な防寒の魔術具について話しておく。
そして、
「あっ、悪いペグ。飯買ってないわ。」
「なんやそんなことかいな。別にええわ。どっか食べに行こうや。」
「悪いな。」
「かまんかまん。次は俺か。」
「頼む。」
「リートと分かれた後の話しやけど、俺は明らかにプレイヤーではないような地元の猟師のおっちゃんらと出会ってやな、同行させてもらうことにしてん。ほんで東へ向かうことになってんけどな?そのおっちゃんたちが言うててけど、いつもよりも森の様子がおかしいゆう事でゆっくりと進んでてんけど、蜘蛛っぽいモンスターが現れてやな、ほんでそれ狩るんかなって思っとったら"前触れ"ゆうて尻尾巻いて逃げてきてん。」
「"前触れ"?」
なんだそれ。
「そや。ほんで都市に帰ってきてからその猟師たちが集まる会議みたいなもんに参加させてもろてんけど、各方面でその"前触れ"ゆうモンスターが現れたことで騒がしいなってんけどな?ほんで話を聞いたらそいつが現れたら"モンスター・カーニバル"が始まるゆうことらしいねん。これ知ってた?」
「俺は初耳だ。」
「私は知ってる。」
「やっぱりラナちゃんは知っとるか。ほんで話し聞いとったらなんや、モンスターが100万匹もこの都市に迫ってきてるってさ。」
「「100万匹!?」」
百万って10万の10倍!?
…って逆に分かりにくいな。
「らしいで。そら反則やろって思っとったら、意外にもおっちゃんらがビビッて無くてな?ほんで「何でや」って聞いたら、「英雄様もいるから大丈夫だ」っていうから色々聞いたんよ。ほな冒険者ギルドのトップが過去に"厄災種"を討伐した英雄の一人やってさ。ほんでそんときの英雄様方は来てくださるから大丈夫やろうってさ。」
「英雄って言ってもそこまで強いものなのか?」
「強いよ。英雄様は単独で"厄災種"以外のモンスターを1万体くらい相手にしてもかすり傷程度で始末してくる。全員SSランク。」
あの美少年そんなに強いのか?
それにしても、
「それはぶっ飛んでるな。」
「ほんまな。俺も初めて聞いたときには驚いたわ。まあその後に色々と聞かされた話を聞いてたらそれくらい当たり前かとか感覚狂いだしたけど。」
だろうよ。
「俺なんてレッサー・ウルフの30匹くらい同時に抱えるのが限界だぞ。」
「お前、そのナリで数おかしないか?」
「これが治癒魔法があれば結構いけるんだよな。」
「そんなもんかい。俺はあんまり集団で来られんの苦手やねんなあ。」
「お前今回そういうモンスターばっかりだと思うぞ。」
「せやねん。まあ速攻片付けたら何とかなると信じてる!」
「不安だな。」
「お願いやから何でもするし捨てんといて!」
まあ捨てるつもりは一切ないが、
「まあお手並み拝見といったところか。」
「そうだね。」
そういう俺とラナに対して、
「任せとき!」
そういって男臭い笑みを浮かべる。
まあこの様子なら任せておいてもよさそうだな。
それじゃあ、
「ラナからは何かあるか?」
「行き先、私は南の山に行きたい。」
「それはなんでや?」
「仇がいる。」
「ああ、そういう理由か。ほんなら力貸さんとな。」
そういって笑うペグ。
「よろしく。」
そういって笑うラナ。
なんだか俺だけ取り残された感じだなこれ。
少し寂しい。
「俺も力を貸すからな。」
「え?あ、うん。」
「せやな。」
淡白!?
「…ちゃんとがんばります。」
ぐすん。
「お前なんだかんだで結構めんどくさいな!」
「ほっとけ!俺のライフはとっくに0よ!」
「突然ネタには走んのやめんかい!」
そんなやり取りをしていると、
「ふ、ふふ。」
そう言って抑え気味ではあるが笑っているラナを見て、ペグと顔を見合わせてニッと笑って拳をコンとぶつけ合った。




