35話 今後
本気でお久しぶりです。
なかなか他の作家さんの作品を読んでいたりとしていたら早幾年。
そして二ヶ月前ほどから新連載の方を執筆しておりまして、こちらに手をなかなか出せないということになっていました。
もうすぐ新連載のほうもいったん区切りのいいところまでいくので、そこまでいけばこちらの作品のほうをメインに話を進めて生きたいと思っております。
次の更新は未定ですが、また半年待っていただくということにはなりませんのでご安心を。
それでは本編をどうぞ。
「『今この状況での君の行動』というと私がこれからどういう行動をしていくのかということよね?」
と疑問を呈するラナに頷くことで返答する。
「そうね。私はこれからBランク冒険者として行動することにしたわ。勿論死ぬ気もない。私の役割は斥侯。その役割をただ果たすだけ。どれほどモンスターが上手く隠れていようとも私が見つけてやる。どこまで逃げようと私が逃がさない。モンスターの配置だって全部明らかにしてやる。そして少しでもこの戦いを有利に運んでやる。そしてやっとこの戦いを乗り越えたときにやっと私は仲間に向かって胸を張ることが出来る。」
そういうラナの顔は一見冷静に見えるが、その目には恨みや憎悪といったような激情がはっきりと現れていた。
どうやら相当キテいるらしいな。
生きる意味をなくしているよりかはこっちの方がいいんじゃないか?
「そうか。わかっているならいいさ。」
そういって微笑むリート。
するとラナは、
「あなたは?どうするの?」
と尋ねた。
そう質問されたリートは、
「俺も参加はするつもりだ。けど、一体どうしたものか・・・。」
と考えがまとまりきらない様子で机にひじを突き、眉間にしわを寄せ首をひねってた。
「リート、何を悩んでいるの?」
リートの様子を不思議に思ったのかラナは歯切れの悪い返答の訳を尋ねた。
すると、
「いや、あのだな。俺の戦い方と"モンスター・カーニバル"に対抗するための戦い方がどうにも噛み合いそうに無くてな。そのことについて悩んでいるんだ。」
「噛み合わない?どうして?」
「ラナは俺の職業を知っているか?」
「知らない。」
「そりゃそうか。俺は回復職に就いていてな。」
「へぇ。・・・もしかして私の傷をふさいでくれた?」
「ああ。」
「そう。その節はどうも。」
「いえいえ。無事で何よりです。」
「で、続きは?」
「俺は基本ソロで活動していてな。」
そうリートが言うとラナは奇妙な奴を見たような顔で、
「・・・は?」
と言った。
「いやまぁ、その反応も分からなくは無いけど少しへこんだぞ。」
「いや、意味が分からないから。リートは回復職でしょ?」
「ああ。」
「ソロでしょ?」
「ああ。」
「それでどうして冒険者としてやっているのかが分からない。」
「そうだろうな。」
「・・・ああ、ゾンビとかアンデット系のモンスターの討伐とかを専門にやっていたとか?」
「そうでもない。と言うかアンデット専門の冒険者ってのもいるんだな。」
「・・・賄賂?」
「その解釈は流石にひどくないか?俺がそんなことするように見えるか?」
「・・・。」
「えぇー・・・。」
な、泣いてなんかいないから。グスン。
ちょっとばかり心に傷を負っただけだから。
「そんな泣きそうな顔をされても困る。だって回復職は打たれ弱いから傷を負ったら大変。だから回復職はパーティーを組んで、攻撃を受けないように勤める。」
「まぁ、普通はそうだよな。」
「じゃあ、普通じゃないリートはどんな方法で戦っているの?」
「さらっと俺を普通の枠組みから外したな。俺の戦い方はこの杖を使う。」
そういってリートは思念操作でいつも使っている杖を取り出した。
それはもはや杖と言うよりは棒であった。
「杖?これが?取り出すもの間違ってない?」
「これはれっきとした杖だ。・・・まぁ杖には見えないが。」
「杖ってもっとゴテゴテしてたりとか珠が先端についてたりするものでしょ?」
「これを作ってくれた人が言うには、杖ってのは結局魔法発動体になった棒のことを言うのであって形状で分類しているわけではないんだとか。・・・まぁ作ってくれた人本人でさえ『こりゃ棒だな。っははは!』って笑っていたけどな。」
「そう。けどそれが杖だって言うなら魔法で戦うの?」
「魔法も使うが、この杖を使う一番の理由は殴れるからだ。」
「は?」
またもや奇妙な奴を見るような目でリートを見る。
「俺は接近戦もするからな。振り回すときに邪魔になるような装飾を削ぎ落としていたらこうなった。」
「・・・死にたがり?」
「違うぞ?ほら、俺なら少し攻撃を食らったとしてもすぐに回復できる。それに少し腕に覚えがあってな。この戦い方に落ち着いた。」
「どう考えても死にたがりとしか思えない。」
「何でだ?」
「攻撃を食らったら隙ができる。回復しても痛みは残る。それでも戦い続けるなんて命知らずの死にたがり以外の何物でもない。」
そのラナが言った言葉にリートはこの世界の住人とプレイヤーの『命』の捉え方の違いを感じた。
この世界の住民にとっての戦いとは文字通り身を削るものであって、当然リスポーンなんてできない。ソレに対して、リートたちプレイヤーにとっての戦いというものは所詮HPを削るものであって、リスポーンが可能だ。
そりゃ死にたがりといわれるか。
この世界の住民は死んだらそこでおしまい。だからこそ堅実な戦い方になる。
ここがプレイヤーとこの世界の住民の戦い方の違いなんだろう。
「ま、いつもどおりの戦い方で一人で動くかな。」
「・・・それなら私と一緒に動かない?」
「え?」
「私もBランク冒険者として一応即席で動ける。それにあなたと一緒なら回復してくれるでしょう?なら必然的に敵を一匹でも多く倒せることになるでしょう?」
いや、そうは言ってもなぁ。
正直俺としてはラナとパーティーを組むということには異論はないが、自分ひとりではいざ目の前にモンスターが現れたときの今のラナを制御できる自信がない。
とはいっても、ラナが斥候部隊に組み込まれたとしても同じく目の前にモンスターが現れたとしたら同じく我を忘れて突進してしまうような気がしないでもない。
となれば、
「俺としてもラナとパーティーを組むことに異論はない。だが、他のメンバーを探したいな。一応俺のほうでも探してみるが、そっちに知り合いは?」
「そう。一応ソロの冒険者も何人か知り合いがいるから私も探してみる。」
「うん、それがいい。んじゃ、俺たちのパーティーの行動の目的はどうする?」
「私は南で戦いたい。」
「・・・大丈夫か?」
「うん。」
南は仲間の失ったところだからそこで戦いたいという気持ちもわからないでもないが、少しばかり心配だな。
まあこれがラナの選択だって言うなら尊重するべきか。
「よし、わかった。南で戦おう。」
「・・・いいの?」
「言いも悪いもないだろう。ラナが自分で決めたことなら何も言わないさ。その代わり死ぬなよ。」
「死なない。私は死んでいられないから。リートに宣言したもの、仲間の夢を実現していくって。」
・・・その顔は反則だろうよ。
どうにも迷いの無くなった人っていうのはこうも綺麗な顔をしているものかね?
元が元だから正直まずいな。
破壊力がすごい。
「そうだな。」
「うん。」
「よし、それじゃあラナにとっての『今この状況での君の行動』ってのはなんだ?」
「私が南の山に向かって、自分の命を大切にしながらモンスターを倒す。」
「おう、それでいい。」
「よろしくね、リート。」
「ああ、こちらこそよろしくな。ラナ。」
差し出されたラナの手を半ば反射的に握ってしまったが、やっぱりとてもすべすべしていて触っていて心地がいいな。
ふにふに。
「っん!リート!少し、っ、くすぐったい!」
「・・・。」
ふにふにふにふに!
「んん!?ちょ!る!んんっ、いい加減に!ちょ、いい加減にして!」
「・・・・・・。」
ふにふにふにふにふにふにふにふにふにふに!
「いい加減にしなさい!!」
ドガッ!
痛っ!?途中までは見えてたけどラナの顔をどういう理由かは分からないが赤面させながら思いっきりキックしてきたけど、あんなの助走無しで出せる威力じゃねえぞ!?
ってHP減ってる!?
なんでこんなことで都市内が非殺傷エリアだって理解しなくちゃいけないんだよ!
そして壁に叩きつけられて腹部を押さえている俺の前ではラナがそれはそれは美しい笑顔で、
「お~い。リート、中にいんのか~?」
チャンス!
持ち前のAGIを最大限にフルスロットルでぶん回してこの部屋の入り口の元へ。
ラナが後ろから追いかけてきているのを肌で感じながら入り口を勢い良く開け、
「なんやドタドタとやかましいけど何してんねんやリート~?って、あぶ!?」
驚いて飛びずさるペグを引っつかんで即席の盾にする。
「お前ほんま何してんの!?ってうわぁ!」
即席の盾は部屋から飛び出してくる赤い流星に衝突されながらも数歩後ずさるだけでそれの衝撃を逃がしきる。
「よう分からんが痛いわボケ!いったいどういうわけか説明してもらうで?リート。」
即席の盾、もといペグはこっちを見てそう言うと、自分に衝突したものの姿を確認すると、
「えらい美人さんやんかってウサ耳生えとるやん!っていうかこの人このへんで噂の人やあらへんかって言うことはリート!あの噂はおまえのせいかい!」
舌が回る回るペグに、
「いったん話を整理させてくれ・・・。」
そう言った。
ここでもうひとつの連載作品を紹介しておきましょう。
「真実は迷宮の中」
https://ncode.syosetu.com/n6726ec/
こちらは三人称視点となっており、ダークな王道を目指して書いております。
・・・主人公の名前?
つ、次の更新をお楽しみに!




