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辻ヒーラーさんは今日も歩く  作者: Luce
第2章 辻ヒーラーさんと初イベント。
29/45

27話 お部屋

昨日は更新出来なくて申し訳ありません。

それでは本文をどうぞ!

「こちらがお二方にお止まり頂く部屋になる801,802号室です。」


と言ってこちらを見たまま両手で部屋を示すミンク。

それを見て、


「...なぁペグ。これはどういう事だろうか?」

「それは俺が聞きたいっちゅうねん。この世界に眼科ってあるんかな?」


と目をゴシゴシとこすりながら言う二人。

何故ここまで驚いているかというと、


「これはない。8階には二部屋しかないとか有り得ない。少なくとも俺は小市民だからこんなの見たことが無い。」


そう、8階には二部屋しか無かったのだ。

魔術エレベーターを降りるとそこには左右に並んだ扉だけがあった。


「これは予想外中の予想外や。正直さっき言うた質、立地、安全が確保されてたらどんなとこでもええと思っとったけど、まさかここまでとはなぁ。」

「だよなぁ。予想外もいい所だ。」

「ご不満ですか?」

「不満ではないが、逆に気が引けてきた。」

「不満やあらへんけどこんなええ所に縁がなくてやなぁ。正直どないしたらええかよう分からんのや。どないしたらええんや?


と戸惑うリートとペグに不安そうに問いかけるミンク。

こういった所にリアルでも縁のない2人であるため、ただ戸惑っていたというのが正解なのであるが。


「普段通りに過ごしていただければよろしいのですが...。」


と答えてみせるミンク。

しかし、


「普段通り...か。あれ?俺って普段どうしてたっけ?今は家のベットでヘッドギアを付けてコレをやってるけど、この世界にヘッドギアなんて無いだろうからな。...あれ!?ペグ!俺どうしたらいい!?」

「落ち着かんかいな。確かに普段通りなんて難しいかもしれんけど、まぁ何とか過ごすしかないやろな。」


その普段通りがなかなか難しいのである。

特にリートは普段通りがよく分からなくなってテンパっていた。


「そうですか...。それではお部屋を変更させて頂きます。」


と悲しそうな様子で言うミンク。

それを見て二人は、


「け、けどミンクがせっかく用意してくれたんだから、俺頑張って普段通りに生活してみるよ!」

「頑張って普段通りって何やねんな。ま、俺もリートと同じ意見や。せっかく用意してくれてんからしっかり色々活用させて貰うわ。という訳で色々説明してくれへんか?ミンク。」


と必死に言葉を並べた。


「お二方のお心遣いに感謝申し上げます。それではお部屋の説明をしていきます。その前に801号室をリート様、802号室をペグ様にお使い頂きたいのですが宜しいですか?あ、もちろん部屋の内装や設備に差があるわけではありません。如何でしょうか?」


ミンクは二人の思いやりの心に感謝をして、部屋割りについての質問をした。


「俺はそれで構わないが。」

「俺もや。」


と異論は内容なので、ミンクは説明を進める。


「ありがとうございます。それではペグ様には申し訳ないのですが、リート様のお部屋、801号室を実際に見て回って説明させていただきます。それではまずセキュリティ面、要は鍵ですね。の説明をしていきます。この鍵は"雌雄の契り"という効果が掛けられた魔術具でして、これと呼応する扉のみ開くことができます。逆に扉も呼応する鍵でのみ開くことができます。それではこちらをどうぞ。」


と懐から2本の鍵を取り出し説明したあと二人に差し出した。

二人は自分の部屋番号が書かれた方の鍵を受け取った。

それを確認してからミンクは説明を再開する。


「今渡した鍵は宿に滞在する期間中は所持者から離れませんが、滞在期間を過ぎれば勝手に我々の手元に回収されます。ですのでわざわざ鍵を返却しに来られなくても結構です。それではリート様、その鍵を扉に押し当てて下さい。どこでも構いません。」


などと説明してリートに扉を開けさせようとする。

そしてリートは受け取った鍵を扉の適当な所に近付けると、鍵穴が急に現れた。


「うわっ!」

「うお!」

「驚かれないで下さい。こういった仕組みのものはあるところにはあるものですので。リート様、その鍵穴に鍵を差し込んでください。」


と驚く2人を落ち着かせつつ次の工程を説明するミンク。

その言葉に従ってリートは鍵穴に鍵を差し込むとその瞬間に扉が消えた。


「うわっ!」

「うお!」

「これは仕様ですので。そしてその鍵で扉を消されたら入室許可数を宣言して下さい。入室許可数は鍵の所有者以外の同行者の数です。この数は正確に宣言して頂かないとなりません。実際より少なければ扉は開きっぱなしになり、多ければ溢れた者は即刻当ホテルの警備員が捕縛することになります。今回の場合ですと、リート様が鍵の所有者ですので私とペグ様の二名が入室許可数になります。それでは宣言をお願いします。」


ミンクは驚く2人を仕様だということによって落ち着かせ次の説明を行った。

そして、リートはミンクに促されたとおりに「二名」と宣言すると、扉があった部分にアラビア数字で2がでかでかと現れた。


「それでは部屋へ入りましょう。また、この段階で入室許可数に誤りがあった場合、「訂正、〇名」と正しい数に修正して下さい。靴は御自由にして下さい。部屋に入った時点で靴の裏や服などについた汚れは落とされる仕様になっておりますので素足でも清潔です。」


と言って先にミンクが部屋に入っていく。

すると、扉があった部分に書かれた数字が1となった。

成程、これは入室許可数を表したものか。

とその後を追ってリートとペグが部屋に入ると扉が再び現れて外と中を隔てる壁となっていた。


「ここが玄関です。」


と言われた紹介されたところがもう凄かった。

三和土ですら4畳半、玄関ホールでも4畳半。

三和土は大理石っぽいもので玄関ホールの材木もスベスベとして気持ちがいい。

玄関に入った途端に香る木の薫り。

照らすライトは暖色の柔らかい色を発していて1段と綺麗に見える。


「広いな。」

「というかこのスペースだけで俺十分かもしれんわ。」


と感想を述べる2人。


「それでは案内していきますね。」


といってミンクは次々と部屋のあらゆる場所を紹介していった。

部屋の全貌としては1LDKと言ったところで、寝室は見るからに高級そうなダブルベッドで反発力が半端ではなく、本当に中身が入っているのかが疑わしい程軽いものでありながら包まるとしっかりと暖かい心地の良い毛布などの寝具があり、外の寒さで凍えた体をじんわりと温めてくれるものであった。

その隣には何故か布団が敷かれてあり、変な所でも和洋折衷なのだということがわかった。

リビングにはテレビっぽいものを筆頭に本棚などがあった。そこから見える外の景色は絶景でローニッツの街並みを一望でき、しんしんとふる雪が街を白く染め上げてゆくのも見えた。

キッチンは"あかり"で使っているものとよく似ており、使い勝手も良さそうで魔術冷蔵庫にはぎっしりと食材が詰まっていた。

竈などもあった。

和洋折衷か?これも。

正直使い方もわからないんだが。うわ、薪まである。

またワインセラーなども完備されており、リートはゲームの中なので少しばかり頂こうなどと心に決めた。

そして、なによりミンクの説明で心を惹かれたものはなんと言ってもお風呂だった。

屋外に個人用の露天風呂があり、室内にはサウナにジャグジー、水風呂などがあって、体の芯から暖まれるようになっていた。

と、部屋の案内を終えたミンクは、


「一通り説明は終えましたが、質問はございますか?」


と言った。

すると、


「あらへんで。」


とペグは言い、


「ある。」


とリートは言った。

なので、ミンクは聞き返した。


「リート様、何でしょうか?」

「部屋の説明はよく分かった。」

「はい。」

「これは個人的な質問なのだがいいか?」

「答えれるものであれば。」

「そのさ?口調はどっちが素?」


とリートは尋ねた。

すると、


「ニャハハハ!モチロンこっちが素ニャ!」


とミンクは口調を戻して笑った。

その姿を見てリートは、


「うん。やっぱりそっちの方がいいな。俺に対してはそれで頼む。」


と言った。


「俺もそれで頼むわ。そっちの方が合っとるで。」


とペグも乗ってきた。

その二人の様子に呆気を取られたのか機能停止した後、再起動して言った。


「ニャハハハ!それニャらそうさせてもらうニャ!」


と言って大きな声で笑ったミンク。


「ついでに様はいらないからな。」

「俺もいらんわ。ムズ痒なる。」


と付け加えた二人を見てまたミンクは笑った。

それを見た二人も笑って、暫くの間部屋中に笑い声が響き渡っていた。

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もう一つの連載作 テーマは邪道の王道。
「真実は迷宮の中」
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