21話 探そう
次は武器屋か。
よく考えたらそろそろ杖も替え時か?
この杖も初心者の杖っていうだけあって余り強くはないしな。
そう思ってリートは初心者の杖に[鑑定]を発動させた。
初心者の杖 レア度:4 製作者:ーー
魔法発動体。
初心者の為に作られたごく初歩的な杖。
性能:物攻+1 魔攻+2
耐久値:∞
特殊効果:バインド属性
というような杖だ。
はっきりいって弱い。
利点は耐久値が減らず、自分の意思以外では無くならないってことぐらいか。
正直、これでイベントに望むのは自殺行為だな。
防具も同じような性能の初心者の服に初心者の靴だけだしな。
紙装甲を地で行ってるな俺。
これでよく死に戻ってないもんだな。
とまぁ、そのへんは置いておいてだ。
武器に防具に投げナイフを調達したいところだな。
取り敢えず武器が売っている露店巡って、その後店舗を巡るか。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
結論から言うと、露店には特にいいものは売ってなかった。
まあ、安売りしていた投げナイフがあったからないよりはマシかと思って数十本買ったくらいだ。
にしてもあまり強くなかったな。
次は店舗でも見て回るか。
けど、どの店がいいもの売ってるとか知らないしな。
さて、どうするか。
ツテでもあれば良かったんだがな。
ツテか...。
そういやリリィと一緒にいた時にアクセサリーを売っていた人と知り合ったよな?
名前は確かスミナさんだったな。
まぁ、ツテって言うほどのものでもないけど、聞くだけ聞いてみようか。
何かあればロッソ装飾店に来てくださいとか言ってたっけ。
それじゃあ、ロッソ装飾店に向かってみますか。
「すみません。少しお尋ねしたいことがあります。」
とすぐ近くを歩いていた男性に声をかける。
「なんだ?」
「"ロッソ装飾店"に行きたいのですが、何処にあるかご存知ですか?」
「ああ、知ってる。商売区画にあるよ。細かい場所は伝えにくいから行ってから聞きな。大きな店だから誰でも案内してくれるはずだ。」
「そうですか。ありがとうございます。それでは失礼します。」
「おう。」
と"ロッソ装飾店"の場所を聞きだしたリート。
「商売区画って事は西か。ここは北区画だから...あっちか。」
と西区画を指さしてその方向へ進んでいった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「すみません。少しお尋ねしたいことがあります。」
「あら?なにかしら。」
「"ロッソ装飾店"が何処にあるかご存知ですか?」
「ええ。この通りにありますわ。このまままっすぐ500mほど先に行ったところの左手側にありますわ。」
「そうですか。ありがとうございます。お時間を取らせてしまい申し訳ありません。それでは失礼します。」
「ふふふ。気にしてないわ。気を付けて。」
道を尋ねた貴婦人の言葉を頼りに500mほど歩いたところで、"ロッソ装飾店"と飾り文字で描かれた看板が掲げてある店を見つけた。
「これまたでっかい店だな。」
高級店といった佇まいの店ではないが、どこか品の良さが漂っており、その雰囲気に圧倒されるリート。
ここで働いているスミナにリートは素直に敬意を評した、
「さて、店の前まで来たのはいいが、お1人様の男にはなかなか入りづらい雰囲気だな。」
と店の前で今更ながらに店に入るのを躊躇っているリート。
すると、
「あの、ご入店でしょうか?」
と店の扉から出てきてそう尋ねる女性店員。
「え、その、えっと〜、はい。」
とビックリしてしどろもどろになりながらも肯定の意を示したリート。
「そうですか。それでは店内へどうぞ。」
と扉を開けて店の中に誘う女性店員。
「し、失礼します。」
といって、少々早足で入店するリート。
「はい。いらっしゃいませ、"ロッソ装飾店"へ。本日は何をお求めでしょうか?」
「あ、あの、スミナさんという方はいらっしゃいますか?」
「はい。居りますがどのような用でしょうか。」
と警戒心を露にする女性店員。
その姿を見てリートは慌てて、
「い、以前、露店でスミナさんと出会って、また何かあれば利用して欲しいと言われたので伺った次第です。」
と返した。
すると、
「そうですか。それでは確認をとってまいりますのでお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「はい。リートと申します。」
「リート様ですね。承知いたしました。少々お待ち下さい。」
といって、店の奥に姿を消した女性店員。
にしてもどうしてあんなに警戒心剥き出しだったんだ?
何か変か?俺。
確かに髪の色は緋色でおかしいかも知れないけど道行く人も大概な色してるぞ?
あれか?いきなり勤め先に不審な男が来たからか?
確かにそれは警戒心を剥き出しにする理由もわかるな。
俺がもしあの店員さんなら同じ対応するだr「お待たせしました。」早っ。
「確認が取れました。お会いになるようです。付いてきてください。」
「はい。」
店の奥に向かっていく背中を追いかけるリート。
あれ?『お会いになるようです』って言った?
もしかしてスミナさんって経緯を払われるくらいにすごい存在?
てことは店長さんとか?
けど、店長さんが露店を開くってありえるか?
ありえなくはないだろうけど、考えにくいよな。
「ここでお会いになるようです。」
コンコン。
「リート様をお連れしました。失礼します。」
と豪華な扉を開ける女性店員。
すると、
「ご苦労様。下がっていいですよ。」
いい椅子に座って、いい机に手を置いたスミナさんがいた。
「分かりました。失礼しました。」
といって、立ち去る女性店員。
「お久しぶりですねと言うには時間が経っていませんが、お久しぶりですね、リート君。」
と穏やかな笑みを浮かべて挨拶をするスミナさん。
「はい。お久しぶりですスミナさん。」
と挨拶を返すリート。
「今日はどのようなご用件かしら?あと、リリィさんは?」
「リリィは今は別行動です。用というのは鍛治師を紹介して頂きたいと思いまして伺いました。勿論紹介料もお支払いします。」
「そうですか。確かに鍛治師とは金属を扱う者として、切っては切れぬ縁がありますがどうしてでしょうか?」
「私はいま"灯"という食堂で働かせて頂いているのですが、そこで材料の調達をしに狩りに行く時に防御面などで不安を感じる事があって、防具や武器をそろそろ新しくしたいと思って露店を巡ってみたのですが、いまいち気に入るものが無くてどうしようかと考えました。そこで、露店つながりでスミナさんを思い出しまして紹介して頂けないものかと伺いました。」
「そうですか。そういうことなら紹介しても宜しいのですが、私が懇意にしている鍛治師は気に入った者にしか打たないという信条の持ち主でして...。ご紹介しても良い返事が必ず頂けるというわけにはいかないのですが如何ですか?」
と聞いてくるスミナ。
あれか。職人気質のドワーフの親父ってパターンか!
それなら是非とも紹介して頂きたいな!
「是非とも紹介して頂きたいです。」
「そうですか。それではこれからお時間はありますか?」
「はい、あります。」
「それでは私と一緒にそのもののもとへ行きましょうか。」
「宜しいのでしょうか?」
「ええ。構いません。しかし、あなたには二つほど飲んで頂きたい条件があります。仲介料はそれで相殺とします。」
「条件......ですか。」
「ええ。一つ目はこの"ロッソ装飾店"が出す依頼を時々でいいので受けて頂きたいのです。」
「時々でいいのですか?」
「ええ。時々でいいです。たまに顔を見せて受けてくれるだけでも構いません。」
「分かりました。それでは二つ目の条件は?」
「二つ目の条件は......ですね?その......」
「はい。」
「あ、」
「あ?」
「"灯"の料理を食べさせて欲しいのです!」
「え?"灯"の料理ですか?」
「ええ。あの店の料理長かつ店長のアンネさんは〘稀代の料理人〙として名高い人物で、いろいろな人からの勧誘を断り、店を続けている人なのです!お陰で店は半年待ちの予約でいっぱいだとか!私はまだ味わったことがないのです!だ、だからそれを二つ目の条件にします!」
と熱弁しているスミナ。
というか、あの人達って予約して来てたんだな。全く知らなかった。
なんて言えないよな。スミナさんには。
けどまあ、
「分かりました。頼むだけ頼んでみます。」
「よろしくお願い致します。」
と言って頭を下げるスミナ。
「頭を上げてください、スミナさん!というかスミナさん。あなたは何者ですか?」
「言ってませんでしたか?」
「ええ。」
「そうでしたか。それでは改めまして。
私、スミナ=ロッソと申します。"ロッソ商会"の会頭を務めさせていただいております。今後とも宜しくお願いします。」
と悪戯が成功したような笑みを浮かべてそういったスミナさん。
まさかの露店でであった人は店長どころか、商会の会頭様であったようです。
イベント編に行けない((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
もう少しお付き合い下さい。
(。-ω-)。o○︎(話膨らませすぎた)




