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辻ヒーラーさんは今日も歩く  作者: Luce
第1章 辻ヒーラーさんと始まり。
17/45

16話 辻ヒーラーと別れ

そして、草原で狩り続けておよそ3時間。

現在時間は23:30。

ちょうど区切りがいいのでここで狩りを終える。

倒した魔物の総計は、


レッサー・ウルフ×13

レッサー・バット×7

の計20体だ。

因みに魔物は全部〇体で数えられる。


となった。

レッサー・バットは蝙蝠の魔物で、変則的な飛行や超音波を駆使してくる、討伐が面倒なやつだった。

まぁ、レッサー・オウルとは違って、変則的とはいえあまり速くない飛行速度なので『アクア・バレット』は当たらなかったが、[投擲術]で"石ころ"を投げると当たった。

そうして、墜ちてきたレッサー・バットに杖で連撃を畳み掛けて倒した。

にしてもちょうど無くなったな。"石ころ"。

次は投げナイフでも探そうかな?


そうして、狩りを終えたリート達は再び東の門の前まで帰ってきていた。


「なかなか狩ったような気がする。」

「そうですね。一日目にしては上出来かと。」

「そうか。それじゃあ、縄はしご降ろしてもらわないとな。」


といって、[アイテム]からリッツから貰った魔術具を取り出した。

ちなみにアイテム名は"帰投の報せ"だった。


「え〜っと?これに向かって確か、「帰投を申請します。」と話し掛けるんだよな?」

「そうですね。それが正解で「登録情報と本人情報を確認します。......クリア。周囲の状況を確認します。......周囲に1人反応アリ。サーチをかけます。......警戒対象人物にも"帰投の報せ"の反応アリ。警戒対象人物も同時に登録情報と本人情報を確認します。......クリア。警戒対象人物の警戒レベルを変更します。......登録者と認定。両者を登録情報と本人情報が一致したため街への入場を許可します。再度周囲の状況を確認します。......クリア。オールグリーン。登録者に告げます。これより縄はしごを降ろします。降りたら速やかにお登りください。以上。」っと、確認が済んだようですね。」


と"帰投の報せ"から声が出てきて街への入場が許可された。


「何だか無機質な声だな。」

「夜中で周囲に警戒している所に人の声が聞こえると不気味と感じるのだとか。なのでわざと無機質な声を採用したとか聞きましたよ。」

「まあ、理解出来ないでもないな。」


などと話していた。

そうこうしているうちに縄はしごが地上まで降りてきた。


「さて、リリィ。登りますか。」

「そうですねリート。それでは先にどうぞ。」

「いや、リリィが先に行きな?」

「......リート?私の格好を見てそれでも言いますか?」

「いや、だってさっきは先にって、そういう事ね。」

「そうです。さっきは良かったのです。ですが、登りで先に行くと、その...見えます。」


と赤面しながら答える。

なぜならリリィはスカートだからだ。

詳しくいうとペプラムスカートと呼ばれるスカートで、膝上ぐらいまでしか丈がない。

それに、リリィのものは走りやすさを確保するためかスリットが浅いものの入っている。

確かにそれくらいだと見えるわな。


「分かった。先に行かせてもらう。」

「ええ。ご迷惑をおかけします。」

「いやいや、目の保養だ。似合ってるから。」

「ま、またそんな事言って!......ありがとうございます。」


可愛い。

とリートが先に縄はしごを登り、続いてリリィが登る。

やはり縄はしごは揺れ、恐怖が押し寄せる。

これを体験するなら夜通し狩りした方が良さそうだな。

と考えているうちに壁の最上部へとたどり着く。


「お疲れ様でした。」


とリッツが声をかけてきた。


「ありがとうございます。なぜリッツさんがここに?確か部隊長なのでは?」

「ええ。ですが部隊長といってもあくまで警備兵の1人です。だから見回りだってします。」

「それは大変ですね。」

「やりがいも感じているので大変ですが楽しんでやってます。それでは先程お渡しした魔術具をお返し下さい。なお、今回は私の顔見知りというわけで登録情報は入力しました。また、次回からは申請さえして頂ければ、警備隊本部で魔術具をお渡しして、ここまで来ていただければ外へ出ることができます。」

「わざわざありがとうございます。それでは本部で魔術具を受け取った後、壁の最上部まで来れば縄はしごを下ろしていただけるということですね?」

「そうなります。」

「分かりました。それでは私はここで失礼いたします。警備お疲れ様です。」

「はい。それではまたご縁があればお会いしましょう。」


そういってリッツさんと握手を交わし、リリィと共にあの長い螺旋階段を降りる。

これ下りの方が怖ぇな。

そうして、螺旋階段を降りきって通ってきた道を今度は逆向きに進み、訓練所を経由して入ってきた出入口まで戻る。


「おお、さっきの坊主と嬢ちゃん!これだけ帰ってこなかったって事は外に出れて、怪我もないようだな。良かったぜ!」


と厳つい顔のガートが話し掛けてきた。

この人顔は怖いけどいい人だな。


「ええ。何とか。」

「そうかそうか!そりゃ良かったぜ!......けどな?坊主に嬢ちゃん。今まで外に出た奴らの中には出たっきりっていう奴らも少なくない。だから無理だけはするなよ。夜は俺達警備兵が壁の上から外の様子を監視しているが相当な理由がない限り降りることが許されていない。すぐ下では魔物に食われそうな奴がいるとしてもだ。それだけはどうか忘れないでくれ。...とまぁ、暗い話はここまでだ!精々俺達の酒が不味くなるような事だけはしないでくれよ?ガッハッハッハー。」


とあまり言いたくもないであろう忠告までしてくれて、最後には遠まわしに念押しまでして豪快に笑うガート。


「ええ。ご忠告ありがとうございます。私の名前はリートと言います。これからも何かあればよろしくお願いします。」


と手を差し出すリート。

この人とは友人関係を築きたい。


「おう!改めて俺の名前はガートだ!宜しくな、リート!」


とガッチリとしていながらどこかぬくもりを感じる大きな手でリートの手を握り返す。


「こちらこそ。それではまた。」

「おう!面倒事や相談事、その他諸々は俺達警備隊にお任せあれだ!また会おう!お嬢ちゃんもな!」

「リリエルです。こちらこそまたどこかで。」

「おう!」


そういって手を離し、互いに挨拶を交わした後リートとリリィは警備隊本部から出る。


「いい人っぽいな。リッツさんにガートさん。」

「ええ。いい人でした。」

「あんなにいい人たちがいるのになぜライアンとかいう男は......。」

「確かに疑問は尽きませんが、宿に戻りましょう。」

「ああ。」


そういってゆっくりと"止まり木亭"へ向かって並んで歩き出す。

ゆっくり、ゆっくりと。


そして、ゆっくりと歩いて戻ってきた宿に扉をゆっくりと開けて入り、名残惜しそうに扉を閉める。

そうして、受付のさっきとは違うお兄さんから8番の部屋の鍵を受け取り階段を登り、奥まで進んで鍵を開け部屋に入る。

出た時と何も変わってない部屋だが、窓から見える月程大きな一際大きな星には雲がかかって見えづらくなっていた。


「さぁ、部屋に帰ってきたな!いやぁ、なんだか落ち着くな!」

「ええ。そうですね。」

「いやぁ、けど月っぽい星が雲に隠れて見えづらいな!」

「ええ。そうですね。」

「......さて、リリィ。そろそろ時間か?」

「ええ。そうですね。」

「だよな。」

「ええ。」


二人の間に沈黙が訪れる。

そして、


「リリィ。俺はこの世界を楽しんでいく。」

「......。」

「いろんなところに行っていろんなものを食べていろんな人に出会う。」

「......。」

「けど、最初にこの世界で会ったのは他でもないリリィだ。それは変わらないし忘れない。」

「......ええ。」

「俺はリリィと最初に出会えて良かったって胸を張って言える。リリィは?」

「......ええ。私もですわ。」

「けど、もちろんどんなものにも必ず別れは訪れる。」

「......ええ。」

「だったら別れるときは笑顔で締めくくろうぜ。それに絶対に会えないという事はないだろ?」

「......ええ。ええ。そう...ですわね。」

「なら笑おう。リリィ。」

「......そうですわね。ええ、そうですわ。会えないなんてことはありませんわ。」

「そうだ。また会える。だから土産話を用意しておくからリリィも聞かせてくれ。」

「ええ。必ず。」

「よし、なら笑って別れようか。」

「ええ。その前にリート?お願いがありますの。」


ずっと下を向いて涙を零していたリリィ。

それに気づかないふりをしてまた会えると言い続けるリート。

二人の別れは必然ではある。

が、再会できないと決まっている訳では無い。

そう言うリートの言葉を受け止めたリリィはリートにお願いがあると言った。


「なんだ?」

「目を......瞑って欲しいですわ。」

「お安い御用で。」


そう言って目を瞑るリートの額に何か柔らかいものが触れる。


『称号〘リリエルの寵愛〙を手に入れました。』


このウィンドウとともに。


「これが私からの贈り物ですわ。また会う時に相応のお礼を用意しておいてくださいまし。」

「リリィ。君は俺を破産させるつもりか?」

「ふふふ。用意頼みましたわよ?」

「せいぜい頑張るさ。」

「ええ、頑張って欲しいですわ。っと、あと15秒ですわ。」

「そうだな。」


現在時刻は23:59


「リート。短い時間でしたが楽しかったですわ!」


残り10秒。


「リリィ。俺も楽しかったよ。」


残り5秒。


「「それではまたな(ね)。」」


そういって光の粒子と化したリリィは窓をすり抜け宙に浮かぶ一際大きな星へと昇っていく。

街のあちらこちらからもその光の粒子もまた一際大きな星に向けて昇っていっていた。

幻想的な街から光の粒子が昇っていく。

この光景は一生忘れない。



さて、現在時刻は0:00


一際大きな星を隠していた雲は無くなっていた。

第1章無事完結。

(ちなみにこの話を投稿する直前に、第1章を追加。)


9月に入りまして、暑さも和らぐかな?

なんて、淡い期待も打ち破られました。


リアルが忙しくなり始める9月からは更新が1日1度になります。

夜の8時位を目安に投稿していきたいと思います。

更新頻度は落ちますが、ご理解いただきたいと思います。

これからもご愛読お願い致します。


さて、次話は閑話を挟み、その次に第2章という形になるのが有望。

掲示板回出来るかな?

私の文章力で・・……(-。-) ボソッ

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もう一つの連載作 テーマは邪道の王道。
「真実は迷宮の中」
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