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さいかい…

お久しぶりです。

仕事が忙しく、執筆が出来ませんでした…

今月からは、また1~2週間に一回は投稿できると思います!




 僕たちが、イーベの町から旅立ち、一ヶ月が経った頃、ようやく大きな街を視界に捉えることが出来た。


 「長かった~! やっと、野宿から解放される!」


 街が見えた事で、僕は喜びのあまりに、はしゃぎ始めてしまった。


 「気持ちは分からないでもないけど、誰かに見られたら恥ずかしいわよ?」


 そうは言っても、本人も野宿生活の終わりが嬉しいようで、リンもニヤニヤと笑みを隠しきれていない。


 「ノゾム…様、子供みたい、です」


 セシリアが僕のはしゃぎっぷりを見て、子供見守る親のように笑っている。


 「しょうがないじゃん! イーベの町を出てから、町どころか村すらなかったんだから。あったのは、国境付近に砦が幾つかぐらいだったしね」


 「ノゾム君の言いたい事は分かるけど、もう少し落ち着こうよ」


 はしゃぎ過ぎたせいか、サキにたしなめられてしまった。


 「はい…。それにしても、何で村や町が無かったんだろ?」


 「それは私たちが通ってきた大平原が王国と帝国で決めた不可侵エリアだからって話よ」


 「だけど、それが理由で人が住んでないのは、おかしいんじゃないかしら?」


 僕の疑問に、リンが答えてくれる。が、その答えにイリスさんが質問を重ねる。


 「これも聞いた話だけど、あの平原は王国と帝国の間あるせいで、両国で戦争が始まると、あそこが主戦場になるんですって」


 なるほど。誰も、いつ起こるか分からない戦争に脅えたくないって事か。






 街に入って、最初に感じたことは、街の雰囲気が王都とはぜんぜん違うんだと言うことだった。

 向こうとは違い、こちらは空気がのびのびとしている。


 僕は、そんな空気を肌で感じながら、皆に向かって宣言する。


 「よし、さっそく宿探しをしよう」


 街の空気とかは今の僕には興味ありません。僕は早くベッドで寝たいのです。それに…


 早く休みたいのは皆も同じだったみたいで特に反対意見は出なかった。


 「それで主様? 宿はどういった基準で選べばいいのかしら?」


 バラバラになって宿を探す事になったけど、解散前にイリスさんが重要な事を質問してきた。

 ちなみにイリスさんは僕のことを主様と呼ぶようになった。最初は止めてと言っていたんだけど、全く止める気配がないので諦めた。しかも、話し方自体は前のままなのだから、あれは僕のことをからかっているんじゃないかと邪推している。


 「みんなは、何か希望ある?」


 とりあえず、自分の意見は後にして、皆の希望から聞くことにした。


 「私はお風呂かしら?」


 「ベッドがあればいいよ」


 「ご飯が食べ、られればあとはい…りません」


 リン、サキ、セシリアの順でそれぞれ要望を口にする。しかし、何故だろう? セシリアの要望には涙を誘うのは…

 ちなみに、誤解しないように言っときますが、食事はみんな同じ物を食べてますから。


 「だって。僕は、皆の意見に追加で、男女で部屋を別にしてくれれば他は何も言わないよ。それより、イリスさんこそ要望はないの?」


 「そうねぇ…、安全であることかしら?」


 「ふむふむ。それじゃあ、皆の意見をまとめると、ベッドとお風呂があって、食事付き。さらには、男女別の部屋で安全が保証されている宿ということだね。まぁ、お金は気にしなくて大丈夫だから」


 皆の顔を見ると、全員頷いたので問題ないと判断し、全員個別行動に移ることにした。


 なお、集合は4時間後。今は10時ぐらいなので、お昼は各々食べることにした。勿論、そのためのお金は渡してある。







 「…さてと。4時間あれば、少し遠くに行っても平気かな?」


 皆が宿探しの為にバラバラになったのを確認した僕は、宿を探さずにその足をギルドへと向けた。

 ギルドに向かっている理由は、カードスから預かっているSSランク昇格の手紙を渡す為ではなく、この辺りに生息する魔物の情報を仕入れる為だ。

 それに今、昇格の手紙をギルドに渡したら、4時間なんてあっという間に終わっちゃうと思う。そんなのはダメだ。僕は早くレベルを上げたいのだから。




 あの後、ギルドでこの辺りで生息している魔物の情報を仕入れた僕は、普通なら片道5時間ほどかかる場所にある森林地帯に30分ほどで到着し、現在はお目当ての魔物を探している最中だ。


 「どこにいるかなぁ~? っと、そうだ! 確か、ハニービーの蜂蜜があったはず…、あったあった! これを適当な棒に塗って…よし!」


 さ~て、これであとは釣れるのを待つだけだ。



 「きたきた! お目当ての軍隊アリの群。流石、ハニービーの蜂蜜。…ただ他にも余計な魔物まで釣れたみたいだけど」


 軍隊アリとは、体長約1mほどのアリの魔物だ。ただし、二足歩行な上に武器を使う器用さも持っている魔物だったりする。聞いた話だと、常に20匹単位で見回りをして餌を集めているらしい。


 「時間もないし、さくさくやりますか」







 「…よし! まだ誰も戻ってきてない」


 あの後、同じように軍隊アリを釣っては倒してを何度か繰り返してレベル上げに勤しんだ。そして、集合時間が近づいてきたので街に戻ってきたのだ。


 「皆が戻ってくるまでヒマだし、ステータスの確認でもするか」




 【名 前】 ノゾム・サエキ

 【年 齢】 18歳

 【種 族】 ヴァンパイア

 【職 業】

 【レベル】 20

 【H P】 17867598/17867598

 【M P】 57912863400/57912863400

 【筋 力】 7589431 (-98.0%)

 【防御力】 6207259 (-98.0%)

 【素早さ】 5988233 (-98.0%)

 【命 中】 6542907 (-98.0%)

 【賢 さ】 7321784 (-98.0%)

 【 運 】 100~0


 【スキル】

 異世界言語 剣術LV5 短剣術LV3 槍術LV5 斧術LV3 盾術LV4 体術LV5 爪術LV5 魔法剣LV3 魔法拳LV3 ブレスLV6 豪腕LV3 身体強化LV6 身体硬化LV6 魔法強化LV5 オートヒールLV3 MP回復速度LV3 攻撃範囲強化LV5 空歩LV4 忍び足LV5 威圧LV6 咆哮LV5 気配察知LV8 熱源察知LV6 魔力察知LV6 突進LV2 かまいたちLV4 火魔法LV5 水魔法LV4 風魔法LV5 土魔法LV6 氷魔法LV3 雷魔法LV4 光魔法LV3 闇魔法LV3 無魔法LV6 魔法合成 気絶耐性LV5 状態異常耐性LV6 直感LV5 並列思考LV6 糸生成LV6 無詠唱 夜目 魔力操作 奴隷契約 偽装 観察 (違和感)


 【ユニークスキル】

 武器生成


 【固有スキル】

 ヴァンパイア 吸血 再生 分裂 龍の鱗 龍の逆鱗


【所有奴隷】

 リンスレット

 サキ

 セシリア

 イリス



 流石にレベルは上がってないか。しかし、こうして見ると1ヶ月前とは比べものにならないな。これも夜な夜な自分の見張り番の時に魔物狩りに勤しんでいた成果だ。



 ステータスを確認しながら、みんなが集まるのを待っていたら、街を行き交う人々の仲で1人の女性が目に入った。


 「あれって確か…」


 女性が僕の知っている人で間違いないか記憶と照らし合わせていると、あちらも僕に気付いたらしく、こちらに歩み寄ってきた。


 「ノゾムさん? やっぱり! 偶然ですね。いつからこの街に?」


 「お久しぶりです、お姉さん。この街には今日着いたばかりですよ」


 やっぱり。王都のギルドで受付をしていたお姉さんだった。


 「そうなんですか? では、これからギルドに?」


 「いえ、ギルドへ行くのは明日にして、今日はもう宿を探そうかと…」


 「でしたら、お勧めの宿がありますが、ご紹介しましょうか?」


 おっと、これはツイているぞ。さっきまで宿探ししないでレベル上げしていたから、宿の候補が無かったんだよな。リンたちにどう言い訳しようか考えてるところだったし、お姉さんの提案に乗っかる事にしようかな?


 「ほんとですか! 助かります。…だけど、色々注文つけても大丈夫ですか? 仲間たちの要望でもありますので」


 「もちろん構いませんよ」


 嫌な顔一つしないで、にっこりと笑いながら頷いてくれるお姉さんに、皆からの要望を教える。


 「…へぇ~。私たちが真面目に宿を探しているのに、ノゾムはナンパなんてしているのね」


 しかし、要望は伝えきれなかった。背後から聞こえてきた声によって遮られたからだ。

 僕は、声の主が誰だか分かっているけど、何故か振り向くのにかなりの勇気が必要だった。


 「…やあ。もう集合時間なのかな?」


 何故か折れそうになる心を奮い立たせて、首だけで後ろへ振り返ると、極上の笑顔を浮かべながらも目だけは一切笑っていないリンが立っていた。


 なんか、恐ろしいぐらいの威圧感を感じるんですけど、リンってスキルで威圧持ってたっけ? サキたちもいるけど、リンよりも一歩ほど後ろにいるけど、全員顔が引き攣っているんですが…。


 とりあえず、どうしよ…。




ありがとうございました!

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