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衝突

お待たせしました。


あらすじ

南の森へ全速力で走った




 イーベの町を出発して、走り続づけること、約3時間。僕たちは、南の森から少し離れて、岩場に身を潜めていた。


 「…………」


 「し、信じられない…」


 ここまで、全力で駆け抜けた事で、フォーカスは放心、イリスさんは放心はいていないけど、3時間でここまで来た現実を受け入れるのに手こずっている感じだ。




 ちなみに、僕たちが何故、森に入らずに隠れているのかと言うと、今、森の周辺には、王国軍がいるからだ。見張りがいるとかではなく、出立した1000人全員がいると思うほどの多人数が、だ。


 「それにしても、これはいったいどういう事だ?」


 3日前に出立したはずの兵士が、森の外にいるのか? 兵士は予想通り、全員が馬に乗ってきたようだ。なら、すでに森の中へ進軍していてもおかしくないはずなんだけど…。


 とりあえず、1人で考えていても、時間の無駄なので、いまだにフリーズしている2人を再起動させるべく、声をかける事にした。


 「ほら、2人とも! いつまで、呆けているのさ。敵からある程度、離れているとはいえ、そろそろしっかりしてほしいんだけど?」


 2人とも、声をかけた程度では再起動しなかったので、しょうがないから、脳天にチョップを叩き込んだ。


 「いだっ!」


 「うっ!」


 「目、醒めた?」


 痛みで頭を押さえながらうずくまっている2人にもう一度声をかけてみる。


 「もう少し手加減してくださいよ!」


 「……あなた、私には彼よりも強くしたわね?」


 2人とも脳天チョップに対して不満をぶつけてくる。特にイリスさんはかなりご立腹だ。どうやら、フォーカスより強力なチョップをもらったのが気に入らないらしい。

 だけどねイリスさん。フォーカスよりステータスが高いあなたに、フォーカスと同じ威力でチョップしても効くはずないじゃないですか…


 「そんな事よりも、あれを見てどう思いますか?」


 イリスさんの不満を無視して、2人に森の外にいる王国軍を見てもらう。


 「も、もしかして、もう手遅れですか?」


 王国軍を見て、フォーカスは青ざめた顔で崩れ落ちそうになった。が、それはイリスさんの言葉で、何とか回避する事が出来た。


 「…そうでもなさそうよ? 見てみなさい。誰も戦闘があったとは思えないほど、綺麗でしょ? それに見た限り、エルフはどこにもいないわ」


 「ほ、本当ですか!?」


 フォーカスはイリスさんの言葉を聞いて、慌てて、王国軍の中にエルフがいないか探し始めた。


 「そうなると、あいつらは到着したばかりって事ですかね?」


 フォーカスは、エルフを捜すのに夢中になっているので、僕はイリスさんと話を進める事にした。


 「何とも言えないわね…。それで、どうするの?」


 「ひとまず、フォーカスとイリスさんにはエルフの村へ向かってもらおうかと、思っているんですが…」


 「ちょっと待って下さい! どうやって、村に行けばいいんですか!? 見て下さいよ、あの兵士を!」


 同族を探しながらも、僕たちの話を聞いていたらしいフォーカスが、食いかかってきた。


 「私も村へ行く方法が聞きたいわね。私たちだけで、あの兵士たちに見つからないように、迂回していたら、時間がかなりかかるわよ?」


 イリスさんもフォーカスと同じ事を思ったようだ。だから、僕はイリスさんにむけてとびっきりの笑顔でこう言った。


 「わざわざ迂回しなくても、このまま真っ直ぐエルフの村に向かえるじゃないですか。イリスさんなら」


 「っ!! あなた。それ本気で言ってるの?」


 僕の言葉を聞いて、すぐに僕の言葉の意味を理解した、イリスさんが怒りを抑えながら、僕に確認の質問をしてくる。


 「本気も本気。時間があるならまだしも、今は一刻まで争う事態だよ。手段なんか選んでいられないよ」


 「…私と彼が村に行って何をすればいいのよ?」


 僕の言っている言葉が本気だと分かり、抵抗するのを諦めたイリスさんが、村に着いた後の指示を聞いてくる。


 「最悪の事態に備えて、村の防御を固めてもらいたいんですよ。その説得はフォーカスにしかできないので。イリスさんはフォーカスの手伝いをお願いします。ただ、できうるかぎり手出ししないで、裏方に徹してほしいですね。フォーカスの修行の一環でもありますので」


 「ぼ、僕にそんな事できるはずないじゃないですか!?」


 「出来なければ、村は壊滅すると思ってくれ」


 「そ、そん…な…」


 フォーカスの悲観的な意見をバッサリ切り捨てる。


 「まぁ、なるべくそうならないようには僕の方で頑張るから。あぁ、あと、これから体験することは他言無用だから」


 「えっ?」


 「それじゃあ、イリスさん。お願いします」


 「分かったわ。…けど、今更ながら、あなたに質問責め出来るだけじゃ、割に合わないわね」


 「なら、あなたの目的である人捜しでしたっけ? それの手伝いを約束しますよ。それでどうです?」


 イリスさんからポロッとこぼれた愚痴が聞こえたので、モチベーション向上の為に、追加報酬を提示してみた。


 「見つかる可能性はかなり低いわよ? それでもいいの?」


 「はい」


 「分かったわ。それじゃあ、少しはやる気を出すわね。行くわよ、フォーカス」


 「え? えぇっ!?」


 追加報酬のおかげで、やる気を出したイリスさんがフォーカスを後ろから抱き締める。そして…



 「う、うわぁぁムグッ!」








 黒い翼を羽ばたかせ遙か上空へ飛び立っていった。

 フォーカスは急に宙に浮かび驚きの声をあげたけど、イリスさんに即、口を塞がれた。

 2人はそのまま上昇し続け、ぱっと見では、人と判断出来ないぐらいまでになると、森の方へと飛んでいった。




 さて、2人には言わなかったけど、実は、あの兵士たちの中に勇者(あのバカたち)の気配がないのだ。理由は分からないけど、あいつらの事だから、きっとろくな事じゃないと思う。なので、2人には念の為に村へ先に行ってもらったんだけどね。


 「それじゃあ、僕も行動開始しますか」


 そう1人言を呟き、僕は兵士たちの所に向かって移動を始めた。





 「あの~、この兵士さんたちは、何をしているんですか?」


 僕は、森の入り口を陣取っている兵士たちの中から、1人だけ集団から離れている兵士に何も知らないフリをしながら、話しかけてた。


 「ん? あぁ。今は森の調査に来ているんだよ。申し訳ないけど、2、3日は立ち入り禁止なんだ」


 話しかけられた兵士は、しれっと嘘をついて僕を追い払おうとする。しかし、それが嘘だと分かっているので、立ち去らずに話を続ける事を選ぶ。


 「そういうのって、本来は冒険者の仕事ですよね? わざわざ、国の兵士さんたちがする事ではないですよね?」


 「そ、それは…」


 僕がちょっと言い返すと、兵士は言葉を詰まらせてしまう。


 ちょっと、ちょっと! いくらなんでも言い負かされるの早すぎでしょ!


 そんな事を思いながらも、追い打ちをかけてみる。


 「それと、早くこの先にある村に、友人を助けに行かなきゃならないんです。通してもらえませんか?」


 「っ!! お前、どこで知ったかは知らないが、生かしてはおけない!!」


 兵士はそう言いながら、僕に斬りかかってきた。


 だから、おかしいでしょ! なんで助けに行くって言っただけで斬られなきゃいけないのさ! これじゃあ、自分たちは、この先にある村を襲うために来ましたって言っているようなもんだよ?


 僕は心の中で愚痴りながらも、兵士の剣を見切り、回避し続ける。


 「あのバカ! なんで周りの奴は止めなかった! あれに一般人と会話させないように見張っていろと言ってただろ!」


 周囲の他の兵士たちも、この騒動に気が付き始めたみたいだ。それにしても、僕が話しかけた奴はかなり頭の弱いやつだったみたいだな…


バカのせいと言うべきか、おかげと言うべきか、兵士たちは次々と参戦してきて、もはや乱戦状態だ。僕は、囲まれないように、位置取りに気を付けながら、回避し続ける。そして、正面にいた兵士が大振りな一撃を繰り出してきたので、後方に大きく飛んで回避すると同時に距離をとる。


 「あの~。僕はこの先に用があるだけなんですが、これはどういう事ですか?」


 僕は空いた距離を詰めようとする兵士たちに問いかける。


 「申し訳ないな。あのバカのせいでお前を帰す訳にはいかなくなった。俺たちがここで何をしていたかを知られるのは拙いので…な。恨むなら、あのバカと、ここに居合わせたお前の不運を恨むんだな」


数いる兵士の中でも少し階級が高そうな奴が、答える。そして再び再開される乱戦。


 本当なら、もう少し情報が欲しかったんだけどな。勇者の事とか…。


 僕は情報収集を諦め、戦闘態勢に入る。


 「雷よ降り注ぎ敵を撃ち抜け! 『サンダーシャワー』」


 僕は距離を潰される前に雷魔法のLV2であるサンダーシャワーを詠唱し放つ。

 サンダーシャワーは小範囲にいくつもの雷を降らす魔法だ。まぁ、LV2の魔法なので、一度で15㎡といったとところかな? 威力はさほど高くはないが、付属効果で麻痺が起こる。しかも割と高確率で。


 『ぎゃああああああ!!』


 雷に撃たれた兵士たちの悲鳴が響く。並列思考で同時に4発放ったおかげで200人ぐらいは戦闘不能にしたと思う。もちろん加減はしてあるから、死んではいないと思う。当たり所が悪ければその限りではないと思うけど…





 突如、降り注いだ雷に味方が撃たれたのに驚き、動きが止まる兵士たち。


 僕はその隙を見逃さず、先ほどと同じようにサンダーシャワーを撃ち続け、1000人いた兵士をものの数分で全滅させてしまった。

 途中で、あまりにもあっさり倒せてしまうので、兵士たちに観察をしてみた結果、平均レベル10の、平均ステータスが350程度だった。たぶん、新兵だったんだろう。これから、戦争をするにあたって、戦を経験させたかったから、ここに派遣されたのは新兵しかいないのだろう。




僕は、先ほどの階級が高そうな兵士に水をぶっかけ、意識を取り戻させる。


 「おはようございます。あなたにお聞きしたい事があるのですが…」


「………」


 話しかけてみても、返事が返ってこない。


 「僕が聞きたいのは、勇者がどこに行ったかなんですが…」


 「………」


 どうやら、だんまりを決め込むようだ。


 「まぁ、あいつらの事だから、誰が一番多くエルフを奴隷にできるかとか言って、3人で森に入って行ったってところか…」


 「っ!?」


 当てられるとは思っていなかったらしく、兵士は僕の言葉を聞いて驚愕した。

 

 それにしても、あいつらの事だから、森に入ってから一緒には行動してはいないだろう。なぜなら、お互いが競争相手なんだから。

 そうなると、3人が村に到着する前に、3人とも撃破しないといけないのか…


 僕は起こした兵士を再び気絶させ、あいつらを追う為に、森に入っていく。

 周囲に誰もいない事を確認し、これからの為の準備をし、森をの奥へと進んでいく。




 

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