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半年後

新章スタートです。


今回の話からを4章として、前回までの話は3.5章としました。




 「ハァ!!」


 サキの鋭い斬撃で対峙していた魔物の命を刈り取る事に成功した。しかし他の魔物が攻撃後の硬直を狙ってサキの背後から攻撃を仕掛けようとする。


「させませ、ん!」


 しかし、その攻撃は、自身が行おうとしていた背後からの攻撃を自分自身がやられてしまい未遂に終わる。魔物を仕留めたのはセシリアだ。気配遮断を活かして、魔物の背後をとったり、前衛のフォローなどをしている。


 「2人とも退避して! 魔物が一箇所に集まったから、一気に終わらせるわ!」


 リンは前線で戦っているサキとセシリアに退避を促す。それを聞いた2人はリンの射線から外れつつ対峙していた魔物たち魔法で牽制しつつ距離をとる。


 「いくわよ! 『アシッドレイン』」


 2人がある程度距離をとったのを確認して、リンが魔法を放つ。

 中級水魔法のアシッドレイン。強力な酸の雨を降らせ相手を溶かす中範囲魔法だ。





 リンの魔法で残っていた魔物たちは全滅した。跡形もなく溶けて…。


 「よし! 終わったわね」


 「『よし!』じゃないよ。全部溶けちゃったから素材が取れないじゃないか」


 「うっ」


 魔物を殲滅してドヤ顔していたリンに、僕はクレームを入れる。リンの方も、言われてから気付いたらしく、ばつの悪い顔をしてしまった。そしてサキもリンに追い討ちをかける。


 「リンさんは偶にこういう事やるよね。と言うより、距離をとってたとはいえ、味方が近くにいるのにアシッドレインを使う? 下手したらあたしたちも巻き添えだったよ?」


 「うぅっ」


 サキの追い討ちによりばつの悪い顔から半泣きにクラスチェンジしてしまった。それを見ていたセシリアがリンの味方についた。


 「けど、流石リンさん…です。ちゃんと残りの、魔物を全部仕留め…てくれました」


 「せ、セシリア~!! 私の味方はあなただけよ~」


 僕とサキにダメだしされた事がよほど堪えたのか、はたまたセシリアだけが自分を責めなかったのが嬉しかったのか、リンはセシリアに抱きついて胸に顔をうずめて泣きついた。





 僕たちは今、冒険者がほとんど来なくなった中級ダンジョンの最下層にいる。先ほどリンたちが相手にしていた魔物はエレモンキーと言う猿の魔物で基本10匹近くの集団で襲ってくる。普通の冒険者ならBクラスの6人パーティーでも油断すれば危険な相手である。しかし今のリンたちなら問題なく相手にする事のできるレベルだ。

 キースとの模擬戦から半年が経っているが、僕たちはかなりのハイペースでダンジョンに潜り、レベルを上げてきた。ちなみに今の僕たちのステータスはこんな風になっている。


【名 前】 ノゾム・サエキ

【年 齢】 17歳

【種 族】 ヴァンパイア

【職 業】

【レベル】 6

【H P】 17867598/17867598

【M P】 57912863400/57912863400

【筋 力】 7589431 (-99.4%)

【防御力】 6207259 (-99.4%)

【素早さ】 5988233 (-99.4%)

【命 中】 6542907 (-99.4%)

【賢 さ】 7321784 (-99.4%)

【 運 】 100~0


【スキル】

異世界言語 剣術LV5 短剣術LV3 槍術LV4 斧術LV3 盾術LV4 体術LV5 魔法剣LV2 魔法拳LV2 豪腕LV3 身体強化LV6 身体硬化LV6 空歩LV2 忍び足LV3 威圧LV5 雄叫びLV5 気配察知LV5 熱源察知LV5 魔力察知LV1 突進LV2 かまいたちLV4 火魔法LV5 水魔法LV3 風魔法LV3 土魔法LV4 氷魔法LV2 雷魔法LV2 闇魔法LV3 無魔法LV5 魔法合成 気絶耐性LV2 直感LV3 並列思考LV4 糸生成LV3 夜目 魔力操作 奴隷契約 偽装 観察 (違和感)


【固有スキル】

ヴァンパイア 吸血 再生 分裂


【所有奴隷】

リンスレット

サキ

セシリア



【名 前】 リンスレット

【年 齢】 17歳

【種 族】 ヴァンパイア

【職 業】 魔術師

【レベル】 25

【H P】 12237/12237

【M P】 40321/43082

【筋 力】 13037

【防御力】 10378

【素早さ】 11009

【命 中】 12902

【賢 さ】 16498

【 運 】 31


【スキル】

棒術LV2 火魔法LV8 水魔法LV7 風魔法LV8 土魔法LV7 闇魔法LV9 無魔法LV9 詠唱破棄 魔力操作 合成魔法 偽装


【固有スキル】

ヴァンパイア


【ユニークスキル】

魔眼


【所有者】

ノゾム・サエキ



【名 前】 サキ

【年 齢】 15

【種 族】 魔族

【職 業】 剣士

【レベル】 27

【H P】 1934/2011

【M P】 4839/5102

【筋 力】 2310

【防御力】 927

【素早さ】 2019

【命 中】 2198

【賢 さ】 1395

【 運 】 25


【スキル】

剣術LV5 居合いLV2 縮地LV4 見切りLV2 体術LV4 火魔法LV2 風魔法LV1 無魔法LV1 直感LV2 


【所有者】

ノゾム・サエキ



【名 前】 セシリア

【年 齢】 16歳

【種 族】 狐人

【職 業】 術師

【レベル】 20

【H P】 1038/1249

【M P】 1302/1643

【筋 力】 739

【防御力】 632

【素早さ】 832

【命 中】 743

【賢 さ】 689

【 運 】 30


【スキル】

短刀術LV2 双短剣術LV2 投擲術LV2 火魔法LV3 土魔法LV1 無魔法LV2 気配察知LV5 魔力察知LV3 気配遮断LV3 罠感知LV3 罠解除LV3 地図作成 夜目


【固有スキル】

九尾解放 妖術


【所有者】

ノゾム・サエキ


 全員この半年でかなりレベルが上がった。スキルはリンが棒術の習得に念願の合成魔法も習得した。サキは魔法の習得に元々あったスキルのレベルが上がった。セシリアは体格が基準に戻ったので、短刀から短剣に変更した。本人の希望もあり、二刀流にしたら、双短剣術と言うスキルを覚えた。なので、今は短刀は投擲用になった。僕はレベルよりスキルのレベル上げや習得をメインにしたのでレベルはほとんど上がっていない。



 「さて、そろそろふざけるのは終わりにして、最下層のボスに挑戦しに行くよ?」


 僕はいまだにセシリアに泣きついているリンに声を掛ける。


 「ちょっと! ノゾム、私の扱い酷くない?」


 「そんな事ないよ? そもそもリンの自業自得でしょ?」


 「さ、さぁ! ボスの部屋まで行きましょう!」


 リンは旗色が悪いと感じたのかさっさと話題を終わらせて歩き出す。それを見た僕たちは苦笑いをしながらリンのあとを追いかけた。








 「終わった~!」


 そう叫んだのはサキだった。

 僕たちはあの後、ボスに挑んだ。僕は危なくなるまで手を手を出さずに見ていた。リンのステータスに、サキの切り札(居合い)にセシリアの九尾解放があれば問題ないと思ったからだ。結果は僕の予想通り、問題なく終わった。ボスはミノタウロスが2体だった。片方が物理攻撃でもう片方が魔法攻撃をしてきたが、魔法はリンが相殺もしくは打ち勝ち、相手に何もさせないで倒した。物理の方はサキが接近戦で相手に張り付き、セシリアが死角から攻撃する作戦でリンが参戦するまで耐え抜き、リンが参戦したら一気に畳み掛けて倒した。


 「お疲れ様。みんな、この半年でかなり強くなったね。」


 「それでも、ノゾムの足元にも及ばないけどね」


 リンは先ほどの仕返しなのか、言葉に棘がある。


 「まぁまぁ、リンさんも拗ねてないで」


 「私とサキさん…だけじゃボスなんて、倒せなかったんです。倒せた、のはリンさんのお陰…ですよ」


 「む~」


 サキとセシリアのフォローによりリンは頬を膨らませる程度までは機嫌を直してくれたようだ。

 これ以上ここにいてもリンの機嫌は直りそうにないので、ボスの素材と魔石などをさっさと回収して帰る準備をする。


 「さて、もうやる事もないし、転移結晶で地上に帰るとしようか」


 僕がそう言うと、3人は転移結晶の方へ歩き出す。そして順次、転移結晶で地上に転移する。そして最後の僕が転移結晶に触れようとして手を出したら…


















 スカッ!


 僕の手は転移結晶に触れることはなかった。


 「あ、あれ? 転移結晶が消え…た?」


 僕は突然、転移結晶が消えた事を理解できず唖然としてした。が、状況はそんな僕にお構い無しで進んでいくようだ。


 「な、何?何が起きているんだ!?」


 転移結晶が消えたと思ったら次は周囲が輝き始めた。その光は次第に強くなっていく。遂には目を開けていられないぐらい強くなって、僕は目を閉じて光が収まるのを待った。

















 どれくらい経っただろう?

 僕は光が収まったようなので目を開いてみた。


 「…はぁ?」


 視界に飛び込んできたのは転移結晶のあった場所でも、ダンジョンの入り口ではなく…








 見知らぬ森の中だった…

ありがとうございました。

誤字脱字がありましたらご報告いただけると助かります。

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