ザカラタ=バカラン奪還戦-1
アゼルバイジャン ザカラタ上空 5月19日 0541時
F/A-18CとF-16CJが敵部隊を探していた。
「こちら"ウォーバード2"、敵戦車を発見。T-72とT-80が4両ずつのようだ」
パトリック・コガワがAWACSに報告する。
「了解。そいつは地上部隊にとっては危険だ。やっつけてやれ」スタンリーが指示を出す。
「了解。ぶっ潰すぞ」
ホーネットとファイティング・ファルコンはCBU-97を2発ずつ投下した。この"賢い"クラスター爆弾の子爆弾1つ1つには赤外線センサーが付いていて、戦車のエンジン等、熱源に反応して爆発する。子爆弾が爆発し、"スキート"と呼ばれる溶けた金属が戦車の装甲を貫通し、乗員を殺傷した。
「"ウォーバード2"より"ゴッドアイ"へ。次の目標を探す」
「了解"ウォーバード2"。奴らをやっつけてやれ」
ツァハレムとベングリオンは他の傭兵のヘリ部隊と共に敵機甲部隊を攻撃していた。アパッチは1機だけで、ハインドやコブラ、ロイホックが混ざるなんとも不思議な編成だった。OH-6が先行して、敵部隊の位置を伝えてきた。
「敵はT-72が15両程。全部やっつけてくれ」アメリカ軍出身の偵察兵が無線で伝えてきた。
「射程内に入った。ヘルファイア発射!」
AH-64が先に攻撃を開始した。AGM-114Lロングボウ・ヘルファイアは"撃ちっぱなし"ミサイルなので撃ったらすぐに次の敵を探すことができる。ヘルファイアを受けたT-72は文字通り黒焦げになった。他の攻撃ヘリもそれぞれ獲物を見つけてミサイルを発射した。TOWや9M17Pが爆発し、戦車を葬る。しかし、一筋の光を伴った煙が地上から飛んできて、傭兵部隊のSA-341ガゼルを撃墜した。
「スティンガーだ!全機、離脱!離脱!」次はAH-1Sが爆発する。他の攻撃ヘリは慌てて上昇し、一度交戦区域から離れた。
「どうしたんだ?何か問題か?」
CV-22の機内で通信を聞いていたバークにコナリーが話しかけた。
「攻撃ヘリ がSAMにやられてる。援護しなければ」
「くそっ、早い所目標地点に急ぐぞ」
彼らは完全武装のアゼルバイジャン陸軍部隊の対戦車小隊を運んでいた。彼らの目的は敵戦車部隊の待ち伏せだ。
「とりあえず、当面の目標に集中しよう。助けに行くのは後だ」
キャビンにいるジャック・ロスがパイロットに指示した。




